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くわ
ふりがな文庫
“
委
(
くわ
)” の例文
脚本に道具が
委
(
くわ
)
しく指定してあればそれによって画けるわけだけれども、ただ農家の内部位な事じゃ、どうやっていいかわからない。
久保田米斎君の思い出
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ああ、
委
(
くわ
)
しくここに写さんも要なけれど、余が彼を
愛
(
め
)
づる心のにわかに強くなりて、ついに離れがたきなかとなりしはこの折なりき。
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「今やからあんたはんに言いますけど、
真相
(
ほんとう
)
はこうやのどす」といって、なお
委
(
くわ
)
しく話して聞かせたところによると、こうであった。
霜凍る宵
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
奥畑の手紙にも「夙川でお目に懸った」
旨
(
むね
)
を記しているが、どう云う風にして何処で落ち合うのか、
委
(
くわ
)
しい様子は語ったことがない。
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
特に「塩市」の
賑
(
にぎ
)
わい隣国に並びなきことと、町の催し、諸国から集まる見世物、
放下師
(
ほうかし
)
の
類
(
たぐい
)
、その辺についての説明は
委
(
くわ
)
しいもの。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
もしあなたの保子さんに対するお考へが本当に
委
(
くわ
)
しく伺へれば本当にいいと思ひますけれど、それも無理には伺ひたくありません。
書簡 大杉栄宛:(一九一六年五月九日 二信)
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
「そこを何とか工夫して見ようじゃないか。貴様は俺より人間の身体の中のことはずっと
委
(
くわ
)
しいはずだから、一つよく考えて見てくれ」
稀有の犯罪
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
この事については私も娘読本を
著
(
あらわ
)
す時
委
(
くわ
)
しく意見を書くつもりですが簡略に申せば
先
(
ま
)
ず英国風の習慣を採用するのが上策かと思います。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
ただ母は昔からの
為来
(
しきた
)
りを非常に尊び、年中行事に
委
(
くわ
)
しく、それをきちんきちんとやった。未だにその習慣が思い出されると悪くない。
回想録
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
委
(
くわ
)
しく言えば、財政的法案に関しては、下院の決定に対して上院は異議を挟まざることとなし、それ以外の一般的法案については
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
(新字新仮名)
/
吉野作造
(著)
わたくしはおしかさんと
膝組
(
ひざぐ
)
みで、そうした恋のいきさつを聴いて、おしかさん一人について
何時
(
いつ
)
か
委
(
くわ
)
しく書こうと思っている。
大橋須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
長「何分頼むよ、お
前
(
めえ
)
のお蔭で
委
(
くわ
)
しい事が知れて
有難
(
ありがて
)
え……ムヽそうだ、婆さん、お前その、長左衛門の先祖の墓のある寺を知ってるか」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
委
(
くわ
)
しい事は書けないがチベット内地のここギャア・カルコまで来たということをインドのサラット・チャンドラ・ダース師に知らしたい。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
この事をいまこゝで
委
(
くわ
)
しくは話さないでも、私の今までの性格なり行動なりを知っている蝶子さんには大体察しがつくでしょう。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「お仙はどうしたかいナア」と不幸な娘のことまで
委
(
くわ
)
しく聞きたがる母親を残して置いて、
翌日
(
あくるひ
)
正太は叔父の許を
発
(
た
)
って行った。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
あなたはまだ、私の
委
(
くわ
)
しい経歴は御存じないでしやうが。私の身の上は、実にこのこわれ指環によく似てゐるのでござります。
こわれ指環
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
「宗匠は、なんでも
委
(
くわ
)
しいが、チト当社の
通
(
つう
)
でも並べて聞かしたら
如何
(
どう
)
かの。その
間
(
うち
)
には
市助
(
いちすけ
)
も、なにか
肴
(
さかな
)
を見附けて参るであろうで……」
悪因縁の怨
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
その夜万年屋のいないのを、同宿の者が
訝
(
いぶ
)
かって女房に聞いたが、ただちょっと田舎へとのみで、
委
(
くわ
)
しいことは言わなかった。
世間師
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
北斎の三冊本、福徳和合人の中から、男の姿を取り去り、女の方ばかりを残したものもあったので、わたくしは
委
(
くわ
)
しくこの書の説明をした。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
叔母は気の毒そうに、なぜ小六の世話ができなくなったかを、女だけに、一時間も掛かって
委
(
くわ
)
しく説明してくれたそうである。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
今回のはこの種のわたしの第二回の試みで、それをここに、より
委
(
くわ
)
しく述べようと思うのである。便宜上、二年間の経験をひとまとめにする。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
出来るだけ
委
(
くわ
)
しくと、なおなおがきの付いた手紙を受取ったとき、孝之進はお咲を入れて置く部屋の準備にせわしかった。
日は輝けり
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
もう少し
委
(
くわ
)
しくいえば、
戞然
(
かつぜん
)
として木を打ち割った音と同時に鶯が
啼
(
な
)
いたので、「音にうち当る」といったものであろう。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
『いろ/\
委
(
くわ
)
しい
事
(
こと
)
を
承
(
うけたまは
)
りたいが、
最早
(
もはや
)
暮
(
く
)
るゝにも
近
(
ちか
)
く、
此邊
(
このへん
)
は
猛獸
(
まうじう
)
の
巣窟
(
さうくつ
)
ともいふ
可
(
べ
)
き
處
(
ところ
)
ですから、
一先
(
ひとま
)
づ
我
(
わ
)
が
住家
(
すみか
)
へ。』と
銃
(
じう
)
の
筒
(
つゝ
)
を
擡
(
もた
)
げた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
此
聖
(
ひじり
)
生れは、大和葛上郡——北葛城郡——当麻村というが、
委
(
くわ
)
しくは
首邑
(
しゅゆう
)
当麻を離るること、東北二里弱の狐井・五位堂のあたりであったらしい。
山越しの阿弥陀像の画因
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
でもこの書物には白髪小僧様と、妾の身の上に
就
(
つ
)
いて、今まであった事や、行く末の事が
些
(
すこ
)
しも間違いなく
委
(
くわ
)
しく書いてあるので御座いますもの。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
それとも片はずしというようなことかと、
委
(
くわ
)
しく聞いてみたでございますが、当人その辺はまるで
見境
(
みさかい
)
がございません。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
委
(
くわ
)
しくいうと、そこにはもう、三つのイズムはなくして私のみがある。こうした個性の状態を私は一番私に親しいものと思わずにいられないのだ。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
いかにもして逃ぐべき支度をして逃げ給へ、門を堅く鎖しておぼろけにて、逃ぐべきやうなしと、
委
(
くわ
)
しく教へければ、ありつる居所に帰り給ひぬ。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
みんなをひきいている
親鳥
(
おやどり
)
は、むずかしい
顔
(
かお
)
つきをして、「
私
(
わたし
)
たちはどんなに
心配
(
しんぱい
)
していたかしれない。どこへいってきたのか、
委
(
くわ
)
しく
話
(
はな
)
しなさい。」
小さな金色の翼
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
これは近頃
専
(
もっぱ
)
ら事実を尊ばれる小説家の微妙な観察に
由
(
よっ
)
て
委
(
くわ
)
しく描写して
戴
(
いただ
)
いたならば明白になるかも知れません。
離婚について
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
私の隣人は、彼女が其の自分の子供達に就いて持つてゐる経験を
委
(
くわ
)
しく話した。男の子は三つで、女の子は九つだつた。二人とも託児所に預けてあつた。
死んだ魂
(新字旧仮名)
/
エマ・ゴールドマン
(著)
委
(
くわ
)
しい事はイワンがお話しいたしましょう。私は仕事に取かからなくてはならんし、その筋へ報告を書かなくてはならん。もう黙っているわけには
行
(
ゆ
)
かんです。
秘密の庭
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
漸
(
ようよ
)
う妹を
賺
(
すか
)
して、鉛筆と半紙を借り受け急ぎ消息はなしけるも、
委
(
くわ
)
しき有様を書き
記
(
しる
)
すべき
暇
(
ひま
)
もなかりき。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
いずれ後からまた
委
(
くわ
)
しいことは通達するが、それまではかまえて静穏にしているようにというのであった。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
先ほど私から
委
(
くわ
)
しく申上げましたような事情がおわかり下されば、そうは考えられないと存じますが……
次郎物語:04 第四部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
この時の事を私は何とかして
委
(
くわ
)
しゅう調べよ思うて、随分苦心しましたけンど、恰度その当時居合した人夫が、死んだり、
他所
(
よそ
)
へ行ったりして、一人もおりまへん。
黄鳥の嘆き:——二川家殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
私は無論のこと、母も大いによろこび、お礼を申し述べ、その日は母と一緒に、十一年ぶりで我家に帰って父にもその由を
委
(
くわ
)
しく話しました。父も非常に喜びました。
幕末維新懐古談:21 年季あけ前後のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
山内侯爵家の祖先が、土佐で実行せられたという対地侍策のごときは、なかんずくこの経過を
委
(
くわ
)
しく語っている。最初には最も強硬な少数をおびき出して来て殺した。
家の話
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
父は
佐伯文一
(
さえきふみかず
)
といって多分今静岡県の浜松にいると思いますし、母は金子きくのといって、
委
(
くわ
)
しい消息はわかりませんが多分
郷里
(
くに
)
の実家の近所におることと思っています。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
そう云ふ事に
委
(
くわ
)
しい人達は、その一生を植物の研究に費してゐる。その人達を植物学者といつて、植物の事については、出来るだけ間違ひのない事を私達に話してくれる。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
男はお庄に東京へ出たら、是非店へ遊びに来いと言って、そこを
委
(
くわ
)
しく教えてくれた。お庄のこともいろいろ聞きたがった。お庄は女たちにそのことをいろいろ言われた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
倭国とは、
委
(
くわ
)
しくは倭人の国の義で、もとは一国の名称として呼ばれたものではなかった。
国号の由来
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
委
(
くわ
)
しいことは
途々
(
みちみち
)
話すとして、すまないが君のあの上等の双眼鏡を持って来てくれたまえ
白銀の失踪
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
芸
(
げい
)
がよくって
愛嬌
(
あいきょう
)
があって、おまけに
自慢気
(
じまんげ
)
なんざ
薬
(
くすり
)
にしたくもねえッてお
人
(
ひと
)
だ。——どこが
悪
(
わる
)
くッて、どう
倒
(
たお
)
れたんだか、さ、そこをおいらに、
委
(
くわ
)
しく
話
(
はな
)
して
聞
(
き
)
かしてくんねえ
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
そのほか、中央の言語にないような音もあって、音韻組織に違いがあったろうと考えられるが、
委
(
くわ
)
しいことは知り難い(東国語の中でも、勿論土地によって相違があったであろう)
国語音韻の変遷
(新字新仮名)
/
橋本進吉
(著)
委
(
くわ
)
しい話をセエラにしてくれたのは、美しい、感じのいいカアマイクルの奥様でした。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
人の家に行きたる家が己が家なり。故にその家の先祖は己が先祖なり。ゆるがせにする事なかれ。また先祖の行状功績等をも
委
(
くわ
)
しく心得置き、子供らへ
昔噺
(
むかしばなし
)
の如く
噺
(
はな
)
し聞かすべし。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
日本の事だから我々に
委
(
くわ
)
しい事情の
分
(
わか
)
る
訳
(
わ
)
けはない、分りはしないけれども、どうも大体を考えて見た所で日本は小国だ、アヽ
云
(
い
)
う小さな国に居て男子の仕事の出来るものじゃない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
自分は
委
(
くわ
)
しく聞きもしたし、細工物は手に覚えもあるので、あちこちから材料や道具さえあつめれば、自分の手一つでこっそりその機械をつくり上げて、機械さえあればひと晩に十五
早耳三次捕物聞書:03 浮世芝居女看板
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
委
常用漢字
小3
部首:⼥
8画
“委”を含む語句
委曲
委細
委敷
委員
委託
委蛇
源委
委曲詳細
委任
委積
委員会
委嘱
心委
委托
委細承知
出委
委陀
委却
市内衛生会委員
赤露非常委員会
...