“団十郎”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
だんじゅうろう55.6%
なりたや16.7%
くだいめ16.7%
ししょう5.6%
だんじふらう5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
また時々は夫人に芝居しばい見物をすすめて、『歌舞伎座かぶきざ団十郎だんじゅうろう、たいそう面白いと新聞申します。あなた是非に参る、と、話のお土産』
事もなげに舞台の奥へ引き揚げていった主水之介を見てとるや、楽屋姿のまま飛び出して、拝まんばかりに迎えたのは団十郎なりたやでした。
白銀のような白髪をオールバックに撫でつけ、団十郎くだいめ張りのハリのある眼に柔和な光を湛え、膝に握り拳を置いてゆったりと語り続けるのである。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
九女八は、一木一石といったふうの団十郎ししょううちの庭に、鷺草が、今日も、この雨に、しっとりとれているだろう風情ふぜいを、思うのだった。
市川九女八 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
大叔父は所謂いはゆる大通だいつうの一人で、幕末の芸人や文人の間に知己の数が多かつた。河竹黙阿弥かはたけもくあみ柳下亭種員りうかていたねかず善哉庵永機ぜんざいあんえいき、同冬映とうえい九代目くだいめ団十郎だんじふらう宇治紫文うぢしぶん都千中みやこせんちゆう乾坤坊良斎けんこんばうりやうさいなどの人々である。
孤独地獄 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)