“咳入”の読み方と例文
読み方割合
せきい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
も近づけませんでしたの。ここで本ばかり読んでいましたの。冬の夜なんか咳入せきいる声が私たちの方へも聞こえて、本当に可哀相かわいそうでしたわ。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
だが梯子段はしごだんりるには下りたが、登るのはよほどの苦痛で咳入せきいり、それから横になって間もなく他界の人となってしまった。
松井須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
何用かと振向くと、後なる古直衣ふるのうしの老武士は、手綱を抑えたまま鞍つぼへかがみこんでいる。——ごほん、ごほん、と体じゅうを揉んで咳入せきいっているのである。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)