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給
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たま
ふりがな文庫
“
給
(
たま
)” の例文
これからはいよ/\お
民
(
たみ
)
どの
大役
(
たいやく
)
なり、
前門
(
ぜんもん
)
の
虎
(
とら
)
、
後門
(
こうもん
)
の
狼
(
おほかみ
)
、
右
(
みぎ
)
にも
左
(
ひだり
)
にも
怕
(
こわ
)
らしき
奴
(
やつ
)
の
多
(
おほ
)
き
世
(
よ
)
の
中
(
をか
)
、あたら
美玉
(
びぎよく
)
に
疷
(
きず
)
をつけ
給
(
たま
)
ふは
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その上は、済まないけれど、力ずくで取返すから、そう思い
給
(
たま
)
え。君をふん縛って、それから捜すんだ。僕は本気で言ってるんだぜ。
ワーニャ伯父さん:――田園生活の情景 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「そら、ね。いゝぱんだらう。ほし
葡萄
(
ふだう
)
が
一寸
(
ちょっと
)
顔を出してるだらう。早くかばんへ入れ
給
(
たま
)
へ。もうお日さまがお出ましになるよ。」
いてふの実
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
其
(
そ
)
の
木曾
(
きそ
)
の
掛橋
(
かけはし
)
と
景色
(
けしき
)
は
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
ながら、
此
(
こ
)
の
橋
(
はし
)
の
風景
(
ふうけい
)
には
歌
(
うた
)
よむ
人
(
ひと
)
もなきやらむ。
木曾
(
きそ
)
の
橋
(
はし
)
をば
西行法師
(
さいぎやうほふし
)
の
春
(
はる
)
花
(
はな
)
の
盛
(
さかり
)
に
通
(
とほ
)
り
給
(
たま
)
ひて
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「君、いろんな
言草
(
いいぐさ
)
は
廃
(
よ
)
してくれ
給
(
たま
)
え。君が友人として僕をいたわってくれた段は実に感謝する。それが好意というものだろう。」
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
▼ もっと見る
軽蔑しないで
呉
(
く
)
れ
給
(
たま
)
え。君は
浅間
(
あさま
)
しいと思うだろうね。僕は人種が違っているのだ。
凡
(
すべ
)
ての意味で異人種なのだ。だが、その意味を
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
『エヘン!』と一つ
咳拂
(
せきばら
)
ひして、
鼠
(
ねずみ
)
は
尊大
(
そんだい
)
に
構
(
かま
)
へて、『
諸君
(
しよくん
)
宜
(
よろ
)
しいか?
最
(
もつと
)
も
乾燥無味
(
かんさうむみ
)
なものは
是
(
これ
)
です、まァ
默
(
だま
)
つて
聞
(
き
)
き
給
(
たま
)
へ、
諸君
(
しよくん
)
! ...
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
荘田に
言伝
(
ことづて
)
をしておいて呉れたまえ、いゝか。
俺
(
わし
)
の云うことをよく覚えて、言伝をして、おいて呉れ
給
(
たま
)
え。
此
(
こ
)
の唐沢は貧乏はしている。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「
一寸
(
ちよつと
)
待
(
ま
)
ち
給
(
たま
)
へ」と
云
(
い
)
つて、
燐寸
(
まつち
)
で
瓦斯
(
ガス
)
煖爐
(
だんろ
)
を
焚
(
た
)
いた。
瓦斯
(
ガス
)
煖爐
(
だんろ
)
は
室
(
へや
)
に
比例
(
ひれい
)
した
極
(
ごく
)
小
(
ちひ
)
さいものであつた。
坂井
(
さかゐ
)
はしかる
後
(
のち
)
蒲團
(
ふとん
)
を
薦
(
すゝ
)
めた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
世
(
よ
)
の
人々
(
ひとびと
)
の
御主
(
おんあるじ
)
よ、われをも
拯
(
たす
)
け
給
(
たま
)
へ。」
此世
(
このよ
)
の
御扶
(
おんたすけ
)
も
蒼白
(
あをじろ
)
いこのわが
罪業
(
ざいごふ
)
は
贖
(
あがな
)
ひ
給
(
たま
)
はなかつた。わが
身
(
み
)
は
甦生
(
よみがへり
)
の
日
(
ひ
)
まで
忘
(
わすれ
)
られてゐる。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
勉強しなくつちやならない。あひる君、きつと来
給
(
たま
)
へね。僕たち二年生は全部行くよ。あす朝、きつかり七時に
鳥山
(
とりやま
)
駅を出発だ。
あひるさん と 時計
(新字旧仮名)
/
村山籌子
(著)
君
(
きみ
)
、ちょっと
聴
(
き
)
き
給
(
たま
)
え。
君
(
きみ
)
はずいぶん
見
(
み
)
っともないね。だから
僕達
(
ぼくたち
)
は
君
(
きみ
)
が
気
(
き
)
に
入
(
い
)
っちまったよ。
君
(
きみ
)
も
僕達
(
ぼくたち
)
と
一緒
(
いっしょ
)
に
渡
(
わた
)
り
鳥
(
どり
)
にならないかい。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
僕の
情念
(
じょうねん
)
を察して呉れ
給
(
たま
)
え。しかし僕は自分の任務をおろそかにはしない。この苦しき恋を
育
(
はぐく
)
んだ
日
(
ひ
)
の
本
(
もと
)
の国を愛するが故に……
壊れたバリコン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
塩は
万歳
(
まんざい
)
に似ていると思え。一合の汁に入れた塩の十倍を一升の汁に入れて煮て見
給
(
たま
)
え。集団すれば強くなるのは人間だけとはかぎらない。
味覚馬鹿
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
己
(
おれ
)
は余り人を信じ過ぎて、君をまで
危地
(
きち
)
に置いた。こらへてくれ
給
(
たま
)
へ。去年の秋からの
丁打
(
ちやううち
)
の
支度
(
したく
)
が、
仰山
(
ぎやうさん
)
だとは
己
(
おれ
)
も思つた。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
春のけだるさのままに、いささか億劫な気持で金堂へやって来たのである。怠惰な旅人には百済観音は何の恵みも与え
給
(
たま
)
わぬのであろうか。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
そのとき脱ぎ捨て
給
(
たま
)
いし真白な下着は、上から下まで縫い目なしの全部その形のままに織った実にめずらしい衣だったので
小志
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
後代手本たるべしとて
褒美
(
ほうび
)
に「かげろふいさむ花の糸口」と
云
(
いう
)
脇
(
わき
)
して送られたり。
平句
(
ひらく
)
同前
(
どうぜん
)
也。歌に景曲は
見様
(
みるよう
)
体
(
てい
)
に属すと
定家卿
(
ていかきょう
)
もの
給
(
たま
)
ふ也。
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
看
(
み
)
給
(
たま
)
へ、
露西亜
(
ロシヤ
)
帝国政府の
無道擅制
(
ぶだうせんせい
)
は、露西亜国民の敵ではありませんか、
然
(
さ
)
れ
共
(
ども
)
独り露西亜政府のみでは無いです、各国政府の政策と
雖
(
いへど
)
も
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「オイ好男子、そう苦虫を
喰潰
(
くいつぶ
)
していずと、
些
(
ちっ
)
と
此方
(
こっち
)
を向いてのろけ
給
(
たま
)
え。コレサ丹治君。これはしたり、御返答が無い」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
『やア、
僕
(
ぼく
)
は
今
(
いま
)
、フアーマーをして
居
(
ゐ
)
る
處
(
ところ
)
だ。まア
上
(
あが
)
り
給
(
たま
)
へ。
直
(
ぢ
)
き
足
(
あし
)
を
洗
(
あら
)
ふ。
離座敷
(
はなれざしき
)
は
見晴
(
みはら
)
しが
好
(
い
)
いから』と
客
(
きやく
)
を
好
(
この
)
む。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
加賀見忍剣
(
かがみにんけん
)
どのへ知らせん この
状
(
じょう
)
を手にされし日 ただちに
錫杖
(
しゃくじょう
)
を富士の
西裾野
(
にしすその
)
へむけよ たずねたもう
御方
(
おんかた
)
あらん
同志
(
どうし
)
の人々にも会い
給
(
たま
)
わん
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
猶
(
なほ
)
此後
(
こののち
)
もこれに
盡
(
つく
)
さんの
料
(
れう
)
にせまほしとておのれに
其
(
その
)
よしはし
書
(
かき
)
してよとこはれぬかゝる
方
(
かた
)
に
心
(
こゝろ
)
ふかうものし
給
(
たま
)
へるを
うもれ木:01 序
(旧字旧仮名)
/
田辺竜子
(著)
「この国ぢや何でも物を言つて、何でもひとりで動くのだよ。そんなことをきいてゐるよつかも、早くこの服を着てくれ
給
(
たま
)
へ。僕困つてゐるんだ。」
夢の国
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
三吾太祖の意を知るや、何ぞ
言
(
げん
)
無からん、
乃
(
すなわ
)
ち
曰
(
いわ
)
く、
若
(
も
)
し燕王を立て
給
(
たま
)
わば
秦王
(
しんおう
)
晋王
(
しんおう
)
を何の地に置き給わんと。秦王
樉
(
そう
)
、晋王
棡
(
こう
)
は、皆燕王の兄たり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
なアに
誰
(
だれ
)
があんな所へ
行
(
ゆ
)
くもんか、まア
君
(
きみ
)
一緒
(
いつしよ
)
に
行
(
ゆ
)
き
給
(
たま
)
へ、
何処
(
どこ
)
ぞで
昼飯
(
ひるめし
)
を
附合給
(
つきあひたま
)
へ。乙「そんなら
此所
(
こゝ
)
から遠くもないから
御成道
(
おなりみち
)
の
黒焼屋
(
くろやきや
)
の
横町
(
よこちやう
)
さ。 ...
七福神詣
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
縦令
(
たとへ
)
旦那様
(
だんなさま
)
が
馴染
(
なじみ
)
の女の
帯
(
おび
)
に、百
金
(
きん
)
を
抛
(
なげう
)
たるゝとも
儂
(
わたし
)
が
帯
(
おび
)
に百五十
金
(
きん
)
をはずみ
給
(
たま
)
はゞ、
差引
(
さしひき
)
何の
厭
(
いと
)
ふ所もなき
訳也
(
わけなり
)
。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
これは現代の若き女性気質の
描写
(
びょうしゃ
)
であり、
諷刺
(
ふうし
)
であり、
概観
(
がいかん
)
であり、逆説である。長所もあれば短所もある。読む人その心して
取捨
(
しゅしゃ
)
よろしきに従い
給
(
たま
)
え。
現代若き女性気質集
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
未だ人間を造らざるに先だち、まづ無量のアンジョ(天人)を造つて、厳にデウスのみを拝さんことを
訓
(
さと
)
し
給
(
たま
)
ふ。
ハビアン説法
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
『君。船の
入渠
(
にゅうきょ
)
する所でも見ながら暫く待っていて
呉
(
く
)
れ
給
(
たま
)
えね。僕はこれから、ちょいと犯人を
捕
(
とら
)
えて来る——』
カンカン虫殺人事件
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
其外
(
そのほか
)
の百
姓家
(
しやうや
)
とても
數
(
かぞ
)
える
計
(
ばか
)
り、
物
(
もの
)
を
商
(
あきな
)
ふ
家
(
いへ
)
も
準
(
じゆん
)
じて
幾軒
(
いくけん
)
もない
寂寞
(
せきばく
)
たる
溪間
(
たにま
)
! この
溪間
(
たにま
)
が
雨雲
(
あまぐも
)
に
閉
(
とざ
)
されて
見
(
み
)
る
物
(
もの
)
悉
(
こと/″\
)
く
光
(
ひかり
)
を
失
(
うしな
)
ふた
時
(
とき
)
の
光景
(
くわうけい
)
を
想像
(
さう/″\
)
し
給
(
たま
)
へ。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「ムフムフ。シッカリし
給
(
たま
)
え。オイオイ伊那一郎……S・O・S……ハハハ。ここだここだ……
上
(
あが
)
っち来い」
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
今度の一件はドウなるだろう、いよ/\戦争になるか、ならないか、君達には
大抵
(
たいてい
)
分るだろうから、ドウぞ
夫
(
そ
)
れを僕に知らして
呉
(
く
)
れ
給
(
たま
)
え、
是非
(
ぜひ
)
聞きたいものだ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
干飯
(
ほしいひ
)
一
斗
(
と
)
、
古酒
(
こしゆ
)
一筒
(
ひとづつ
)
、ちまき、あうざし(
青麩
(
あをふ
)
)、たかんな(筍)
方々
(
かた/″\
)
の物送り
給
(
たま
)
ふて候。草にさける花、木の
皮
(
かは
)
を
香
(
かう
)
として
佛
(
ほとけ
)
に奉る人、
靈鷲山
(
れいしうざん
)
へ參らざるはなし。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「まあ、落ち付き
給
(
たま
)
え。スパイダー。此のシンプソン君のお蔭で、
自動車庫
(
ガレイジ
)
から贓品と棍棒を発見したよ。証拠はすっかり
挙
(
あが
)
っている。では、ぼつぼつ出掛けよう」
赤い手
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それですら衛生問題に注意する事かくの
如
(
ごと
)
し。
先
(
ま
)
ず一応その問題を読んでみ
給
(
たま
)
え、玉子料理の始めに
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「なんだそれ位の事でへこたれるな、しっかりし
給
(
たま
)
え」などいわれると病人の
機嫌
(
きげん
)
はよろしくない。
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
「太郎さん、もう
仲善
(
なかよし
)
になろうね。僕が此れから行くから姉さんの
許
(
ところ
)
へ連れて行ってくれ
給
(
たま
)
え」
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
火山
(
かざん
)
の
噴火
(
ふんか
)
鳴動
(
めいどう
)
を
神業
(
かみわざ
)
と
考
(
かんが
)
へたのは
日本
(
につぽん
)
ばかりではないが、
特
(
とく
)
に
日本
(
につぽん
)
においてはそれが
可
(
か
)
なり
徹底
(
てつてい
)
してゐる。まづ
第一
(
だいゝち
)
に、
噴火口
(
ふんかこう
)
を
神
(
かみ
)
の
住
(
す
)
み
給
(
たま
)
へる
靈場
(
れいじよう
)
と
心得
(
こゝろえ
)
たことである。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
「
君達
(
きみたち
)
の
娯樂
(
ごらく
)
ともならばし
給
(
たま
)
へと
美
(
うつく
)
しき
身
(
み
)
を
魂
(
たましひ
)
を
投
(
な
)
ぐ」といふあなたの歌をS
誌上
(
しじやう
)
に見たその時の、なんともいふことの出來ないその
心持
(
こゝろもち
)
を、私はまだまざ/\とおぼえてゐます。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
君は予の誰なるかを知り
給
(
たま
)
うや。今夜久しぶりに君を見て、予は再び君を恋し始めたり。今一度、予と握手し給うお心はなきか。明晩もこの席に来て、予を待ち給うお心はなきか。
秘密
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
アッシジの
聖
(
ひじり
)
フランチェスコの物語。フランチェスコは雀子を
愛
(
を
)
しみ
給
(
たま
)
ひき。雀子も慕ひまつりき。
現身
(
うつしみ
)
の人にてませば、かの人も
亦
(
また
)
人のごと寂しくましき。寂しくて貧しくましき。
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「
宜
(
よろ
)
しい。それじゃあ、
明日
(
みょうにち
)
邸
(
やしき
)
へ来てくれ
給
(
たま
)
え。何もかも話して聞せるから。」
世界漫遊
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ユリウス・ダビット
(著)
話けるに長兵衞は
左右
(
とかく
)
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
に思ひ
付
(
つき
)
或時
(
あるとき
)
庄
(
しやう
)
三郎に
對
(
むか
)
ひ
時節
(
じせつ
)
とは云
乍
(
なが
)
ら
古
(
ふる
)
き御家の
斯迄
(
かくまで
)
不如意
(
ふによい
)
になり
給
(
たま
)
ふ事
是非
(
ぜひ
)
なき
次第
(
しだい
)
なり
夫
(
それ
)
に
付
(
つき
)
少々
(
せう/\
)
御相談
(
ごさうだん
)
あり
其譯
(
そのわけ
)
はお娘子お
熊殿
(
くまどの
)
へ
持參金
(
ぢさんきん
)
のある
聟
(
むこ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
今年
畏
(
かしこ
)
くも
御
(
ご
)
即位の大典を挙げさせ
給
(
たま
)
ふ拾一月の
一日
(
いちじつ
)
に、
此
(
この
)
集の校正を終りぬ。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
先代政祐のとき、番頭兼用人に進んで役料とも七百石を
給
(
たま
)
わるようになった。
鈴木主水
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
……
彼
(
か
)
の
幽暗
(
ほのくら
)
き
路次
(
ろじ
)
の
黄昏
(
たそがれ
)
の
色
(
いろ
)
は、
今
(
いま
)
も
其処
(
そこ
)
を
通
(
とほ
)
る
毎
(
ごと
)
に、
我等
(
われら
)
が
最初
(
さいしよ
)
の
握手
(
あくしゆ
)
の、
如何
(
いか
)
に
幸福
(
かうふく
)
なりしかを
語
(
かた
)
り
申候
(
まをしそろ
)
。
貴女
(
きぢよ
)
は
忘
(
わす
)
れ
給
(
たま
)
はざるべし、
其時
(
そのとき
)
の
我等
(
われら
)
の
秘密
(
ひみつ
)
を
照
(
てら
)
せる
唯
(
たゞ
)
一つの
軒燈
(
けんとう
)
の
光
(
ひかり
)
を……
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
が今、この工場の中に立って、あの煙を見、あの火を見、そうしてあの響きをきくと、労働者の真生活というような悲壮な思いがおさえがたいまでに起ってくる。彼らの銅のような筋肉を見
給
(
たま
)
え。
日光小品
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
父はこの月の
七日
(
なぬか
)
、春雨さむき
朝
(
あした
)
、
逝水
(
せいすい
)
落花のあわれを示し給いて、おなじく九日の曇れる朝、
季叔
(
すえのおじ
)
の墓碑と相隣れる
処
(
ところ
)
を
長
(
とこしな
)
えに住むべき家と定め
給
(
たま
)
いつ。数うれば早し、きょうはその
二七日
(
ふたなぬか
)
なり。
父の墓
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
Vanitati creatura subjecta est etiam nolens. ——「造られたるものの
虚無
(
むなしき
)
に服せしは、
己
(
おの
)
が願によるにあらず、服せしめ
給
(
たま
)
ひし者によるなり。」
人生論ノート
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
給
常用漢字
小4
部首:⽷
12画
“給”を含む語句
給仕
給仕人
給金
月給
女給
供給
居給
給仕女
給事
見給
俸給
来給
給料
給人
來給
女給仕
入給
御給仕
月給取
給油所
...