かた)” の例文
二人は暫しかたみの顔を打瞶うちまもつてゐたが、『でヤ、明日盛岡さがねばならねえな。』と、お定が先づ我に帰つた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
われに与えんとならば、まずひそやかに与えよかし。われらかたみに持てる想いを、何人なにびともさとらぬぞよき。
かたみの顔ようように隔たりつつ、ついに全く見えなくなりぬ、さてその法師の容貌ようぼう風采ふうさいとは、さながら年とりし佐太郎そのままにて、不思議の再会最も懐かしく思いたるに
空家 (新字新仮名) / 宮崎湖処子(著)
短夜みじかよの馬込なりしか梟と木菟みみづくのこゑのかたみにはして
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
三人はかたみに云うのであった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
短夜みじかよの馬込なりしか梟と木菟みみづくのこゑのかたみにはして
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
かたみになつかしくよりそひて
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)