夢の国ゆめのくに
雪の降る日でした。 吉ちやんは机について学課のお浚へをしてをりました。障子の立つてゐる室の内は、薄暗くて、まるで夕暮の様でした。外にはまだ盛んに雪が積るらしく、時々木の枝からさら/\と雪の落ちる音が聞えました。 「アヽ/\/\」 吉ちやんは …
題名が同じ作品
夢の国 (新字旧仮名)片山広子 (著)
夢の国:――童話風景―― (旧字旧仮名)桜間中庸 (著)