“咳込”の読み方と例文
読み方割合
せきこ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
父は長い間、たんを煩つてゐた。小男でせた父が咳込せきこんで来ると、少し前かがみになつて、何だかおなかの皮でもよぢれるやうに咳込むのがいかにも苦しさうであつた。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
と同時におきみは急に咳込せきこみ、苦しさうに首を振つた。と、その口から、パツと眞赤なものがほとばしり出た。それはあごから胸へさつと掛つた。——おきみはつひに喀血かくけつしたのである。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
呟いて、一頻ひとしき咳込せきこむ。
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)