“委:くわ” の例文
“委:くわ”を含む作品の著者(上位)作品数
中里介山14
永井荷風13
岡本綺堂13
谷崎潤一郎10
小酒井不木10
“委:くわ”を含む作品のジャンル比率
歴史 > 伝記 > 日本20.8%
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸17.7%
文学 > 日本文学 > 小説 物語3.4%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
叔母は気の毒そうに、なぜ小六の世話ができなくなったかを、女だけに、一時間も掛かってくわしく説明してくれたそうである。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
年紀としごろは、顔立は、髪は、島田とやらか、それとも片はずしというようなことかと、くわしく聞いてみたでございますが
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
師直兄弟が最後のありさまは、大勢の歴史家に因ってくわしくしるされているから、今あらためて説明するまでもあるまい。
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
迷いに迷って塚守つかもりになったいきさつを、もっとくわしく書き記したいのであるが、それらはいずれ「聞書後抄」と題し
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
三津子さんの死に顔も早く見たいと思いましたのと、もう一つにはその最期のありさまもくわしく知りたいと思ったからです。
探偵夜話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
この事をいまこゝでくわしくは話さないでも、私の今までの性格なり行動なりを知っている蝶子さんには大体察しがつくでしょう。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
天保以後近世の浮世絵師が伝記並に興味ある逸話は関根氏の『浮世画人伝』その他にくわしく出でたり。よろしく参照すべし。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
めし縞柄しまがらを論ずるにはくわしいけれど、電車に乗って新しい都会を一人歩きする事なぞは今だに出来ない。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
數「其のもとは斯ういう事も中々くわしい、わしはとんと知らんが、石灯籠いしどうろうは余りなく、木の灯籠が多いの」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
出来るだけくわしくと、なおなおがきの付いた手紙を受取ったとき、孝之進はお咲を入れて置く部屋の準備にせわしかった。
日は輝けり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
もしあなたの保子さんに対するお考へが本当にくわしく伺へれば本当にいいと思ひますけれど、それも無理には伺ひたくありません。
春の温泉場——そののびやかな気分を今更いまさらくわしく申し上げませんでも、どなたもよく御存じでございませう。
七兵衛は、左様なくわしいことは知らないけれども、このやしろ由緒ゆいしょある社であるということは心得ているはずです。
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
脚本に道具がくわしく指定してあればそれによって画けるわけだけれども、ただ農家の内部位な事じゃ、どうやっていいかわからない。
久保田米斎君の思い出 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
肉の名はいくつ位ございましょう」お登和嬢「西洋人の言うようにくわしくければ沢山ありますが先ず一通りに区別しても二十五
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
その夜万年屋のいないのを、同宿の者がいぶかって女房に聞いたが、ただちょっと田舎へとのみで、くわしいことは言わなかった。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
「むむ。そこで、熊。面倒でもその高輪の一件をもう一度、初めからすっかりくわしく話してくれ」と、半七は云った。
半七捕物帳:45 三つの声 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
晃 くわしい事は、夜すがらにも話すとして、知ってる通り……僕は、それ諸国の物語を聞こうと思って、北国筋を歩行あるいたんだ。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おおかめさんの風貌ふうぼうを、もすこしくわしくいえば、体の大きさと眼との釣合はくじらを思えばよかった。
ようよう妹をすかして、鉛筆と半紙を借り受け急ぎ消息はなしけるも、くわしき有様を書きしるすべきひまもなかりき。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
「そこを何とか工夫して見ようじゃないか。貴様は俺より人間の身体の中のことはずっとくわしいはずだから、一つよく考えて見てくれ」
稀有の犯罪 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
何ほど自転車の事が書物でくわしく書いてあってもそれを読んだばかりで稽古けいこもせずに自転車へは乗れません。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
と言いました。葛岡は、わたくしがなおもくわしく聞きげな様子を見せて居りますのに油が乗り、その説明を次のように語りました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「この通りの始末だから、くわしいことは後で話す。かくも今日の処はうか堪忍してれ。」
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
くわしい事は書けないがチベット内地のここギャア・カルコまで来たということをインドのサラット・チャンドラ・ダース師に知らしたい。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
乗願房が驚いて尋ねると、修行者がはじめて夢のことをくわしく語ったので、乗願房は却って修行者のなしたことを喜んだという話がある。
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
第十八 牛肉のライスカレー 印度風いんどふうのライスカレーは本文の方にくわしく出ていますからここには手軽なのを申しましょう。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
もう少しくわしくいえば、戞然かつぜんとして木を打ち割った音と同時に鶯がいたので、「音にうち当る」といったものであろう。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
寝ぼけまなこをこすっているおやじには別にくわしい話もしないで、かれはお鉄をうながして橋番小屋を出た。
半七捕物帳:37 松茸 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
これは近頃もっぱら事実を尊ばれる小説家の微妙な観察によっくわしく描写していただいたならば明白になるかも知れません。
離婚について (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
ふみ「はい、私もくわしいことは知りませんが、お高も余程頂戴致した様子………松山久馬の次男の久次郎と申す者だとよく私に申しました」
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「今日、式場で、あんたは午後の懇談会こんだいかいであんたの考えをもっとくわしく話すといわれましたな。」
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
この古箏こそうの歴史についてもくわしかったのであろうが、それよりも、私は、なんとなくいやな予感がした。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
北斎の三冊本、福徳和合人の中から、男の姿を取り去り、女の方ばかりを残したものもあったので、わたくしはくわしくこの書の説明をした。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
山内侯爵家の祖先が、土佐で実行せられたという対地侍策のごときは、なかんずくこの経過をくわしく語っている。
家の話 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「わたし、あの時は実にこわかったわ。顔がこんなよ。」と手真似てまねをして、玉子が一伍一什いちぶしじゅうくわしく話した。
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
健三の返事も簡単であった。彼は其所そこへ落付くまでの筋道をくわしく細君に話してやるのさえ面倒だった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私は無論のこと、母も大いによろこび、お礼を申し述べ、その日は母と一緒に、十一年ぶりで我家に帰って父にもその由をくわしく話しました。
三日——くわしく言えば十二月三日の午後、自分は例のごとくぶらぶら歩きながら近藤進の家の方へ向って居た。
鼻に基く殺人 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
「日本橋ですが、くわしい番地は知りません。店へ行けばわかります。もうかれこれ出勤している時分でしょう」
謎の咬傷 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
これは後に知ったことであるが、仮名垣魯文かながきろぶんの門人であった野崎左文のざきさぶんの地理書にくわしく記載されているとおり
葛飾土産 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
なかなか由緒ゆいしょのある寺でくわしい事はここで申す必要はありませんから略しますがそこにある坊さんのこやについて宿りました。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
「いいや、いけねえ、あんまり云うとボロが出るから。———くわしいことはナオミさんから御聞きを願います」
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「お仙はどうしたかいナア」と不幸な娘のことまでくわしく聞きたがる母親を残して置いて、翌日あくるひ正太は叔父の許をって行った。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「今やからあんたはんに言いますけど、真相ほんとうはこうやのどす」といって、なおくわしく話して聞かせたところによると、こうであった。
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
わたくしはおしかさんと膝組ひざぐみで、そうした恋のいきさつを聴いて、おしかさん一人について何時いつくわしく書こうと思っている。
大橋須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
総監の遺書のくわしいことは私も存じませんが、それが内閣の総辞職の導火線となったことは事実であります。
外務大臣の死 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
そうするとよく出来る大きな子が前に出て、僕がジムの絵具を取ったことをくわしく先生に言いつけました。
一房の葡萄 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
もっとも佐伯のようなものが、まだ事のまとまらない先から、奥のくわしい話を知ろうはずがなかった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この曖昧あいまいな男の事を僕はなおくわしく聞いて見て、彼が今上海シャンハイにいる事を確かめた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「とてもくわしくは申し上げられませんが、早い話がお内儀さんと若い男を素裸すっぱだかにしましてな」
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
いずれ後からまたくわしいことは通達するが、それまではかまえて静穏にしているようにというのであった。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
この加賀澤から更に二十里ほどの奥であると云えば、の地勢などはくわしく説明する必要もあるまい。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
どういう訳で休みの日だけ日本髪にするのかと聞いて見ても「内でそうしろと云うもんだから」と、彼女は相変らずくわしい説明はしませんでした。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
私は旅行に出てから今日こんにちに至るまでの兄さんを、これでできるだけくわしく書いたつもりです。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
長「其の代り今の話をくわしく聞かしてください、ひとに聞えると困るから、小さな声でお願いだよ」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
遠慮すると見えまして、余りくわしい事は申しませぬが、嘉吉はそれから、あの通り気が変になりました。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なおくわしい事を語り得ずに、純之進に向って感謝の手を合せたまま、はかなき最期を遂げたのであった。
丹那山の怪 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
これらの光景とその時の情趣とは、ピエール・ロッチがその著『お菊さん』の中にくわしく記述している。
西瓜 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
この事については私も娘読本をあらわす時くわしく意見を書くつもりですが簡略に申せばず英国風の習慣を採用するのが上策かと思います。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
また先祖の行状功績等をもくわしく心得置き、子供らへ昔噺むかしばなしの如くはなし聞かすべし。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
被害者のうちには後の祟りを恐れてそれを秘密にしている者もあるので、くわしいことは知れないが、少なくも十五六軒はその災難に逢っているらしい。
半七捕物帳:40 異人の首 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
温泉宿伊藤周造いとうしゅうぞう方に逗留中、図らず長二の身の上にかゝるくわしい事を聞出しまして
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「毛沼博士が家に這入はいってから、寝られるまでの間を、出来るだけくわしく話して呉れませんか」
血液型殺人事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
博士は、両親に連れられて来た八九郎を診察し、その病歴をくわしくきいてから、両親に向って言った。
二重人格者 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
瑞雲氏は実父、養父の気性を受けてなかなか人の世話をよく致します。また信仰者で仏典にもくわしい。
旅順を見ないなら教えるが、いつの汽車で行って、どことどこを見て、それからいつの汽車で帰るが好いと、自分のやった通りをくわしく語って聞かせた。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
兵馬はそのくわしきを知るべく、わざと僧形を避けて徽典館きてんかんへ通う勤番の子弟に見えるような意匠を加えて、ひとり長禅寺を立ち出でました。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ただ母は昔からの為来しきたりを非常に尊び、年中行事にくわしく、それをきちんきちんとやった。
回想録 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
眇目の男はその神に就いてくわしい説明をあたえないで、単にそれは自分の信ずる神であると答えた。
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
お鶴が通夜の晩に、皆な集って、お倉から聞いた時の話ほど、お種はくわしく記憶していなかった。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「見し夜の夢」には此の元服の儀式の次第が女らしい細心な注意を以て記されているけれども、それはあまりくだ/\しいからくわしく述べる迄もあるまい。
此セメントを使った月日と、それからくわしい所書と、どんな場所へ使ったかと、それにあなたのお名前も、御迷惑でなかったら、是非々々お知らせ下さいね。
セメント樽の中の手紙 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
夕飯の後、三吉は兄が一生にさかのぼって、今日に到るまでのことをくわしく聞こうとした。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ちょいとしたる御馳走ながら客が料理にくわしき中川とて妻君も如何いかばかり心を労しけん。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
最少もすこむこうの困るくらいくわしくこまかい事まできけばよかったという気がした。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
実を云うと、私もその時その岩の上で打ち明け話を聞かされるまでくわしいことは知らなかった。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
常吉は文字春からくわしい話を聴いて、半七と相談の上で先ずその幽霊の身許詮議に取りかかった時に、半七がふと思い付いたのはのお兼のことであった。
半七捕物帳:16 津の国屋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
特に「塩市」のにぎわい隣国に並びなきことと、町の催し、諸国から集まる見世物、放下師ほうかしたぐい、その辺についての説明はくわしいもの。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
兼太郎は去年の今頃は毎日二階にごろごろしていたので様子はくわしく知っているのであった。
雪解 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
さあれその事の本末はいかなりけむ、我年けて後しばしば母君に、伺ひまつりし事ありしも、母君は血で血を洗はむも心うしとて、くわしくは告げたまはず。
葛のうら葉 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
君が僕を毒殺するために、そういうドラマチックな計画をして置きながら、殺すべき相手の現状をくわしく調査しなかったというのは、大きな手ぬかりではないか。
卑怯な毒殺 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
倭国とは、くわしくは倭人の国の義で、もとは一国の名称として呼ばれたものではなかった。
国号の由来 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
くわしいことを話して見なければ解らんが——」と義雄は例の手強く出る調子で言った。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
北沢事件は、その当時、新聞にくわしく報ぜられたから、君も大体は知って居るであろう。
闘争 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
三千代みちよに逢つて、もう少し立ち入つた事情をくわしく聞いて見やうかと思つた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
孝「わたくしには深い事は分りませんが、此のお書置にくわしい事がございますから」
勝成裕が云い出した。こうなると大炊之助も従わずにはいられなかった。真先に行ったのは、例の古宮であった。祭神は単に山の神とのみ、くわしくは分らなかった。
壁の眼の怪 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
「ふふふふ、きん。そのはなしをもうちっとくわしくかせねえか」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
この老人猿若町三座表飾さるわかまちさんざおもてかざりの事なぞくわしく知りゐたり。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
同行が都へ上った時に、この遺言の次第をくわしく法然に申上げた処、法然が成る程よく心得たとは見たが、その通りであったわい、あわれなことじゃなといわれた。
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
くわしく御話すれば随分長いのですけれども くだらない事はぬきにして御話いたします。
男はお庄に東京へ出たら、是非店へ遊びに来いと言って、そこをくわしく教えてくれた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
くわしい話をセエラにしてくれたのは、美しい、感じのいいカアマイクルの奥様でした。
ひじり生れは、大和葛上郡——北葛城郡——当麻村というが、くわしくは首邑しゅゆう当麻を離るること、東北二里弱の狐井・五位堂のあたりであったらしい。
山越しの阿弥陀像の画因 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
お鉄の家は代々の目明しで有った。祖父が別して名高かった。火渡り甚右衛門は養子なので有った。それで捕物に就いての知識はかえってお鉄の方がくわしかった。
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
隠れたるよりあらわるるはなく、とく勤にも聞えければ、なおくわしく調べたるに。
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)
Mは其処からは見えない檻房の位置や構造などに就いてくわしい説明をしながら、自然にいろんな事を思ひ出すと見えて、呑気のんきな檻房生活の話をして聞かした。
監獄挿話 面会人控所 (新字旧仮名) / 伊藤野枝(著)
人一代の伝をくわしく残そうとすれば誰人だれを伝しても一部の小冊は得られよう。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
交番に行くと石子刑事は、そこにいた顔馴染の巡査に支倉の容貌をくわしく話した。
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)