砲弾たま)” の例文
味方の砲弾たまでやられなければ、勝負のつかないようなはげしいいくさ苛過つらすぎると思いながら、天辺てっぺんまでのぼった。そこには道標どうひょうに似た御影みかげ角柱かくちゅうが立っていた。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あれまでは、トリエステの湾はおろか、アドリヤチックの海の何処にだっても、砲弾たまの殻一つ落ちなかったのではございませんか。その安逸が——いいえ蟄居ちっきょとでも申しましょうか。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
はた、とどろつ毒の砲弾たますずしき喇叭らつぱ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
楽慾げうよく破片はへん砲弾たまわなゝける。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)