“無気味”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぶきみ91.5%
グロテスク4.3%
ぶきび2.1%
むきみ2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると椅子の前の陳彩は、この視線に射すくまされたように、無気味ぶきみなほど大きな眼をしながら、だんだん壁際の方へすさり始めた。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
日頃は、無気味グロテスクな顔ではあるが、何となく温和であるのが、今宵は殺気を帯びてゐる。それでも、瑠璃子の顔を見ると、少し顔を赤めながら、ニタリと笑つた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
無気味ぶきびにゲタと笑いかけて其儘固まって了ったらしい頬桁ほおげたの、その厭らしさ浅ましさ。随分髑髏されこうべを扱って人頭の標本を製した覚もあるおれではあるが、ついぞ此様こんなのに出逢ったことがない。
あのかげもなく、いさらばえる面影おもかげ、あの断末魔だんまつまのはげしい苦悶くもん、あの肉体にくたい幽体ゆうたいとをつなぐ無気味むきみな二ほんしろひも、それからあの臨終りんじゅうとこあたりをとりまいた現幽両界げんゆうりょうかいおおくの人達ひとたちあつまり……。