“けったい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
怪体33.3%
奇体16.7%
結滞16.7%
奇怪8.3%
8.3%
怪態8.3%
血滞8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
他は、すべて怪体けったいにも分らなすぎることばかりだが、ロイスの身になってみれば……。
人外魔境:05 水棲人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
叔父叔母はしかし、順平をわざ/\継子ままこ扱いにはしなかった。そんな暇もないといった顔だった。奇体けったいな子供だと思っても、深く心に止めなかった。
放浪 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
私はその異様の瞬間に、今まで快く流れていた心臓の潮流をちょっと鈍らせた。しかしそれは単に一時の結滞けったいに過ぎなかった。私の心は五分とたないうちに平素の弾力を回復した。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「あんた、ほんまに奇怪けったいに思いなはったやろ。面目ない。笑うて、たんと笑うておくれやっしゃ、今松君」
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
御山おやま御登おあがりやすのどすか、案内しまほうか、ホホホけったいとこに寝ていやはる」とまた目暗縞めくらじまが下りて来る。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「どすが、こないにしてまた何処へ連れて行かはるか怪態けったいやないう感じはしまへんかな。だんだん日は遠くなるし、曇っては来るし。」
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
などと、かたりで、中華ではしんのころから紳士のあいだで愛飲されだして、唐の陸羽りくうは、茶経さきょうという書物しょもつさえあらわしている。また、鬱気うつきを散じるによく、血滞けったいを解くによろしい。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)