かた)” の例文
旧字:
一処ひとところかたまるから、どの店も敷物の色ばかりで、枯野にした襁褓むつき光景ありさま、七星の天暗くして、幹枝盤上かんしはんじょうに霜深し。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
女の死体の半焦げになった傍に小さな一かたまりの消炭のような物を置いてある所があった。私はそれは女の負ぶっていた子供の死体であろうと思った。
死体の匂い (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
杉を磨いた丸柱の前にかたまって、移庁論の影弁慶が、南部だとか北部だとか、鮭の鑑定でもないことを云って居るのがあれば、その後をめぐえん欄干らんかんもたれかゝって
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)