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小麥粉
「さうら
此れ
掛けて、
此れが
晩稻の
花だ」
兼博勞は
手にした
小麥粉を
悉く
掛けて
畢つた。
苗束は
少し
白く
成つた。
小麥粉を
少し
鹽を
入れた
水で
捏ねて、それを
玉にして、
筵の
間へ
入れて
足で
蹂んで、
棒へ
卷いては
薄く
延ばして、
更に
幾つかに
疊んでそく/\と
庖丁で
斷つた。
「どうしたもんだ、
大威張して」おつぎは
呟きながら
内の
女房に
聞いて
小麥粉を一
捉み
出して
遣つた。