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固
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かた
ふりがな文庫
“
固
(
かた
)” の例文
そこで金太郎は體を
固
(
かた
)
く小さくして、道の白い
流
(
なが
)
れの上へ、飛びこむやうな
具
(
ぐ
)
合に轉んでいつた。自轉車は三四米先へ
投
(
な
)
げ出された。
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
彼らは思慮も熟せず判断力も
固
(
かた
)
くないから、見るもの聞くものその他すべて五感に触るるものによりて心の底までも
動揺
(
どうよう
)
されやすい。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
女は器を受け取って、その玉をとり出そうとしますと、玉は器の底に
固
(
かた
)
くくっついてしまって、どんなにしても
離
(
はな
)
れませんでした。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
見るなと
固
(
かた
)
く
制
(
せい
)
せしは如何なる
譯
(
わけ
)
かと
頻
(
しき
)
りに其奧の間の見ま
欲
(
ほし
)
くて
密
(
そつ
)
と
起上
(
おきあが
)
り忍び足して
彼座敷
(
かのざしき
)
の
襖
(
ふすま
)
を
押明
(
おしあけ
)
見れば此はそも如何に金銀を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それに
木賃宿
(
きちんやど
)
のねどこのどんなに
固
(
かた
)
いことであろう。(もう二度とアーサとも遊べないし、その母親の
優
(
やさ
)
しい声も聞くことはできない)
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
▼ もっと見る
萩ドウダンの
生牆
(
いけがき
)
をめぐらし、外から手をさし入れて明けられる
様
(
よう
)
な形ばかりのものだが、
大小
(
だいしょう
)
六つの門や枝折戸が出入口を
固
(
かた
)
めて居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
……やどかりも、うようよいる。が、真夏などは
暫時
(
しばらく
)
の汐の
絶間
(
たえま
)
にも乾き果てる、壁のように
固
(
かた
)
まり着いて、
稲妻
(
いなずま
)
の
亀裂
(
ひび
)
が
入
(
はい
)
る。
海の使者
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ただ
水
(
みず
)
のように
月
(
つき
)
の
青白
(
あおじろ
)
い
光
(
ひかり
)
が
流
(
なが
)
れていました。あちらの
垣根
(
かきね
)
には、
白
(
しろ
)
い
野
(
の
)
ばらの
花
(
はな
)
が、こんもりと
固
(
かた
)
まって、
雪
(
ゆき
)
のように
咲
(
さ
)
いています。
月夜と眼鏡
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
とうとうそれは
固
(
かた
)
く
固
(
かた
)
く
凍
(
こお
)
ってきて、
子家鴨
(
こあひる
)
が
動
(
うご
)
くと
水
(
みず
)
の
中
(
なか
)
の
氷
(
こおり
)
がめりめり
割
(
わ
)
れる
様
(
よう
)
になったので、
子家鴨
(
こあひる
)
は、すっかりその
場所
(
ばしょ
)
が
氷
(
こおり
)
で
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
ところが、海の中に落っこちたもんだから、だんだんに
石灰水
(
せっかいすい
)
がしみこんで、しまいには、石のように
固
(
かた
)
くなってしまったんだ。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
第一種は
普通
(
ふつう
)
の股引にして、
膚
(
はだへ
)
に密接するもの、第二種は
裁
(
た
)
ち付け袴の類にして、全体甚
寛
(
ゆる
)
やかに、僅に足首の所に於て
固
(
かた
)
く
括
(
くく
)
られたるもの。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
大和魂
(
やまとだましい
)
を
鋳
(
い
)
固
(
かた
)
めた製作品である。実業家も
入
(
い
)
らぬ、新聞屋も入らぬ、
芸妓
(
げいしゃ
)
も入らぬ、余のごとき書物と
睨
(
にら
)
めくらをしているものは無論入らぬ。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
残
(
のこ
)
ったものは
殿
(
との
)
のご
寝所
(
しんじょ
)
のほうを
守
(
まも
)
れ、もう
木戸
(
きど
)
や
多門
(
たもん
)
の
固
(
かた
)
めにはじゅうぶん人数がそろったから、よも、やぶれをとるおそれはあるまい」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
道江の予期に反して、次郎の答えは
断乎
(
だんこ
)
としていた。しかし、彼はすぐ何かにはっとしたように、
固
(
かた
)
く唇をむすび、じっと道江の顔を見つめた。
次郎物語:04 第四部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
きびしい冷酷さをもって
固
(
かた
)
くとざされた心にも、この愛すべき小鳥の声は、時としては何かほのぼのとした
温
(
あたた
)
かいものを感じさせるのであった。
癩
(新字新仮名)
/
島木健作
(著)
大
(
おほ
)
きな
藁草履
(
わらざうり
)
は
固
(
かた
)
めたやうに
霜解
(
しもどけ
)
の
泥
(
どろ
)
がくつゝいて、それがぼた/\と
足
(
あし
)
の
運
(
はこ
)
びを
更
(
さら
)
に
鈍
(
にぶ
)
くして
居
(
ゐ
)
る。
狹
(
せま
)
く
連
(
つらな
)
つて
居
(
ゐ
)
る
田
(
た
)
を
竪
(
たて
)
に
用水
(
ようすゐ
)
の
堀
(
ほり
)
がある。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
神社
(
じんじゃ
)
に
祀
(
まつ
)
られたからと
申
(
もう
)
して、
矢鱈
(
やたら
)
に
六ヶ
(
むずか
)
しい
問題
(
もんだい
)
などを
私
(
わたくし
)
のところにお
持込
(
もちこ
)
みになられることは
固
(
かた
)
く
御辞退
(
ごじたい
)
いたします。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
目
(
め
)
がさめて
後
(
のち
)
お
妃
(
きさき
)
は、
喉
(
のど
)
の中に
何
(
なに
)
か
固
(
かた
)
くしこるような、
玉
(
たま
)
でもくくんでいるような、
妙
(
みょう
)
なお
気持
(
きも
)
ちでしたが、やがてお
身重
(
みおも
)
におなりになりました。
夢殿
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
また
濕
(
しめ
)
つた
粘土
(
ねんど
)
が
火
(
ひ
)
の
傍
(
そば
)
に
置
(
お
)
かれると、
固
(
かた
)
くなることを
知
(
し
)
つたといふことなどが
發見
(
はつけん
)
の
緒
(
いとぐち
)
となつたかと
想像
(
そう/″\
)
せられます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
是故にわれ先見をもて身を
固
(
かた
)
むるを
宜
(
よ
)
しとす、さらばたとひ最愛の地を奪はるともその他の地をばわが歌の爲に失ふことなからむ 一〇九—一一一
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
濡れ手拭をしぼるように、やんわりと持った柄の手ざわりにも、
今宵
(
こよい
)
こそ! と思う強い闘志をそそられて、栄三郎の平青眼はおのずと
固
(
かた
)
かった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
前つぼの
固
(
かた
)
い
草履
(
ぞうり
)
の
先
(
さき
)
で
砂
(
すな
)
を
蹴
(
け
)
って、一
目散
(
もくさん
)
に
駆
(
か
)
け
出
(
だ
)
した
伝吉
(
でんきち
)
は、
提灯屋
(
ちょうちんや
)
の
角
(
かど
)
まで
来
(
く
)
ると、ふと
立停
(
たちどま
)
って
小首
(
こくび
)
を
傾
(
かし
)
げた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
甚だしい心配の度に腹に
固
(
かた
)
い固まりが出来る彼女の習慣の、その兆しを下腹部に感じながら、彼女は
洋燈
(
ランプ
)
を掃除した。
不幸
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
試みに煮てみようと言うので、五串ばかり小鍋に入れて、
焜爐
(
こんろ
)
にかけた。寝る時
味
(
あじ
)
わってみたが骨はまだ
固
(
かた
)
かった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
「そのように
固
(
かた
)
くならずともよい。主水之介不審あって
罷
(
まか
)
り
越
(
こ
)
したのじゃ。
土左船
(
どざぶね
)
の者達、こちらへ参った筈じゃが、伜共の死体もう届いたであろうな」
旗本退屈男:10 第十話 幽霊を買った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
そのときあたしは、
不図
(
ふと
)
床
(
ゆか
)
の上に、異様な物体を発見した。ベッドから滑り下りて、その傍へよって、よくよく見た。それは茶褐色の灰の
固
(
かた
)
まりだった。
俘囚
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
が、世間を思切って利慾を捨てた椿岳は、猿が木から木へと木の実を捜して飛んで行くように、金儲けから金儲けへと慾一方で
固
(
かた
)
まるのを欲しなかった。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
私
(
わたくし
)
は
三々五々
(
さん/\ごゞ
)
群
(
むれ
)
をなして、
其處此處
(
そここゝ
)
に
立
(
た
)
つて
居
(
を
)
る、
顏色
(
いろ
)
の
際立
(
きはだ
)
つて
白
(
しろ
)
い
白耳義人
(
ベルギーじん
)
や、「コスメチツク」で
鼻髯
(
ひげ
)
を
劍
(
けん
)
のやうに
塗
(
ぬ
)
り
固
(
かた
)
めた
佛蘭西
(
フランス
)
の
若紳士
(
わかしんし
)
や
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
畑の中を、
畦
(
うね
)
から畦へ、土くれから土くれへと、踏みつけ踏みつけ、
耙
(
まぐわ
)
のように、
固
(
かた
)
め、
平
(
な
)
らして行く。鉄砲で、
生籬
(
いけがき
)
や
灌木
(
かんぼく
)
の茂みや、
薊
(
あざみ
)
の
叢
(
くさむら
)
をひっぱたく。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
いつも
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
りの
玄竹
(
げんちく
)
が
來
(
く
)
ると、
但馬守
(
たじまのかみ
)
は
大抵
(
たいてい
)
差
(
さ
)
し
向
(
むか
)
ひで
話
(
はなし
)
をして
障子
(
しやうじ
)
には、
大
(
おほ
)
きな、『××の
金槌
(
かなづち
)
』と
下世話
(
げせわ
)
に
惡評
(
あくひやう
)
される
武士髷
(
ぶしまげ
)
と、
固
(
かた
)
い
頭
(
あたま
)
とが
映
(
うつ
)
るだけで
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
鶴
(
つる
)
千年
(
せんねん
)
龜
(
かめ
)
萬年
(
まんねん
)
人間
(
にんげん
)
常住
(
じやうぢう
)
いつも
月夜
(
つきよ
)
に
米
(
こめ
)
の
飯
(
めし
)
ならんを
願
(
ねが
)
ひ
假
(
かり
)
にも
無常
(
むじやう
)
を
觀
(
くわん
)
ずるなかれとは
大福
(
だいふく
)
長者
(
ちやうじや
)
と
成
(
な
)
るべき
人
(
ひと
)
の
肝心
(
かんじん
)
肝要
(
かんえう
)
かなめ
石
(
いし
)
の
固
(
かた
)
く
執
(
と
)
つて
動
(
うご
)
かぬ
所
(
ところ
)
なりとか
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そうして今の自分の、まじめに
固
(
かた
)
まりくさった動きのとれない寂しさを考えずにもおられなかった。
落穂
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
カスタード(
牛乳
(
ぎうにう
)
と
鷄卵
(
たまご
)
とに
砂糖
(
さたう
)
を
入
(
い
)
れて
製
(
せい
)
したるもの)、
鳳梨
(
パイナツプル
)
、七
面鳥
(
めんてう
)
の
燒肉
(
やきにく
)
、トッフィー(
砂糖
(
さたう
)
と
牛酪
(
バター
)
で
製
(
せい
)
して
固
(
かた
)
く
燔
(
や
)
いた
菓子
(
くわし
)
)、それに
牛酪
(
バター
)
つきの
𤍠
(
あつ
)
い
炕麺麭
(
やきぱん
)
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
『いやもう
過去
(
かこ
)
は
忘
(
わす
)
れましょう。』と、ミハイル、アウエリヤヌイチは
固
(
かた
)
く
彼
(
かれ
)
の
手
(
て
)
を
握
(
にぎ
)
って
云
(
い
)
うた。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ロミオ はて、
其
(
その
)
覘
(
ねらひ
)
は
外
(
はづ
)
れた。
戀愛神
(
キューピッド
)
の
弱弓
(
よわゆみ
)
では
射落
(
いおと
)
されぬ
女
(
をんな
)
ぢゃ。
處女神
(
ダイヤナ
)
の
徳
(
とく
)
を
具
(
そな
)
へ、
貞操
(
ていさう
)
の
鐵
(
てつ
)
の
鎧
(
よろひ
)
に
身
(
み
)
を
固
(
かた
)
めて、
戀
(
こひ
)
の
稚
(
をさな
)
い
孱弱矢
(
へろ/\や
)
なぞでは
些小
(
いさゝか
)
の
手創
(
てきず
)
をも
負
(
お
)
はぬ
女
(
をんな
)
。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
この
流下
(
りゆうか
)
の
際
(
さい
)
なほ
多量
(
たりよう
)
の
蒸氣
(
じようき
)
を
吐
(
は
)
き
出
(
だ
)
しつゝあると、こーくすのような
粗面
(
そめん
)
の
鎔岩
(
ようがん
)
となるが、もし
蒸氣
(
じようき
)
が
大抵
(
たいてい
)
吐
(
は
)
き
出
(
だ
)
されてしまつた
後
(
のち
)
ならば、
表面
(
ひようめん
)
が
多少
(
たしよう
)
滑
(
なめら
)
かに
固
(
かた
)
まり
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
それから見世物に
蛇
(
じゃ
)
の
骨
(
こつ
)
だといってよく出ているのがあれも牛の軟骨を
乾
(
ほ
)
し
固
(
かた
)
めたのだそうです。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
本線シグナルつきの電信柱は、がたがたっとふるえて、それからじっと
固
(
かた
)
くなって答えました。
シグナルとシグナレス
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
お
鍋
(
なべ
)
から
出
(
だ
)
して、こんどは
火
(
ひ
)
で
燒
(
や
)
いてみました。
不相變
(
あいかはらず
)
です。いよいよ
固
(
かた
)
くなるばかりでした。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
おいくは、背丈の低い
固
(
かた
)
肥りの躯つきで、抜けあがった額から頬が赤くてらてら光っていた。
柳橋物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
相議するや
久
(
ひさ
)
し、余奮つて曰く、水を
逐
(
お
)
ふて此
嶮所
(
けんしよ
)
を溯る何かあらん、未だ生命を抛つの
危険
(
きけん
)
あるを
見
(
み
)
ずと、
衆
(
しふ
)
敢
(
あへ
)
て余を
賛
(
さん
)
するものなし、余此に於て
巳
(
やむ
)
を得ず
固
(
かた
)
く後説を
執
(
と
)
る
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
平次は
納戸
(
なんど
)
の外へ出ましたが、ほんの暫くすると歸つて來て、天井の
壁際
(
かべぎは
)
に少し出て居る、細い糸を引つ張ると、それを白鼠の籠の外へ出て居る、車の心棒に
固
(
かた
)
く結びました。
銭形平次捕物控:015 怪伝白い鼠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
矢戦
(
やいくさ
)
をしたりという言い伝えありて、矢の根を多く掘り出せしことあり。この間に
似田貝
(
にたかい
)
という部落あり。戦の当時このあたりは
蘆
(
あし
)
しげりて土
固
(
かた
)
まらず、ユキユキと動揺せり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
いざ
子
(
こ
)
ども
戯
(
たは
)
わざな
為
(
せ
)
そ
天地
(
あめつち
)
の
固
(
かた
)
めし
国
(
くに
)
ぞやまと
島根
(
しまね
)
は 〔巻二十・四四八七〕 藤原仲麿
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
武矦
(
ぶこう
)
、
西河
(
せいが
)
に
浮
(
うか
)
びて
下
(
くだ
)
る、
中流
(
ちうりう
)
にして
顧
(
かへり
)
みて
呉起
(
ごき
)
に
謂
(
い
)
つて
曰
(
いは
)
く、『
美
(
び
)
なる
哉乎
(
かな
)
、
山河
(
さんが
)
の
固
(
かた
)
め、
此
(
こ
)
れ
魏國
(
ぎこく
)
の
寶也
(
たからなり
)
』と。
起
(
き
)
、
對
(
こた
)
へて
曰
(
いは
)
く、『((國ノ寶ハ))
徳
(
とく
)
に
在
(
あ
)
りて
險
(
けん
)
に
在
(
あ
)
らず。 ...
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
モコウが走って、食堂からやき肉、
固
(
かた
)
パン、茶、および一
杯
(
ぱい
)
のブランデーを持ってきた。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
視
(
み
)
れば四囲は
固
(
かた
)
むるに鉄を以てし、二
鎖
(
さ
)
も
亦
(
また
)
鉄を
灌
(
そそ
)
ぎありて開くべくも無し。帝これを見て
大
(
おおい
)
に
慟
(
なげ
)
きたまい、今はとて火を
大内
(
たいだい
)
に放たせたもう。皇后は火に赴きて死したまいぬ。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
小栗等の
目的
(
もくてき
)
は
一意
(
いちい
)
軍備の
基
(
もとい
)
を
固
(
かた
)
うするがために幕末
財政
(
ざいせい
)
窮迫
(
きゅうはく
)
の
最中
(
さいちゅう
)
にもかかわらず
奮
(
ふるっ
)
てこの
計画
(
けいかく
)
を
企
(
くわだ
)
てたるに外ならずといえども、日本人がかかる事には全く
不案内
(
ふあんない
)
なる時に際し
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
また今を去ること三十余年、
固
(
かた
)
め
番
(
ばん
)
とて
非役
(
ひやく
)
の
徒士
(
かち
)
に城門の番を命じたることあり。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
それから頭のまん中には
楕円形
(
だえんけい
)
の
皿
(
さら
)
があり、そのまた皿は年齢により、だんだん
固
(
かた
)
さを加えるようです。現に年をとったバッグの皿は若いチャックの皿などとは全然手ざわりも違うのです。
河童
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
固
常用漢字
小4
部首:⼞
8画
“固”を含む語句
頑固
確固
凝固
拳固
鞏固
固着
堅固
乾固
固唾
牢固
固執
警固
意固地
固有
固肥
強固
固辞
頑固爺
固練
固粥
...