かた)” の例文
霎時しばらく聞かせたまへ。我今かりかたちをあらはしてかたるといへども、神にあらず仏にあらず、もと一〇五非情ひじやうの物なれば人と異なるこころあり。
何時いつの頃のことであらうぞ、と感歎したのであるから、私は敢て「巴山夜雨の時をかたるべき」と読みたく思ふのである。
閑人詩話 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
門並に延寿のかたるやかましさ (主水)
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
一六一此の浦回うらわの波に身を投げしことを、世の哀れなるためしとて、いにしへの人は歌にもよみ給ひてかたり伝へしを、翁がをさなかりしときに、母のおもしろくかたり給ふをさへ
私はこれを「いつまさに共に西牕の燭をりて、かへつて巴山夜雨の時をかたるべき」と読む。
閑人詩話 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
卻話巴山夜雨時 却つて巴山夜雨の時をかたるべきか。
閑人詩話 (新字旧仮名) / 河上肇(著)