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生質
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たち
思での
我れなるに
此身ある
故に
孃さまの
戀叶はずとせば
何とせん
身退ぞくは
知らぬならねど
義理ゆゑ
斯くと
御存じにならば
御情ぶかき
御心として
人は
兎もあれ
我よくばと
仰せらるゝ
物でなし
左らでも
御弱きお
生質なるに
如何つきつめた
御覺悟を
ず
沸かへる
涙も
人事にして
御不憫や
孃さま
此程よりのお
煩ひのもとはと
云はゞ
何ゆゑならず
柔和しき御
生質とて
口へとては
出し
給はぬほど
猶さらに
御いとほしお
心は
中々我が
云ふやうな
物にはあらず
此お
文御覽ぜばお
分りになるべけれど
御前さま
無情お
返事もし
遊ばされなば
彼のまゝに
居給ふまじき
御决心ぞと
見る
目は