かた)” の例文
といひて内侍の方へ思入おもいいれあり「かたり取つたる荷物の内に、うやうやしき高位の絵姿、弥助がつらに」といひかけ「あなたのお顔に生きうつし」と云替へ
術士化け来って、その指環をかたり取ると、ミネカニエロまた老人となり、指環を取り戻さんと鼠が住む深穴国に至る。鼠ども術士の指をんで環をミ翁にかえす。
権太の苦心の水泡となりしは、作者の懐ける因果応報主義を発表せしものにて「思へばこれまでかたつたも、後は命をかたらるゝ種と知らざる浅間しや」
維盛が晋の予譲よじょう云々といふ詞にて上手を向き「及ばぬ智恵で梶原を、たばかつたと思つたが、あつちは何にも皆合点、思へばこゝまでかたつたも、後は命をかたらるゝ」といひかけ「あゝ/\」と苦む。