冷評ひやかし)” の例文
「君は今あの男と女を見て、冷評ひやかしましたね。あの冷評ひやかしのうちには君が恋を求めながら相手を得られないという不快の声がまじっていましょう」
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「お葉か。忠一が今度帰ったら冷評ひやかしろうよ。」
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あまり気燄きえんが高かった時、代助が、文学者も恐露病にかかってるうちはまだ駄目だ。一旦日露戦争を経過したものでないと話せないと冷評ひやかし返した事がある。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あまり気焔が高かつた時、代助が、文学者も恐露病に罹つてるうちはまだ駄目だ。一旦日露戦争を経過したものでないと話せないと冷評ひやかし返した事がある。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
細君の言葉は珍らしく乾燥はしゃいでいた。笑談じょうだんとも付かず、冷評ひやかしとも付かないその態度が、感想に沈んだ健三の気分を不快に刺戟しげきした。彼は何とも答えなかった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)