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玉
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たま
ふりがな文庫
“
玉
(
たま
)” の例文
何も下品に育つたからとて良人の持てぬ事はあるまい、
殊
(
こと
)
にお前のやうな
別品
(
べつぴん
)
さむではあり、一
足
(
そく
)
とびに
玉
(
たま
)
の
輿
(
こし
)
にも乗れさうなもの
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
美
(
うつく
)
しい
瀬
(
せ
)
を
立
(
た
)
てて、
玉
(
たま
)
のやうな
礫
(
こいし
)
をおもしに、
獸
(
けもの
)
の
皮
(
かは
)
の
白
(
しろ
)
く
晒
(
さら
)
されたのが
浸
(
ひた
)
してある
山川
(
やまがは
)
に
沿
(
そ
)
うて
行
(
ゆ
)
くと、
山
(
やま
)
の
奧
(
おく
)
にまた
山
(
やま
)
があつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
と
言葉
(
ことば
)
やさしく
愛兒
(
あいじ
)
の
房々
(
ふさ/″\
)
せる
頭髮
(
かみのけ
)
に
玉
(
たま
)
のやうなる
頬
(
ほゝ
)
をすり
寄
(
よ
)
せて、
餘念
(
よねん
)
もなく
物語
(
ものがた
)
る、これが
夫人
(
ふじん
)
の
爲
(
た
)
めには、
唯一
(
ゆいいつ
)
の
慰
(
なぐさみ
)
であらう。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
雨
(
あめ
)
の
日
(
ひ
)
のつれ/″\に、
佛
(
ほとけ
)
、
教
(
をし
)
へてのたまはく、
昔
(
むかし
)
某
(
それ
)
の
國
(
くに
)
に
一婦
(
いつぷ
)
ありて
女
(
ぢよ
)
を
生
(
う
)
めり。
此
(
こ
)
の
婦
(
をんな
)
恰
(
あたか
)
も
弱竹
(
なよたけ
)
の
如
(
ごと
)
くにして、
生
(
うま
)
れし
女
(
むすめ
)
玉
(
たま
)
の
如
(
ごと
)
し。
妙齢
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
始終私どもの講義を聞いて、
茲
(
ここ
)
にはじめて神の正しく
儼存
(
げんぞん
)
し
玉
(
たま
)
ううえは、
至誠
(
しせい
)
を
以
(
も
)
ってこれを信じその道を尽し、その法を修めんには
神仙河野久
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
苦労の中にも
助
(
たすく
)
る神の結び
玉
(
たま
)
いし縁なれや嬉しき
情
(
なさけ
)
の
胤
(
たね
)
を宿して帯の祝い
芽出度
(
めでたく
)
舒
(
の
)
びし
眉間
(
みけん
)
に
忽
(
たちま
)
ち
皺
(
しわ
)
の
浪
(
なみ
)
立
(
たち
)
て騒がしき
鳥羽
(
とば
)
伏見
(
ふしみ
)
の戦争。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
なんという
深
(
ふか
)
い
青
(
あお
)
さでしょう。
見
(
み
)
ていると、
玉
(
たま
)
の
中
(
なか
)
から、
雲
(
くも
)
がわいてきます。どの
玉
(
たま
)
もみごとです。
波濤
(
はとう
)
の
起
(
お
)
こる、
海
(
うみ
)
が
映
(
うつ
)
ります。
らんの花
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
すぐさま石垣からとびおりると、ガチョウのむれのまんなかに
駆
(
か
)
けこんで、その若いガチョウの
首
(
くび
)
っ
玉
(
たま
)
にかじりついて、さけびました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
「どういたしまして、私どもは
面目
(
めんもく
)
次第
(
しだい
)
もございません。あなた方の王さまからいただいた
玉
(
たま
)
をとうとう
曇
(
くも
)
らしてしまったのです」
貝の火
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
お
池
(
いけ
)
のきれいな
藻
(
も
)
の
中
(
なか
)
へ、
女蛙
(
をんなかへる
)
が
子
(
こ
)
をうみました。
男蛙
(
をとこかへる
)
がそれをみて、
俺
(
おれ
)
のかかあ は
水晶
(
すいしやう
)
の
玉
(
たま
)
をうんだと
躍
(
おど
)
り
上
(
あが
)
つて
喜
(
よろこ
)
びました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
それから、
白
(
しろ
)
い
狐
(
きつね
)
の
姿
(
すがた
)
をあらはした
置物
(
おきもの
)
も
置
(
お
)
いてありました。その
白狐
(
しろぎつね
)
はあたりまへの
狐
(
きつね
)
でなくて、
寶珠
(
はうじゆ
)
の
玉
(
たま
)
を
口
(
くち
)
にくはへて
居
(
ゐ
)
ました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
『
此
(
この
)
家
(
うち
)
を
燒
(
や
)
き
潰
(
つぶ
)
せ!』と
兎
(
うさぎ
)
の
聲
(
こゑ
)
。
愛
(
あい
)
ちやんは
精
(
せい
)
一ぱい
大
(
おほ
)
きな
聲
(
こゑ
)
で、『
其麽
(
そんな
)
事
(
こと
)
をすれば
玉
(
たま
)
ちやんを
使嗾
(
けしか
)
けるから
可
(
い
)
いわ!』と
叫
(
さけ
)
びました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
これは
管
(
くだ
)
の
形
(
かたち
)
をした
筒形
(
つゝがた
)
の
玉
(
たま
)
でありまして、その
長
(
なが
)
さは
一寸前後
(
いつすんぜんご
)
のものが
普通
(
ふつう
)
です。
石
(
いし
)
はみな
出雲
(
いづも
)
から
出
(
で
)
る
碧玉
(
へきぎよく
)
で
造
(
つく
)
つてあります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
すると
熊
(
くま
)
さんが、『
發句
(
ほつく
)
ツてそんなもんですかい、ぢや
譯
(
わけ
)
アねえ』と
云
(
い
)
ふので、『
目
(
め
)
の
玉
(
たま
)
のでんぐりかへる
旦
(
あした
)
かな』とやりだす。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
『ボズさん!』と
僕
(
ぼく
)
は
思
(
おも
)
はず
涙聲
(
なみだごゑ
)
で
呼
(
よ
)
んだ。
君
(
きみ
)
、
狂氣
(
きちがひ
)
の
眞似
(
まね
)
をすると
言
(
い
)
ひ
玉
(
たま
)
ふか。
僕
(
ぼく
)
は
實
(
じつ
)
に
滿眼
(
まんがん
)
の
涙
(
なんだ
)
を
落
(
お
)
つるに
任
(
ま
)
かした。(畧)
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
ペアレット
氏
(
し
)
はストロムボリにて
火
(
ひ
)
の
玉
(
たま
)
を
見
(
み
)
たと
稱
(
しよう
)
してゐる。その
大
(
おほ
)
いさは
直徑
(
ちよつけい
)
一米程
(
いちめーとるほど
)
であつて
青
(
あを
)
く
光
(
ひか
)
つたものであつたといふ。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
玉
(
たま
)
をどこへか忍ばして置いて、抱え主から懸け合いの来るのを待っているなどは、この頃の
悪
(
わる
)
旗本や悪
御家人
(
ごけにん
)
には珍らしくない。
箕輪心中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
『
玉
(
たま
)
かづら』は最初より無之候。近日来の「俳諧師」大にふるい居候。敬服の外無之候。ますます御健筆を御揮い可然候。以上。
漱石氏と私
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
六日に十四年在牢の僧宥長出牢し
愛宕
(
あたご
)
下円福寺へ預けに相成り候。獄中の様子御承知
成
(
な
)
されたくばこの僧を訪い
玉
(
たま
)
え。善く譚ずる人なり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
やがて、これから晩まで何をして暮らそうかしらと
独言
(
ひとりごと
)
のように云って、不意に思い出したごとく、
玉
(
たま
)
はどうですと僕に聞いた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
母は
茅野
(
ちの
)
氏で、
玉
(
たま
)
といい、これも神田の古い大きな
箪笥
(
たんす
)
屋の娘であった。玉は十六の年から本郷の加賀さまの奥へ仕えていた。
花を持てる女
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
備前のチュウコとは空中に見る怪火にして、他地方の
狐火
(
きつねび
)
、
火
(
ひ
)
の
玉
(
たま
)
などを総称した名称である。その原因は狐に帰するからチュウコという。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
喧嘩渡世の看板に隠れ、知らずのお絃の
嬌笑
(
きょうしょう
)
と
胆
(
きも
)
ッ
玉
(
たま
)
を仲に、
巷
(
ちまた
)
の
雑踏
(
ざっとう
)
から
剣眼
(
けんがん
)
を光らせて、随時随所に十七人の生命を
狙
(
ねら
)
うことになった。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
のぞいたところ、表がひらいていて、ちゃんとそこに、チャンフーが坐っているやないか。ぼく、びっくりして、
胆
(
きも
)
っ
玉
(
たま
)
がひっくりかえった
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ここに
天
(
あめ
)
の
兒屋
(
こやね
)
の命、
布刀玉
(
ふとだま
)
の命、天の宇受賣の命、
伊斯許理度賣
(
いしこりどめ
)
の命、
玉
(
たま
)
の
祖
(
おや
)
の命、并せて
五伴
(
いつとも
)
の
緒
(
を
)
三
を
支
(
あか
)
ち加へて、
天降
(
あも
)
らしめたまひき。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
心霊界の広大を探り、この地に決して咲かざる花、この土にいまだ見ざる
玉
(
たま
)
、聞かざる音楽、味わざる香味、余は実に思わぬ国に入りたりけり。
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
お千代はこの老婆の目にとまった。その
年恰好
(
としかっこう
)
から見ても、遊びあきて
悪物食
(
あくものぐい
)
のすきになったお客には持って来いという
玉
(
たま
)
だと
睨
(
にら
)
んだのである。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
命
(
みこと
)
は
御国
(
みくに
)
にとりてかけがえのない、
大切
(
だいじ
)
の
御身
(
おみ
)
の
上
(
うえ
)
……
何卒
(
なにとぞ
)
この
数
(
かず
)
ならぬ
女
(
おんな
)
の
生命
(
いのち
)
を
以
(
もっ
)
て
命
(
みこと
)
の
御生命
(
おんいのち
)
にかえさせ
玉
(
たま
)
え……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
子供を
負
(
お
)
ぶった
見窄
(
みすぼ
)
らしい中年の男に亀井戸
玉
(
たま
)
の
井
(
い
)
までの道を聞かれ、それが電車でなく徒歩で行くのだと聞いて不審をいだき、同情してみたり
雑記帳より(Ⅰ)
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
目
(
め
)
がさめて
後
(
のち
)
お
妃
(
きさき
)
は、
喉
(
のど
)
の中に
何
(
なに
)
か
固
(
かた
)
くしこるような、
玉
(
たま
)
でもくくんでいるような、
妙
(
みょう
)
なお
気持
(
きも
)
ちでしたが、やがてお
身重
(
みおも
)
におなりになりました。
夢殿
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
もし仮名遣、
手爾波抔
(
てにはなど
)
を学ばんと思はば俳書に
就
(
つ
)
かずして普通の和書に就け。『
古言梯
(
こげんてい
)
』『
詞
(
ことば
)
の
八千衢
(
やちまた
)
』『
詞
(
ことば
)
の
玉
(
たま
)
の
緒
(
お
)
』
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
後
(
うしろ
)
の窓より
貴婦人貴婦人
(
レデイレデイ
)
と云ふ人人のあり
候
(
さふら
)
ふに、見返ればこれも宝の
玉
(
たま
)
安げにざらざらと音させて勧むる
群
(
むれ
)
に
候
(
さふら
)
ひき。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
ゆるし
玉
(
たま
)
え。新聞きり抜き、お送りいたします。なぜ、こんなものを、切り抜いて置いたのか、私自身にも判明せず。
虚構の春
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ところが
家來
(
けらい
)
たちは
主人
(
しゆじん
)
の
愚
(
おろか
)
なことを
謗
(
そし
)
り、
玉
(
たま
)
を
取
(
と
)
りに
行
(
ゆ
)
くふりをして、めい/\の
勝手
(
かつて
)
な
方
(
ほう
)
へ
出
(
で
)
かけたり、
自分
(
じぶん
)
の
家
(
いへ
)
に
引
(
ひ
)
き
籠
(
こも
)
つたりしてゐました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
この娘が
玉
(
たま
)
と云う子で、母親がなくて、
親爺
(
おやじ
)
と二人暮らしでいると云う事、その親爺は
秋葉
(
あきは
)
の原に
飴細工
(
あめざいく
)
の
床店
(
とこみせ
)
を出していると云う事などを知った。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
どんな
玉
(
たま
)
にしろ、ころがってゆくときは、真中というか中心を中心としているのだから、若しころがってゆく方向とか、ころがりかたを問題にせず
獄中への手紙:05 一九三八年(昭和十三年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
もしかして、こときれては
玉
(
たま
)
なしだぞ、と啓之助、そっと猿轡へ手をやってみたが、大丈夫、
温
(
ぬる
)
い涙が指先へ触れた。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三人は橋の
袂
(
たもと
)
から狭い
土堤
(
どて
)
下の道を小走りに歩いていた。女は土地の料理店『
柳亭
(
やなぎてい
)
』の
女将
(
おかみ
)
お
玉
(
たま
)
で、一緒についてきたのは料理番の
佐吉爺
(
さきちじい
)
さんである。
暴風雨に終わった一日
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
いはゆる
目
(
め
)
の
寄
(
よ
)
るところに
玉
(
たま
)
で、この
新古今集
(
しんこきんしゆう
)
の
時
(
とき
)
ほど、
日本
(
につぽん
)
の
歌
(
うた
)
の
歴史
(
れきし
)
の
上
(
うへ
)
で、
名人
(
めいじん
)
・
上手
(
じようず
)
といふべき
人
(
ひと
)
が、たくさん
揃
(
そろ
)
つて
出
(
で
)
たことはありません。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
ここいらで一番、
身代
(
しんだい
)
を作ってくれようかな……
序
(
ついで
)
に
毛唐
(
けとう
)
の
胆
(
きも
)
っ
玉
(
たま
)
をデングリ返してやるか……という気になって、ニッコリと一つ笑って見せたもんだ。
焦点を合せる
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
芳紀まさに十七歳、無論のこと
玲瓏
(
れいろう
)
玉
(
たま
)
をあざむく美少女です。名も亦それにふさわしい、菊路というのでした。
旗本退屈男:01 第一話 旗本退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
ところが、私が
如何
(
どう
)
にか斯うにか
取続
(
とりつづ
)
いて帰らなかったので、両親は
独息子
(
ひとりむすこ
)
を
玉
(
たま
)
なしにしたように歎いて、父の
白髪
(
しらが
)
も其時分僅の
間
(
あいだ
)
に
滅切
(
めっき
)
り
殖
(
ふ
)
えたと云う。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
背高
(
せたか
)
く顔の長いやさしそうな
老人
(
ろうじん
)
だ。いま
奥
(
おく
)
の
間
(
ま
)
の、一枚開いた
障子
(
しょうじ
)
のこかげに、
机
(
つくえ
)
の上にそろばんをおいて、
帳面
(
ちょうめん
)
を見ながら、パチパチと
玉
(
たま
)
をはじいてる。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
それだけで十一年の間
玉
(
たま
)
のやうに私の思つて来た子は無名の富豪の
僕
(
ぼく
)
に罵られたのです。
辱
(
はづかし
)
められたのです。
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
小麥粉
(
こむぎこ
)
を
少
(
すこ
)
し
鹽
(
しほ
)
を
入
(
い
)
れた
水
(
みづ
)
で
捏
(
こ
)
ねて、それを
玉
(
たま
)
にして、
筵
(
むしろ
)
の
間
(
あひだ
)
へ
入
(
い
)
れて
足
(
あし
)
で
蹂
(
ふ
)
んで、
棒
(
ぼう
)
へ
卷
(
ま
)
いては
薄
(
うす
)
く
延
(
の
)
ばして、
更
(
さら
)
に
幾
(
いく
)
つかに
疊
(
たゝ
)
んでそく/\と
庖丁
(
はうちやう
)
で
斷
(
た
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
新室
(
にひむろ
)
を
踏
(
ふ
)
み
鎮
(
しづ
)
む
子
(
こ
)
し
手玉
(
ただま
)
鳴
(
な
)
らすも
玉
(
たま
)
の
如
(
ごと
)
照
(
て
)
りたる
君
(
きみ
)
を
内
(
うち
)
へと
白
(
まを
)
せ 〔巻十一・二三五二〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「
玉
(
たま
)
の
井
(
い
)
まで通ってます」と、若い衆が灯火をつけながら教えてくれた。「浅草の方へ行ってますか?」ともう一度尋ねると
雷門
(
かみなりもん
)
の前で止まると云うことであった。
貸家探し
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
雲井に近きあたりまで出入することの出来る立身出世——
玉
(
たま
)
の
輿
(
こし
)
の風潮にさそわれて、
家憲
(
かけん
)
厳しかった家までが、
下々
(
しもじも
)
では一種の
見得
(
みえ
)
のようにそうした家業柄の者を
明治美人伝
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
取調べの町人は情けある人とて一夜の
猶予
(
ゆうよ
)
を与えられ候まま、父に手あつく仕えし上、暁け方眠りにつくを待ちて
玉
(
たま
)
の
緒
(
お
)
を
絶
(
た
)
ち、返す刀にて自らも
冥途
(
めいど
)
の旅に上り候。
乳を刺す:黒門町伝七捕物帳
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
酔っ払いのお町はフラフラと立ち上がると、お静の
頸
(
くび
)
っ
玉
(
たま
)
に
齧
(
かじ
)
り付いて、泣き出してしまいました。
銭形平次捕物控:024 平次女難
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
玉
常用漢字
小1
部首:⽟
5画
“玉”を含む語句
紅玉
玉蜀黍
碧玉
青玉
黄玉
緑玉
玉菜
玉簾
白玉
玉章
烏羽玉
硝子玉
金玉
玉兎
半玉
鉄砲玉
玉手
珠玉
薬玉
南京玉
...