“つまず”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
90.1%
4.7%
2.1%
0.9%
0.9%
爪付0.4%
爪摺0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
勿論、兇器きょうきは離さない。うわそらの足がおどつて、ともすれば局の袴につまずかうとするさまは、燃立もえた躑躅つつじの花のうちに、いたちが狂ふやうである。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
自分はつまずきもし、失望もし、迷いもした。しかし大体にいて彼女を救おうとした自分の方針を過まらなかったつもりだと書いた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
状貌じょうぼう醜怪しゅうかいなるに九助大いに怖れを為し、是やかねて赤倉に住むと聞きしオホヒトならんと思ひ急ぎ遁げんとせしが、過ちて石につまずき転び落ちて、かえりて大人の傍に倒れたり。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
私もまたその狂いの中に生れて育って来たあわれな一人の男性に過ぎない。私はつまずきどおしに跌いている。然し私の本能のかすかな声は私をそこから立ち上らせるに十分だ。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
彼はつまずきながら、慌ててその傍へ寄って行った。
(新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
旅宿やどやへ踏み込まれて、伯父は二階のひさしから飛び下りる途端、庭石に爪付つまずいて倒れる所を上から、容赦なくられた為に、顔がなますの様になったそうである。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
台石から取ってえした、持扱いの荒くれた爪摺つまずれであろう、青々と苔の蒸したのが、ところどころむしられて、日のくまかすかに、石肌の浮いた影を膨らませ、影をまた凹ませて、残酷にからめた
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
幸徳らは政治上に謀叛して死んだ。死んでもはや復活した。墓は空虚だ。いつまでも墓にすがりついてはならぬ。「もしなんじの右眼爾をつまずかさば抽出ぬきだしてこれをすてよ」
謀叛論(草稿) (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)