爪摺つまず)” の例文
台石から取ってえした、持扱いの荒くれた爪摺つまずれであろう、青々と苔の蒸したのが、ところどころむしられて、日のくまかすかに、石肌の浮いた影を膨らませ、影をまた凹ませて、残酷にからめた
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)