“乾固”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひかた33.3%
ひかたま33.3%
ほしかた33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
手を消毒する薬液は愚か、血を洗う水さえ取りに行くひまが無かったので、私の両手の指は真黒く乾固ひかたまった血の手袋のために、折曲りが利かなくなった。一つには非常な寒さのせいであったろう。
戦場 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
秋の頃、黄色い粉を吐いた花の乾固ひかたまった死骸や、小さく黒く見える実や、それも僅かに彼方の枝に二つ、此方こちらの枝に一つある位で他に一片ひとひらの葉の影も止めていなかった。
越後の冬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こんなものをよこされては溜まらんね。オットどっこい、また来た。今度はかずだ。乾固ほしかたまって塩の辛いやつろくに塩出しもしないでこしらえるから消化こなそうと思っても消化れない。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)