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肩
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かた
ふりがな文庫
“
肩
(
かた
)” の例文
と、すごい力をからだ中にこめたブル、いきなり、ジョージを
肩
(
かた
)
の上までグッとさしあげると、そのまま下へ力いっぱい投げつけた。
小指一本の大試合
(新字新仮名)
/
山中峯太郎
(著)
もの
優
(
やさ
)
しく
肩
(
かた
)
が
動
(
うご
)
くと、
其
(
そ
)
の
蝋
(
らふ
)
の
火
(
ひ
)
が、
件
(
くだん
)
の
繪襖
(
ゑぶすま
)
の
穴
(
あな
)
を
覘
(
のぞ
)
く……
其
(
そ
)
の
火
(
ひ
)
が、
洋燈
(
ランプ
)
の
心
(
しん
)
の
中
(
なか
)
へ、
𤏋
(
ぱつ
)
と
入
(
はひ
)
つて、
一
(
ひと
)
つに
成
(
な
)
つたやうだつた。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
空
(
から
)
になつた
渡船
(
とせん
)
へ、
天滿與力
(
てんまよりき
)
は
肩
(
かた
)
をいからして
乘
(
の
)
つた。
六甲山
(
ろくかふざん
)
に
沈
(
しづ
)
まうとする
西日
(
にしび
)
が、きら/\と
彼
(
か
)
れの
兩刀
(
りやうたう
)
の
目貫
(
めぬき
)
を
光
(
ひか
)
らしてゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
肩
(
かた
)
を
掴
(
つか
)
んで、ぐいと
引
(
ひ
)
っ
張
(
ぱ
)
った。その
手
(
て
)
で、
顔
(
かお
)
を
逆
(
さか
)
さに
撫
(
な
)
でた八五
郎
(
ろう
)
は、もう一
度
(
ど
)
帯
(
おび
)
を
把
(
と
)
って、
藤吉
(
とうきち
)
を
枝折戸
(
しおりど
)
の
内
(
うち
)
へ
引
(
ひ
)
きずり
込
(
こ
)
んだ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
少年
(
しょうねん
)
は、マントの
下
(
した
)
に
肩
(
かた
)
からかけた、
新聞
(
しんぶん
)
の
束
(
たば
)
から、一
枚
(
まい
)
引
(
ひ
)
き
抜
(
ぬ
)
くと、
門
(
もん
)
を
開
(
あ
)
けて
入
(
い
)
り
口
(
ぐち
)
へまわらずに、
竹
(
たけ
)
の
垣根
(
かきね
)
の
方
(
ほう
)
へ
近
(
ちか
)
づきました。
生きぬく力
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
「
大石
(
おおいし
)
先生。でもからだは、ちっちゃあい人。小林でもわたしはのっぽだけど、ほんとに、ちっちゃあい人よ。わたしの
肩
(
かた
)
ぐらい」
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
と、
清兵衛
(
せいべえ
)
を引き起こそうとするのを見た朝月は、いきなり
一人
(
ひとり
)
の
肩
(
かた
)
さきをくわえ、空中にほうり上げ、さらに
二人
(
ふたり
)
をけつぶした。
三両清兵衛と名馬朝月
(新字新仮名)
/
安藤盛
(著)
世間の噂では、「ロボの
頸
(
くび
)
に
金環
(
かなわ
)
がついている。」とか、また、「かれの
肩
(
かた
)
には
悪魔
(
あくま
)
の
仲間
(
なかま
)
である印として
逆
(
さかさ
)
十字の
斑点
(
はんてん
)
がある。」
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
叔母の
肩
(
かた
)
をば
揉
(
も
)
んでいる
中
(
うち
)
、夜も
大分
(
だいぶ
)
に
更
(
ふ
)
けて来たので、源三がつい
浮
(
うか
)
りとして
居睡
(
いねむ
)
ると、さあ恐ろしい
煙管
(
きせる
)
の
打擲
(
ちょうちゃく
)
を受けさせられた。
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
それは、茶いろの少しぼろぼろの
外套
(
がいとう
)
を
着
(
き
)
て、白い
巾
(
きれ
)
でつつんだ
荷物
(
にもつ
)
を、二つに分けて
肩
(
かた
)
に
掛
(
か
)
けた、
赤髯
(
あかひげ
)
のせなかのかがんだ人でした。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
プロムナアド・デッキの
手摺
(
てすり
)
に
凭
(
よ
)
りかかって海に
唾
(
つば
)
を
吐
(
は
)
いていると、うしろから
肩
(
かた
)
を
叩
(
たた
)
かれ、
振返
(
ふりかえ
)
ると
丸坊主
(
まるぼうず
)
になりたての柴山でした。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
わたしは親方の
肩
(
かた
)
に上って、屋根に
葺
(
ふ
)
いてあるえだたばの中を探してみた。二度も三度も
呼
(
よ
)
んでみた。けれどもなんの返事もなかった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
夕方、べつにする仕事も見つからなくて、寒い塾庭を一人でぶらついていると、大河無門がうしろからかれの
肩
(
かた
)
をたたいて言った。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
おつたは
稍
(
やゝ
)
褐色
(
ちやいろ
)
に
腿
(
さ
)
めた
毛繻子
(
けじゆす
)
の
洋傘
(
かうもり
)
を
肩
(
かた
)
に
打
(
ぶ
)
つ
掛
(
か
)
けた
儘
(
まゝ
)
其處
(
そこ
)
らに
零
(
こぼ
)
れた
蕎麥
(
そば
)
の
種子
(
み
)
を
蹂
(
ふ
)
まぬ
樣
(
やう
)
に
注意
(
ちうい
)
しつゝ
勘次
(
かんじ
)
の
横手
(
よこて
)
へ
立
(
た
)
ち
止
(
どま
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
ノッポは
光吉
(
こうきち
)
のあだ名だった。かれは
成績
(
せいせき
)
も級一番だが、
体格
(
たいかく
)
もだんぜんずばぬけていた。ちびの
内藤
(
ないとう
)
なぞは、かれの
肩
(
かた
)
くらいしかない。
美しき元旦
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
バッタが驚ろいた上に、枕の勢で飛び上がるものだから、おれの
肩
(
かた
)
だの、頭だの鼻の先だのへくっ付いたり、ぶつかったりする。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
日
(
ひ
)
に
燒
(
や
)
けて
旅
(
たび
)
をして
歩
(
ある
)
く
斯
(
こ
)
の
飴屋
(
あめや
)
さんは、
何處
(
どこ
)
か
遠
(
とほ
)
いところからかついで
來
(
き
)
た
荷
(
に
)
を
復
(
ま
)
た
肩
(
かた
)
に
掛
(
か
)
けて、
笛
(
ふえ
)
を
吹
(
ふ
)
き/\
出掛
(
でか
)
けました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
橋
(
はし
)
の
上
(
うへ
)
は
河
(
かは
)
の
上
(
うへ
)
の
此
(
こ
)
の
賑
(
にぎは
)
ひを
見
(
み
)
る
人達
(
ひとたち
)
で
仲見世
(
なかみせ
)
や
映画街
(
えいぐわがい
)
にも
劣
(
おと
)
らぬ
混雑
(
こんざつ
)
。
欄干
(
らんかん
)
にもたれてゐる
人達
(
ひとたち
)
は
互
(
たがひ
)
に
肩
(
かた
)
を
摺
(
す
)
れ
合
(
あは
)
すばかり。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
王子は、それを、
家来
(
けらい
)
たちにめいじて、
肩
(
かた
)
にかついではこばせました。ところが、まもなく、家来のひとりが、一本の木につまずきました。
白雪姫
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
が、すすり
泣
(
な
)
きはじめた
奧
(
おく
)
さんの
肩
(
かた
)
に
手
(
て
)
をかけると、また心をとり
直
(
なほ
)
しながら、力
強
(
つよ
)
く、
慰
(
なぐさ
)
めるやうにその耳元にささやいた。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
籐
(
とう
)
の
寝椅子
(
ねいす
)
に一人の
淡青色
(
たんせいしょく
)
のハアフ・コオトを着て、ふっさりと
髪
(
かみ
)
を
肩
(
かた
)
へ垂らした少女が
物憂
(
ものう
)
げに
靠
(
もた
)
れかかっているのを認め、のみならず
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
戸塚の三次は、何も言わずにズイとはいりこんで、パラリ、手拭を取りながら、そいつを
肩
(
かた
)
へ
載
(
の
)
っけて、じろりとお妙を見た。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
この
人
(
ひと
)
は
傑
(
すぐ
)
れた
才子
(
さいし
)
でありましたが
形恰好
(
なりかつこう
)
が
少
(
すこ
)
し
變
(
へん
)
で、
丈
(
せい
)
は
高
(
たか
)
く
肩
(
かた
)
が
突
(
つ
)
き
出
(
で
)
て、
見苦
(
みぐる
)
しかつたので、
人々
(
ひと/″\
)
が
笑
(
わら
)
つてゐました。
今昔物語:21 大江匡衡が歌をよむ話
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
その
車
(
くるま
)
には
小
(
ちい
)
さな男の子が
乗
(
の
)
っていました。男の子は
車
(
くるま
)
のみすを
肩
(
かた
)
にかついで、たいくつそうにきょろきょろ
外
(
そと
)
のけしきをながめていました。
一本のわら
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
肩
(
かた
)
や胸の歯形を
愉
(
たの
)
しむようなマゾヒズムの
傾向
(
けいこう
)
もあった。
壁
(
かべ
)
一重の隣家を
憚
(
はばか
)
って、
蹴上
(
けあげ
)
の旅館へ寺田を連れて行ったりした。
競馬
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
それと
知
(
し
)
れば
俄
(
にはか
)
に
肩
(
かた
)
すぼめられて
見
(
み
)
る
人
(
ひと
)
なければ
遽
(
あはたゞ
)
しく
片蔭
(
かたかげ
)
のある
薄暗
(
うすくら
)
がりに
車
(
くるま
)
も
我
(
われ
)
も
寄
(
よ
)
せて
憩
(
いこ
)
ひつ、
靜
(
しづ
)
かに
顧
(
かへり
)
みれば
是
(
こ
)
れも
笹原
(
さゝはら
)
走
(
はし
)
るたぐひ
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
果して、窓は開いて、ジナイーダが姿を見せた。白い服を着ていたが、彼女自身も、顔から
肩
(
かた
)
、そして両手まで、真っ白なほど青ざめていた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
近くの街の屋根瓦の
重畳
(
ちょうじょう
)
は、
躍
(
おど
)
って
押
(
お
)
し寄せるように見えて、一々は動かない。そして、うるさいほど
肩
(
かた
)
の数を
聳
(
そびや
)
かしている高層建築と大工場。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
七月七日は、
七夕
(
たなばた
)
に
因
(
ちな
)
み、
玉礀
(
ぎょっかん
)
の
暮鐘
(
ぼしょう
)
の絵を床に、
紹鴎
(
じょうおう
)
のあられ釜を
五徳
(
ごとく
)
にすえ、茶入れは、
初花
(
はつはな
)
の
肩
(
かた
)
つきが用いられた。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「へつ、
此
(
こ
)
の
弱蟲
(
よわむし
)
! そんなら
貴樣
(
きさま
)
らには、
何
(
なに
)
ができる。
此
(
こ
)
の
命知
(
いのちし
)
らず
奴
(
め
)
!」そして
肩
(
かた
)
をそびやかして
睨視
(
にら
)
めつけました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
草
(
くさ
)
の
中
(
なか
)
に
半身
(
はんしん
)
を
沒
(
ぼつ
)
して、
二人
(
ふたり
)
はいひ
爭
(
あらそ
)
つてゐた。
男
(
をとこ
)
は
激
(
はげ
)
しく
何
(
なに
)
かいひながら、
搖
(
ゆ
)
すぶるやうに
女
(
をんな
)
の
肩
(
かた
)
を
幾度
(
いくど
)
も
小突
(
こづ
)
いた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
逆にねじあげたら、その男の
肩
(
かた
)
の骨はたちまち
砕
(
くだ
)
けただろう。危い目に
逢
(
あ
)
っていたのは、妹でなくてその男だったのだ。殺すわけはないではないか
大力物語
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
そして、みんなで、腕と
肩
(
かた
)
とを組んで、長く一列にならんで、王子のお城のあるという海べへ浮びあがっていきました。
人魚の姫
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
越後の西北は
大洋
(
おほうみ
)
に
対
(
たい
)
して
高山
(
かうざん
)
なし。東南は
連山
(
れんざん
)
巍々
(
ぎゝ
)
として越中上信奥羽の五か国に
跨
(
またが
)
り、
重岳
(
ちようがく
)
高嶺
(
かうれい
)
肩
(
かた
)
を
並
(
なら
)
べて
数
(
す
)
十里をなすゆゑ大小の
獣
(
けもの
)
甚
(
はなはだ
)
多
(
おほ
)
し。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「
逃
(
に
)
げようなんて、そんなことは考えてませんよ。あっ、そんなに
肩
(
かた
)
をつっつかねえでくだせえ。おいら、いまに
傷
(
きず
)
だらけになってしまいますぜ」
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは、さも
不思議
(
ふしぎ
)
さうに
自分
(
じぶん
)
の
肩
(
かた
)
を
左顧右盻
(
とみかうみ
)
してゐました。『
可笑
(
をか
)
しな
時計
(
とけい
)
!』
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
つて
又
(
また
)
、『
日
(
ひ
)
が
解
(
わか
)
つて、それで
時
(
とき
)
が
解
(
わか
)
らないなンて!』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
定得意
(
ぢやうとくい
)
となし居る身の上なればお
常
(
つね
)
は
勿論
(
もちろん
)
忠
(
ちう
)
八が云事にても
背
(
そむ
)
く事なく主人の如くに
仕
(
つか
)
へ
毎日
(
まいにち
)
お
常
(
つね
)
の
肩
(
かた
)
など
揉
(
もみ
)
て
機嫌
(
きげん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
女
(
をんな
)
の
肩
(
かた
)
に
頬
(
ほヽ
)
をよせると、キモノの
花模様
(
はなもやう
)
が
涙
(
なみだ
)
のなかに
咲
(
さ
)
いたり
蕾
(
つぼ
)
んだりした、
白
(
しろ
)
い
花片
(
はなびら
)
が
芝居
(
しばゐ
)
の
雪
(
ゆき
)
のやうに
青
(
あほ
)
い
空
(
そら
)
へちら/\と
光
(
ひか
)
つては
消
(
き
)
えしました。
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
「ここは、とても
寒
(
さむ
)
いや。」と、少年は思って、もうなくなっているとは知らず、おかあさんの
肩
(
かた
)
にぼんやり
片手
(
かたて
)
をかけたまま、しばらく立っていた。
キリストのヨルカに召された少年
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
といって、林太郎の
肩
(
かた
)
をだいてやりました。と、林太郎はおきぬねえちゃんのからだへ、大きなおでこをおしつけて、うーん、うーんとむせびながら
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
髪
(
かみ
)
はひっつめに
結
(
ゆ
)
って、
黒
(
くろ
)
の
肩
(
かた
)
マントをしていらっしゃる、もうそれだけで、
先生
(
せんせい
)
を
敬
(
うやま
)
う
気持
(
きもち
)
がおこると一しょに、
先生
(
せんせい
)
がどことなく
好
(
す
)
きになるのです。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
食卓
(
テーブル
)
の
對端
(
むかふ
)
には、
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
他
(
ほか
)
三名
(
さんめい
)
の
水兵
(
すいへい
)
が
行儀
(
ぎようぎ
)
よく
列
(
なら
)
び、
此方
(
こなた
)
には、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
を
中
(
なか
)
に
挿
(
はさ
)
んで、
大佐
(
たいさ
)
と
私
(
わたくし
)
とが
右
(
みぎ
)
と
左
(
ひだり
)
に
肩
(
かた
)
を
並
(
なら
)
べて、
頓
(
やが
)
て
晩餐
(
ばんさん
)
は
始
(
はじ
)
まつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
彼は友人と
肩
(
かた
)
をたたいて談笑しつつ去ったが、おそらく彼の
脳髄
(
のうずい
)
はただ試験の答案をもってのみ
満
(
み
)
たされて、母の苦心に考えを向ける余地はなかったろう。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
肩
(
かた
)
を
怒
(
いか
)
らせ
炯々
(
けいけい
)
と眼を光らせた子路の姿が遠くから見え出すと、人々は孔子を
刺
(
そし
)
る口を
噤
(
つぐ
)
むようになった。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
身
(
み
)
の
丈
(
たけ
)
は七八
寸
(
すん
)
、
肩
(
かた
)
には
例
(
れい
)
の
透明
(
とうめい
)
な
羽根
(
はね
)
をはやして
居
(
お
)
りましたが、しかしよくよく
見
(
み
)
れば
顔
(
かお
)
は七十
余
(
あま
)
りの
老人
(
ろうじん
)
の
顔
(
かお
)
で、そして
手
(
て
)
に一
条
(
じょう
)
の
杖
(
つえ
)
をついて
居
(
お
)
りました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
さて
某
(
なにがし
)
は
僕
(
ぼく
)
を
從
(
したが
)
へ
我家
(
わがや
)
をさして
歸
(
かへ
)
る
途
(
みち
)
すがら
曩
(
さき
)
に
雲飛
(
うんぴ
)
が石を
拾
(
ひろ
)
つた川と
同
(
おなじ
)
流
(
ながれ
)
に
懸
(
かゝ
)
つて居る
橋
(
はし
)
まで來ると、
僕
(
ぼく
)
は
少
(
すこ
)
し
肩
(
かた
)
を
休
(
やす
)
める
積
(
つも
)
りで石を
欄干
(
らんかん
)
にもたせて
吻
(
ほつ
)
と
一息
(
ひといき
)
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
朝
(
あさ
)
須原峠の
嶮
(
けん
)
を
登
(
のぼ
)
る、
偶々
(
たま/\
)
行者三人の
来
(
きた
)
るに
逢
(
あ
)
ふ、身には幾日か
風雨
(
ふうう
)
に
晒
(
さら
)
されて
汚
(
けが
)
れたる白衣を
着
(
ちやく
)
し、
肩
(
かた
)
には
長
(
なが
)
き
珠数
(
じゆづ
)
を
懸垂
(
けんすゐ
)
し、三個の
鈴声
(
れいせい
)
歩
(
ほ
)
に従ふて
響
(
ひび
)
き
来
(
きた
)
る
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
投者の球正当の位置に来れりと
思惟
(
しい
)
する時は(すなわち球は本基の上を通過しかつ高さ
肩
(
かた
)
より高からず
膝
(
ひざ
)
より低くからざる時は)打者必ずこれを
撃
(
う
)
たざるべからず。
ベースボール
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
院長
(
いんちょう
)
は
肩
(
かた
)
を
縮
(
ちぢ
)
めて
溜息
(
ためいき
)
をしながら
出
(
で
)
て
行
(
ゆ
)
く、そうして
玄関
(
げんかん
)
の
間
(
ま
)
を
通
(
とお
)
りながら、ニキタに
向
(
むか
)
って
云
(
い
)
うた。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
与平はシャツを着て、着物を
肩
(
かた
)
に羽織ると、
炉端
(
ろばた
)
に上って
安坐
(
あぐら
)
を組んで
煙草
(
たばこ
)
を吸った。人が変ったように千穂子が
今朝
(
けさ
)
戻
(
もど
)
って来てからと云うもの、むっつりしている。
河沙魚
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
“肩”の意味
《名詞》
(かた)うでの胴体に付く関節の上の箇所。
(出典:Wiktionary)
“肩”の解説
肩(かた、英:shoulder)とは、
人の腕が胴体に接続する部分の上部、
および、そこから首の付け根にかけての部分
。
動物の前肢や翼が胴体に接続する部分の上部。
(出典:Wikipedia)
肩
常用漢字
中学
部首:⾁
8画
“肩”を含む語句
肩掛
肩胛骨
双肩
肩巾
肩胛
肩衣
撫肩
肩章
肩越
両肩
肩上
此肩
肩輿
左肩
肩肘
左肩胛骨
肩揚
肩幅
一肩
弱肩
...