“きりよう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
容貌50.0%
器量9.1%
縹緻9.1%
姿容4.5%
容色4.5%
容量4.5%
容顏4.5%
標致4.5%
縹致4.5%
美貌4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
近いためしは今尾の奥様、押出しはよし、容貌きりようはよし、御教育もあるとやら。やらやら尽くしで殿達は、近来の大騒ぎ。何でもあんな細君おくさんをと、独身ひとりものはなほの事。
移民学園 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
べつによい器量きりようでもありませぬから、お使つかひにふことは御免ごめんかうむります」
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
平次はたつた一と目で、うなつたほどのこれは好い縹緻きりようです。
姿容きりようのよきを幸ひに、玩具代はりの人形仕立、染れば染まる白糸を、己が好みの色に仕入れ、やがてはしかるべき紳士の奥方に参らせむ心の算段。
誰が罪 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
つぎに、容色きりようだつて十人なみよりいぢやありませんかと梅子が云つた。是にはちゝあにも異議はなかつた。代助も賛成のむねを告白した。四人はそれから高木の品評に移つた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
されどかくそろひて好き容量きりよういまだ見ずと、静緒は心に驚きつつ、蹈外ふみはづせし麁忽そこつははや忘れて、見据うる流盻ながしめはその物を奪はんとねらふが如く、吾を失へる顔は間抜けて、常は顧らるるかたちありながら
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
たい容顏きりようほうなれども、いかにもいかにもの田舍風いなかふう午房縞ごぼうじま綿入わたいれにろんなく白木綿しろもめんおびあを毛布けつとひざしたに、まへこゞみにりて兩手りようてかしらをしかとおさへし。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
はあ悲しやとばかりにて、お台所の片隅に、裁縫の手を止め、恍惚と考へ込むは、お園といふ標致きりようよし。年齢は廿歳を二ツ三ツ、超した、超さぬが、出入衆の、気を揉む種子といふほどありて。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
内にはすうちやんが今日をはれと着飾つて、その美しさと謂ふものは! ほんにまああんな縹致きりようと云ひ、気立と云ひ、諸芸も出来れば、よみかき針仕事はりしごと、そんなことは言つてゐるところではない。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それがむつくり小高うて、栄耀に凝つた細工もの、手で拵らえたか何ぞのやうに、器用に出来たその尖頭さきには、得てして、天狗が引掛り、果ては世上の笑柄わらひもの美貌きりようが仇でござんする。
移民学園 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)