“蹶(つまず)” の例文
而(しこう)して彼が九顛(てん)十起、堅忍(けんにん)不抜(ふばつ)、いよいよ窮していよいよ画策(かくさく)し、いよいよ蹶(つまず)きていよいよ奮うに至っては、恐らくは十の松陰あるも、また及ぶ所無けん。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
其状貌(じょうぼう)の醜怪(しゅうかい)なるに九助大いに怖れを為し、是や兼(かね)て赤倉に住むと聞きしオホヒトならんと思ひ急ぎ遁げんとせしが、過ちて石に蹶(つまず)き転び落ちて、却(かえ)りて大人の傍に倒れたり。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
尾また長くその端毛あり、一跳(とび)数足、止まるとすなわち蹶(つまず)き仆(たお)る〉と出(い)づ、英語でジャーボアといいて後脚至って長く外貌習慣共にオーストラリアのカンガルーに似た物だ(第四図)。
谷川縁(べり)の一筋道で樹の根に蹶(つまず)き倒れるおかめの髻(たぶさ)を掴んで引摺り倒し
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
いよいよ陰士とすれば早く尊顔(そんがん)を拝したいものだ。陰士は今や勝手の上に大いなる泥足を上げて二足(ふたあし)ばかり進んだ模様である。三足目と思う頃揚板(あげいた)に蹶(つまず)いてか、ガタリと夜(よる)に響くような音を立てた。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
また曰く、「伏見の事万一蹶(つまず)かば嘯聚(しょうしゅ)賊となれ、頼政の事汝固(もと)より自(みず)から任ぜざるべからず」
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)