“グロテスク”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
無気味28.6%
奇怪14.3%
怪奇14.3%
怪奇的14.3%
邪魁14.3%
醜怪14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何時いつ見馴みなれている大島の不断着が、雨でズブれに濡れている。髪の毛も、雨を浴びて黒くすごく光っている。日頃は、無気味グロテスクな顔ではあるが、何となく温和であるのが、今宵こよいは殺気を帯びている。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
人々は「今日こそは」という期待をもって毎日の新聞を取上げた、けれども週また週が、この奇怪グロテスクな秘密の幕を切って落すことなしに空しく過ぎて行った。
団十郎の定光が、あの怪奇グロテスク紅隈べにくまと同じ怪奇の扮装で、長刀ながもの佩いてヌタクリ出で、さて大見得を切った後
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ここでその容貌が作者一流の幾分誇張的で怪奇的グロテスクな戯画的手法でスケッチされる。
ああ、その瀑布の轟き——華美はなやか邪魁グロテスクな夢は、まさにいかなる理法をもってしても律し得ようのない、変畸狂態のきわみではないか。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
それから下肢になると、右足は拇指だけを残して、他の四本ともペッタリつぶれたような形になっていて、そこは、肉色の繃帯をまんべんなく捲きつけたように見えるが、左足はより以上醜怪グロテスクだった。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)