“けげん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
怪訝94.1%
化現1.9%
仮現1.1%
可訝0.7%
怪幻0.7%
奇怪0.4%
怪顏0.4%
戯言0.4%
稀見0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……そんな私の心のなかの動揺どうようには気づこうはずがなく、彼女は急に早足になった私のあとから、何んだか怪訝けげんそうについて来ながら
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
「いやいや、いかに人間界にんげんかい化現けげんしている身とはいえ、勢至菩薩せいしぼさつなわつきなどになされては、あとの仏罰ぶつばつがおそろしかろう。あの婦人はわれわれ五人へ渡したまえ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夜の自然は一切を平等にして、山とか海とかに仮現けげんする異性を失わせる。
奥常念岳の絶巓に立つ記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
おしおは可訝けげんそうに相手の顔を見返したが
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
で、義雄が直接にその相談を持ちかけた時、昇は怪幻けげんな顏をすると同時に、後ろにもたれて一方の膝に乘せた一方の足を、スリッパを穿いたまま横手に突き出し、持ち前らしい横柄な口調で
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
自分が嬉しさの余り、疲れた足をりながら、いそいそ近づいてくると、初さんは奇怪けげんな顔をして
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
見學の人々は彼れが突然よろけて後ろを向いてしまつたのを見て怪顏けげんの眼を見張つた。
実験室 (旧字旧仮名) / 有島武郎(著)
成斎が鉄砲さんを揶揄からかえば、鉄砲さんも必ずしも師を敬ってばかりはいない。往々戯言けげんを吐いて尊厳を冒すことがある。成斎は「おのれ鉄砲」と叫びつつ、鞭をふるって打とうとする。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
父は稀見けげんな顔をして、私を見ていました。母は、それでも、何かと私に優しいことをいってくれていました。