団十郎ししょう)” の例文
九女八は、一木一石といったふうの団十郎ししょううちの庭に、鷺草が、今日も、この雨に、しっとりとれているだろう風情ふぜいを、思うのだった。
市川九女八 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
と、そう思うかげに、ながい間役者をしたが、とうとう、団十郎ししょうと一つ舞台に並べなかったという、何時も悲しむさびしさが、心の奥を去来していた。
市川九女八 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
芸は修業だから出もしたし、それに文士方の新史劇の方は、——史劇は団十郎ししょうも気を入れていたのだもの。
市川九女八 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)