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剛
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かた
ふりがな文庫
“
剛
(
かた
)” の例文
今後の男
伊達
(
だて
)
は決して
威張
(
いば
)
り一方では用をなさぬ。内心
剛
(
かた
)
くして外部に
柔
(
やわ
)
らかくなくてはならぬ。むかしの賢者も教えて
曰
(
いわ
)
く
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
内に黒く
剛
(
かた
)
い、しかし外に灰銀の柔かな、平滑な光の面、面は縦に大きく
円
(
まろ
)
く、極めて薄手の幅を持って、その両面が
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
ある元子はその複雑な形状のために互いに引っ掛かって結合して
剛
(
かた
)
い物を造るが、あるものは反発して柔らかい物質となりあるいは全然離れ合ってしまう。
ルクレチウスと科学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
本より末に至るに随ひ漸く其間
蹙
(
しゞ
)
まり、竹の育ちすらりとして捩れも無く癖も無く、特に穂竿の
剛
(
かた
)
からず弱からずして
靭
(
しな
)
やかに能く耐ふる力の八方に同じきなど
鼠頭魚釣り
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
肩にあつまる薄紅の衣の
袖
(
そで
)
は、胸を過ぎてより豊かなる
襞
(
ひだ
)
を描がいて、裾は強けれども
剛
(
かた
)
からざる線を三筋ほど
床
(
ゆか
)
の上まで引く。ランスロットはただ
窈窕
(
ようちょう
)
として眺めている。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
気が付いて見ると、手先はぶるぶると
顫
(
ふる
)
えブラシをちゃんと持つにも骨が折れたが、
併
(
しか
)
しブラシの
剛
(
かた
)
い毛で髪を
梳
(
す
)
いてゆく
中
(
うち
)
に彼女は次第に心が落付いて行くのを感ずるのだった。
目撃者
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
五六歩歩くと、智恵子の柔かな手に、男の手の甲が、
木
(
こ
)
の葉が落ちて
触
(
さは
)
る程軽く触つた。寒いとも温かいともつかぬ、
電光
(
いなづま
)
の様な感じが智恵子の脳を掠めて、体が自ら
剛
(
かた
)
くなつた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
彼は「時」に
欺
(
あざむ
)
かれ尽くして
古時
(
いにしへ
)
を思ひ、これは「時」に弄せらるゝを知らずして空望を懸く。気
盈
(
み
)
ち骨
剛
(
かた
)
きものすら多くは「時」の潮流に巻かれて、五十年の星霜
急箭
(
きふせん
)
の飛ぶが如くに過ぐ。
徳川氏時代の平民的理想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
ところが、その時には、丘にも谷間にも豚群が呻き騒いで、
剛
(
かた
)
い鼻さきで土を掘りかえしたり、無鉄砲に馳せまわったりしていた。豚は一見無神経で、すぐにも池か溝かに落ち込みそうだった。
豚群
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
葉片
(
ようへん
)
は心臓状卵形で
尖
(
とが
)
り、
葉縁
(
ようえん
)
に
針状歯
(
しんじょうし
)
があり、
花後
(
かご
)
にはその
葉質
(
ようしつ
)
が
剛
(
かた
)
くなる。かく
小葉
(
しょうよう
)
が一
葉
(
よう
)
に九
片
(
へん
)
あるので、それで中国でこの草を三
枝
(
し
)
九
葉草
(
ようそう
)
というのだが、
淫羊藿
(
いんようかく
)
というのがその本名である。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
珊瑚の小枝は是れよりも
剛
(
かた
)
く
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
尼僧の面会窓がある。さながら
牢屋
(
ろうや
)
を思わせるような厳重な鉄の格子には、
剛
(
かた
)
く冷たくとがった
釘
(
くぎ
)
が植えてあった。この格子の内は、どうしても中世紀の世界であるような気がした。
旅日記から
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
足乗せぬ
鐙
(
あぶみ
)
は手持無沙汰に太腹を打って宙に躍る。この時何物か「南の国へ行け」と鉄
被
(
き
)
る
剛
(
かた
)
き手を挙げて馬の尻をしたたかに打つ。「呪われた」とウィリアムは馬と共に
空
(
くう
)
を行く。
幻影の盾
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“剛”の解説
剛(ごう)は、漢姓の一つ。
(出典:Wikipedia)
剛
常用漢字
中学
部首:⼑
10画
“剛”を含む語句
金剛石
金剛山
剛勇
粗剛
黄色金剛石
剛毅
剛愎
金剛杖
剛腹
剛直
剛毛
剛者
執金剛神
大獅子金剛宝
手剛
剛情
金剛
剛力
剛気
金剛不壊
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