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器量
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きりょう
ふりがな文庫
“
器量
(
きりょう
)” の例文
(この人に、信長ほどな
器量
(
きりょう
)
があるかどうか。ここまでは意外な神速と才腕を見せて来たが、この辺が精いッぱいな
弓勢
(
ゆんぜい
)
ではないか)
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御覧
(
ごらん
)
のとおり
私
(
わたくし
)
などは
別
(
べつ
)
にこれと
申
(
もう
)
してすぐれた
器量
(
きりょう
)
の
女性
(
おんな
)
でもなく、
又
(
また
)
修行
(
しゅぎょう
)
と
言
(
い
)
ったところで、
多寡
(
たか
)
が
知
(
し
)
れて
居
(
い
)
るのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
それでいて彼はこの男の娘なら、須永との関係はどうあろうとも、
器量
(
きりょう
)
はあまりいい方じゃあるまいという気がどこにも起らなかった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
おそらく快楽好きな若者の目には
器量
(
きりょう
)
よしには映るまい。自転車に
跨
(
またが
)
っている彼女の姿は
宛然
(
あたかも
)
働きものの娘さんを一枚の絵にしたようだ。
落穂拾い
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
「三
国
(
ごく
)
一の
嫁御
(
よめご
)
というこった。あんな
器量
(
きりょう
)
よしは、まあ、
金
(
かね
)
のわらじをはいて、さがしても、ほかには
二人
(
ふたり
)
とないという
話
(
はなし
)
だ。」
赤いガラスの宮殿
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
熊笹を、カサコソと踏みわけながら闇の中から出て来たのは、二十四五の、それこそ、水の垂れるような
器量
(
きりょう
)
よし。
顎十郎捕物帳:17 初春狸合戦
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
そして彼らは父がかかる
怯懦
(
きょうだ
)
なる
器量
(
きりょう
)
をもって、
清盛
(
きよもり
)
を倒そうともくろんだのは、全く
烏滸
(
おこ
)
の沙汰であると放言しました。むろん、わしは彼らの話の
細部
(
さいぶ
)
は信じなかった。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
殊
(
こと
)
に
器量
(
きりょう
)
の
好
(
よ
)
くない夫婦などが「われわれ夫婦」などと言うのを聞くのをかの女は好まない。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
やはり
禿
(
は
)
げ
鷹
(
たか
)
に似た顔はすっかり頭の白いだけに、令息よりも一層
慓悍
(
ひょうかん
)
である。その次に坐っている大学生は勿論弟に違いあるまい。三番目のは妹にしては
器量
(
きりょう
)
の好過ぎる娘さんである。
文章
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
第一、
野良声
(
のらごえ
)
の調子ッぱずれの
可笑
(
おかし
)
い
処
(
ところ
)
へ、自分主人でもない
余所
(
よそ
)
の
小児
(
こども
)
を、坊やとも、あの
児
(
こ
)
とも言うにこそ、へつらいがましい、お坊ちゃまは不見識の
行止
(
ゆきどま
)
り、申さば
器量
(
きりょう
)
を下げた話。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ガロフォリが去年来たとき、ぼくをいっしょに
連
(
つ
)
れて帰ったのさ。いったいぼくよりはつぎの弟のレオナルドを連れて行きたかったのだ。レオナルドはぼくとちがって
器量
(
きりょう
)
がいいのだからね。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
「あら、奥さま、私、
迚
(
とて
)
も出来ませんわ、そんな
器量
(
きりょう
)
の悪い顔は」
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
妹娘の
佐代
(
さよ
)
は十六で、三十男の仲平がよめとしては若過ぎる。それに
器量
(
きりょう
)
よしという評判の子で、若者どもの間では「岡の小町」と呼んでいるそうである。どうも仲平とは不吊合いなように思われる。
安井夫人
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
お
師匠
(
ししょう
)
さまはご
器量
(
きりょう
)
や芸能が諸人にすぐれておられたばかりに一生のうちに二度までも人の
嫉
(
ねた
)
みをお受けなされたお師匠さまの御不運は全くこの二度のご災難のお
蔭
(
かげ
)
じゃと云ったのを思い合わせれば
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
譜代宿老を鼻にかけておるような人物に
我
(
わ
)
が大志を託すよりは、むしろいちかばちか、彼に会って、その
器量
(
きりょう
)
をこころみ、
恃
(
たの
)
むべき男であれば
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
私
(
わたし
)
は、あんな
器量
(
きりょう
)
よしの
娘
(
むすめ
)
を
見
(
み
)
たことがない。」と、
他
(
た
)
の
年
(
とし
)
をとった、
荷物
(
にもつ
)
をかついだ
旅
(
たび
)
の
女
(
おんな
)
らしい
人
(
ひと
)
がいいました。
港に着いた黒んぼ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
細君はお
兼
(
かね
)
さんと云って、
器量
(
きりょう
)
はそれほどでもないが、色の白い、皮膚の
滑
(
なめ
)
らかな、
遠見
(
とおみ
)
の大変好い女であった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ただ
綺麗
(
きれい
)
ではありませんが、——
器量
(
きりょう
)
などはどうでもかまわないのでしょう?
二人小町
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「あの子は村でいちばん
器量
(
きりょう
)
よしの子どもだよ」
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
「ははあ……」といったまま、
呂宋兵衛
(
るそんべえ
)
も
蚕婆
(
かいこばばあ
)
も、すっかり
毒気
(
どっけ
)
をぬかれたていで、いままで
喋々
(
ちょうちょう
)
とならべたてた
吹聴
(
ふいちょう
)
が、いっそう
器量
(
きりょう
)
を悪くした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それには三沢の様子や態度が有力な原因となって働いていたに違ないが、単独に云っても、彼女は自分の視線を引着けるに足るほどな好い
器量
(
きりょう
)
をもっていたのである。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
けれど、
一目
(
ひとめ
)
その
娘
(
むすめ
)
を
見
(
み
)
た
人
(
ひと
)
は、みんなびっくりするような
美
(
うつく
)
しい
器量
(
きりょう
)
でありましたから、
中
(
なか
)
にはどうかしてその
娘
(
むすめ
)
を
見
(
み
)
たいと
思
(
おも
)
って、ろうそくを
買
(
か
)
いにきたものもありました。
赤いろうそくと人魚
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
これはお
松
(
まつ
)
さんと云って、
器量
(
きりょう
)
は到底お君さんの敵ではない。まず白
麺麭
(
パン
)
と黒麺麭ほどの相違がある。だから一つカッフェに勤めていても、お君さんとお松さんとでは、祝儀の収入が非常に違う。
葱
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ではこの隆景は
如何
(
いかが
)
といえば、われらとても同様、輝元公をさし
措
(
お
)
いて、天下を
掌握
(
しょうあく
)
するなどは思いも寄らぬこと。……しかるに輝元公の
器量
(
きりょう
)
はどうか。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なんという
器量
(
きりょう
)
のいい
娘
(
むすめ
)
さんだろう……。しかし、ようすを
見
(
み
)
ると、あまり
豊
(
ゆた
)
かな
生活
(
せいかつ
)
をしているとは
思
(
おも
)
われない。さっきから、ああして、
人形
(
にんぎょう
)
に
見
(
み
)
とれているが、ものは
相談
(
そうだん
)
だ。
生きた人形
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それがまた看護婦としては特別
器量
(
きりょう
)
が好いので、三沢は時々不平な顔をして人を馬鹿にしているなどと云った。彼の看護婦はまた別の意味からして、この美しい看護婦を好く云わなかった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「いやいや、自分には、御身の上に立って、召し抱えるなどという
器量
(
きりょう
)
はない。主君信長に御推挙申して、自分はあなたを師としてこれから学びたいと思っている」
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
前
(
まえ
)
のねえやは、それは、
顔
(
かお
)
もよかったし、
気
(
き
)
がきいて、
役
(
やく
)
にたつ
子
(
こ
)
でしたが、
器量
(
きりょう
)
がご
自慢
(
じまん
)
なので、ひまさえあれば、
鏡
(
かがみ
)
に
向
(
む
)
かって、ほお
紅
(
べに
)
をつけたり、おしろいはけでたたいたりするので
だまされた娘とちょうの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いや、いかなる人間でも、あせりを思うては、日ごろの
器量
(
きりょう
)
も出ぬものだ。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あれほどの
器量
(
きりょう
)
なら、こんなことをしていなくてもよさそうなものだ。あんな
美
(
うつく
)
しい
娘
(
むすめ
)
なら、だれでももらい
手
(
て
)
があるのに。」と、
脊
(
せ
)
の
低
(
ひく
)
い
男
(
おとこ
)
がのびあがって、あちらを
見
(
み
)
ながら、いっていました。
港に着いた黒んぼ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
秀吉は心のうちで、官兵衛の
器量
(
きりょう
)
をもう一応も二応も見直していた。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「わかるまい。そちなどの
器量
(
きりょう
)
と年齢では、まだまだ」
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と燕作は鉄門の前に立って、
器量
(
きりょう
)
いっぱいな大声。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
器
常用漢字
小4
部首:⼝
15画
量
常用漢字
小4
部首:⾥
12画
“器量”で始まる語句
器量人
器量好
器量哉
器量望
器量統
器量者
器量次第