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堅
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かた
ふりがな文庫
“
堅
(
かた
)” の例文
「きっと、
先生
(
せんせい
)
におあいにまいります。」と、お
約束
(
やくそく
)
をしたのです。すると、そのとき、
先生
(
せんせい
)
は
年子
(
としこ
)
の
手
(
て
)
を
堅
(
かた
)
くお
握
(
にぎ
)
りなさいました。
青い星の国へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ぶたい花みちは雪にて作りたる上に板をならぶる、此板も一夜のうちに
冰
(
こほり
)
つきて
釘付
(
くぎづけ
)
にしたるよりも
堅
(
かた
)
し。
暖
(
だん
)
国に
比
(
くらぶ
)
れば
論
(
ろん
)
の
外
(
ほか
)
なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
るりをしきつめた
道
(
みち
)
をとおって、さんごで
飾
(
かざ
)
った
玄関
(
げんかん
)
を
入
(
はい
)
って、めのうで
堅
(
かた
)
めた
廊下
(
ろうか
)
を
伝
(
つた
)
わって、
奥
(
おく
)
の
奥
(
おく
)
の
大広間
(
おおひろま
)
へとおりました。
田原藤太
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
床
(
とこ
)
にも
座敷
(
ざしき
)
にも
飾
(
かざり
)
といつては
無
(
な
)
いが、
柱立
(
はしらだち
)
の
見事
(
みごと
)
な、
畳
(
たゝみ
)
の
堅
(
かた
)
い、
炉
(
ろ
)
の
大
(
おほい
)
なる、
自在鍵
(
じざいかぎ
)
の
鯉
(
こひ
)
は
鱗
(
うろこ
)
が
黄金造
(
こがねづくり
)
であるかと
思
(
おも
)
はるる
艶
(
つや
)
を
持
(
も
)
つた
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
キッコはもうあんまりびっくりして顔を赤くして
堅
(
かた
)
くなってだまっていましたら先生がまた「さあできたら
寄
(
よ
)
せ算をして下さい。」
みじかい木ぺん
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
▼ もっと見る
で、
私
(
わたくし
)
は
堅
(
かた
)
く
信
(
しん
)
じています。もし
来世
(
らいせい
)
が
無
(
な
)
いとしたならば、その
時
(
とき
)
は
大
(
おお
)
いなる
人間
(
にんげん
)
の
智慧
(
ちえ
)
なるものが、
早晩
(
そうばん
)
これを
発明
(
はつめい
)
しましょう。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
呼
(
よび
)
右の話をなしたるに上方の衆は關東者と
違
(
ちが
)
ひ
念
(
ねん
)
を
入
(
いれ
)
候へば物を
堅
(
かた
)
くする心ならんとて松葉屋桐屋共に
立出
(
たちいで
)
對面
(
たいめん
)
に及びしかば大金を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
奇麗に結った日本髪の
堅
(
かた
)
くふくれた髷が白っとぼけた様な光線につめたく光って束髪に差す様な
櫛
(
くし
)
が髷の上を越して見えて居た。
千世子(二)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
俄盲目
(
にはかめくら
)
で
感
(
かん
)
が
悪
(
わ
)
るいけれども、
貰
(
もら
)
つた
手拭
(
てぬぐひ
)
で
傷
(
きず
)
を
二重
(
ふたへ
)
ばかり
巻
(
ま
)
いて、ギユツと
堅
(
かた
)
く
緊
(
し
)
めますと、
薬
(
くすり
)
の
効能
(
かうのう
)
か
疼痛
(
いたみ
)
がバツタリ止まりました。
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
すると
男
(
おとこ
)
も
至
(
いた
)
って
志繰
(
こころ
)
の
確
(
たし
)
かな、
優
(
やさ
)
さしい
若者
(
わかもの
)
で、
他
(
ほか
)
の
女
(
おんな
)
などには
目
(
め
)
もくれず、
堅
(
かた
)
い
堅
(
かた
)
い
決心
(
けっしん
)
をして
居
(
い
)
ることがよく
判
(
わか
)
りました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
それでも
狡獪
(
かうくわい
)
な
雀
(
すゞめ
)
の
爲
(
ため
)
に
籾
(
もみ
)
のまだ
堅
(
かた
)
まらないで
甘
(
あま
)
い
液汁
(
しる
)
の
如
(
ごと
)
き
状態
(
じやうたい
)
をなして
居
(
ゐ
)
る
内
(
うち
)
から
小
(
ちひ
)
さな
嘴
(
くちばし
)
で
噛
(
か
)
んで
夥
(
したゝ
)
かに
籾殼
(
もみがら
)
が
滾
(
こぼ
)
された。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「爆弾にしては、少し
堅
(
かた
)
すぎるやうに思ふが、爆発さすべき性質のものなら、あの真鍮の口から三千度の火熱なぞ吹く筈はないんだがな。」
フアイヤ・ガン
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
みごとなともえ
投
(
な
)
げの
大業
(
おおわざ
)
一
本
(
ぽん
)
。モンクスのからだは空中でぐるッと一回転すると、だーんとあおむけにたたきつけられた。
堅
(
かた
)
い板の間だ。
柔道と拳闘の転がり試合
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
奉公をしようと云ったって
請人
(
うけにん
)
というものが無けりゃあ
堅
(
かた
)
い良い
家
(
うち
)
じゃあ置いてくれやしないし、他人ばかりの中へ出りゃあ
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
何
(
いず
)
れは何処かへ身を
堅
(
かた
)
めなくちゃならないんだけど……そういうことについて、別に相談する所も、親身になって下さる所もないのでしょう。
女の一生
(新字新仮名)
/
森本薫
(著)
わが今視し物をよくさとらむとねがふ人は、心の中に描きみよ(しかしてわが語る間、その描ける物を
堅
(
かた
)
き
巖
(
いはほ
)
の如くに
保
(
たも
)
て)
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
堅
(
かた
)
い
靴
(
くつ
)
でおれの背中の上へ乗った奴がある。両手と膝を突いて下から、
跳
(
は
)
ね起きたら、乗った奴は右の方へころがり落ちた。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
積った雪は
堅
(
かた
)
く
凍
(
こお
)
りついてともすればすってんころりんところばねばならぬ。折々、満州おろしが、雪交りの砂を遠慮なく顔や脚に
叩
(
たた
)
きつける。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
「
女子
(
おなご
)
の口から言いだしたこと。わたしも、ひっこみがつきませぬ。源様、そうお
堅
(
かた
)
いことをおっしゃらずとも、よろしいではございませんか」
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
されば
奧方
(
おくがた
)
の
町子
(
まちこ
)
おのづから
寵愛
(
てうあい
)
の
手
(
て
)
の
平
(
ひら
)
に
乘
(
の
)
つて、
強
(
あなが
)
ち
良人
(
おつと
)
を
侮
(
あなど
)
るとなけれども、
舅
(
しうと
)
姑
(
しうとめ
)
おはしまして
萬
(
よろ
)
づ
窮屈
(
きうくつ
)
に
堅
(
かた
)
くるしき
嫁
(
よめ
)
御寮
(
ごりよう
)
の
身
(
み
)
と
異
(
こと
)
なり
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さうしてこの
水田
(
すいでん
)
の
東西南
(
とうざいなん
)
の
三方
(
さんぽう
)
は
比較的
(
ひかくてき
)
に
堅
(
かた
)
い
地盤
(
ぢばん
)
を
以
(
もつ
)
て
圍
(
かこ
)
まれてゐる。かういふ
構造
(
こうぞう
)
の
地盤
(
ぢばん
)
であるから、
地震
(
ぢしん
)
も
比較的
(
ひかくてき
)
に
烈
(
はげ
)
しかつたであらう。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
といつて、
例
(
れい
)
の
車
(
くるま
)
をさし
寄
(
よ
)
せると、
不思議
(
ふしぎ
)
にも
堅
(
かた
)
く
閉
(
とざ
)
した
格子
(
こうし
)
も
土藏
(
どぞう
)
も
自然
(
しぜん
)
と
開
(
あ
)
いて、
姫
(
ひめ
)
の
體
(
からだ
)
はする/\と
出
(
で
)
ました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
恐ろしくなりて急ぎ家に帰り入り、門の戸を
堅
(
かた
)
く
鎖
(
とざ
)
して
打
(
う
)
ち
潜
(
ひそ
)
みたれども、夜通し狼の家をめぐりて吠ゆる声やまず。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「
堪忍
(
かんにん
)
しておくんなさい。
道
(
みち
)
ッ
端
(
ぱた
)
ではお
目
(
め
)
にかけねえようにと、こいつァ
妹
(
いもうと
)
からの、
堅
(
かた
)
い
頼
(
たの
)
みでござんすので。……」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
六
月目
(
つきめ
)
が
過
(
す
)
ぎると、
杜松
(
ねず
)
の
実
(
み
)
は
堅
(
かた
)
く、
肉
(
にく
)
づいて
来
(
き
)
ましたが、
女
(
おんな
)
はただ
静
(
じっ
)
として
居
(
い
)
ました。七
月
(
つき
)
になると、
女
(
おんな
)
は
杜松
(
ねず
)
の
実
(
み
)
を
落
(
おと
)
して、しきりに
食
(
た
)
べました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
属名の Lithospermum は石の
種子
(
しゅし
)
の意で、この属の果実が、石のように
堅
(
かた
)
い種子のように見えるから、それでこんな字を用いたものだ。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
議論好で、
堅
(
かた
)
意地で、どうしても負けないぞといふ根性が深い。さういふ人の姿が、燒土にしつかりとまきついて離れない蔓草にも想ひ見る事が出來た。
山を想ふ
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
「決して仲が好いとは申されませんでした。市太郎は
堅
(
かた
)
い良い男ですが、商売熱心で地味で、——若い娘などに好かれる男ではございません、——でも」
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
『
來年
(
らいねん
)
はこれよりも
美
(
うつ
)
くしい
初日
(
はつひ
)
の
出
(
で
)
を
拜
(
をが
)
みたいものだ。』と
言
(
い
)
つた
言葉
(
ことば
)
、
其言葉
(
そのことば
)
を
堅
(
かた
)
く
覺
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
て、
其精神
(
そのせいしん
)
を
能
(
よ
)
く
味
(
あぢ
)
はうて、
年
(
とし
)
と
共
(
とも
)
に
希望
(
きばう
)
を
新
(
あら
)
たにし
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
崖端のロマネスクの休亭は
古城塞
(
こじょうさい
)
のように視覚から遠ざかって、これ一つ周囲と調子外れに
堅
(
かた
)
いものに見えた。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
御覽
(
ごらん
)
、
私
(
わたし
)
の
蔕
(
へた
)
の
堅
(
かた
)
いこと。まるで
竹
(
たけ
)
の
根
(
ね
)
のやうです。これをお
前
(
まへ
)
さんの
兄
(
にい
)
さんのところへ
持
(
も
)
つて
行
(
い
)
つて、この
裏
(
うら
)
の
平
(
たひ
)
らなところへ
何
(
なに
)
か
彫
(
ほ
)
つてお
貰
(
もら
)
ひなさい。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
逸早
(
いちはや
)
く、駈けつけて、岡崎の諸門を
堅
(
かた
)
めていた
譜代
(
ふだい
)
の者に迎えられると、それらの多年手塩にかけて来た
面々
(
めんめん
)
の顔が、いつもより数倍も、
頼
(
たの
)
もしく見えた。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
堅
(
かた
)
い
地伏
(
ぢふく
)
の上に立てられた、がっしりした大きなお宮である。お宮のそとには大きなけやきの木がそびえたっている。その
大木
(
たいぼく
)
の上の
枝
(
えだ
)
は天をおおっている。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
『そ、そんなに
強
(
つよ
)
いのですか。』と
彌次馬
(
やじうま
)
の
士官
(
しくわん
)
水兵
(
すいへい
)
は
吾
(
われ
)
も/\とやつて
來
(
き
)
たが、
成程
(
なるほど
)
武村
(
たけむら
)
の
脛
(
すね
)
は
馬鹿
(
ばか
)
に
堅
(
かた
)
い、
皆
(
みな
)
一撃
(
いちげき
)
の
下
(
もと
)
に
押倒
(
おしたを
)
されて、
痛
(
いた
)
い/\と
引退
(
ひきさが
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
それまでの間は、手前らの黒丸は
堅
(
かた
)
パン一つほどの値打もねえんだ。それがすんでから、考えるとしよう。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
或は他の石片を
槌
(
つち
)
として
直
(
ただ
)
ちに
其周縁
(
そのまわり
)
を
打
(
う
)
ち
缺
(
か
)
き或は
骨角
(
こつかく
)
の如き
堅
(
かた
)
き物にて、作れる長さ數寸の
棒
(
ばう
)
の一端を、石斧とすべき石片の一部分に
當
(
あ
)
て、此棒の
他端
(
たたん
)
をば
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
乳母
御家來
(
ごけらい
)
は
口
(
くち
)
の
堅
(
かた
)
いお
人
(
ひと
)
かいな?
二人
(
ふたり
)
ぎりの
祕密
(
ひみつ
)
は
洩
(
も
)
れぬ、三
人目
(
にんめ
)
が
居
(
を
)
らねば、と
言
(
い
)
ひますぞや。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
堅
(
かた
)
そうで痛そうであった。自分は変に不愉快に思った。疲れ切ってもいた。一つには今日の
失敗
(
しくじ
)
り方が余りひど過ぎたので、自分は反抗的にもなってしまっていた。
泥濘
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
「新太郎はあゝいう
堅
(
かた
)
い子ですが、その娘さんを貰いたいとか何とかとお前に言いはしなかったの?」
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
その花の名をわたしは知らないけれど子供たちには
馴染
(
なじみ
)
の深い花である。それは小さな袋の形をした花で、それで何か
堅
(
かた
)
いものを叩くと、ぽんぽんはじけ返るのであった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
ところが、
人間
(
にんげん
)
が
青銅
(
せいどう
)
を
使
(
つか
)
つてゐる
間
(
あひだ
)
に、
鐵
(
てつ
)
の
方
(
ほう
)
が
銅
(
どう
)
よりも
堅
(
かた
)
くて
刃物
(
はもの
)
などにはつごうの
好
(
よ
)
いことを
知
(
し
)
つて
來
(
き
)
たので、
遂
(
つひ
)
に
青銅
(
せいどう
)
に
代
(
かは
)
つて
鐵
(
てつ
)
が
用
(
もち
)
ひられるようになりました。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
あなたの
傍
(
そば
)
のデッキ・チェアに
坐
(
すわ
)
り直してはみましたが、やはり、
烈
(
はげ
)
しい
羞恥
(
しゅうち
)
にいじかんだような、
堅
(
かた
)
いあなたの
容子
(
ようす
)
をみていると、ぼくも同様あがってしまい、その
癖
(
くせ
)
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
ただ
堅
(
かた
)
い一方と思えるものが案外弱いところもあるというのは
天性
(
てんせい
)
両面を備うるのである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「おい、
寢
(
ね
)
ちやあ
危
(
あぶな
)
いぞ‥‥」と、
私
(
わたし
)
は
度毎
(
たびごと
)
にハラハラして
彼
(
かれ
)
の
脊中
(
せなか
)
を
叩
(
たた
)
き
著
(
つ
)
けた。が、
瞬間
(
しゆんかん
)
にひよいと
氣
(
き
)
が
附
(
つ
)
いて
足元
(
あしもと
)
を
堅
(
かた
)
めるだけで、また
直
(
す
)
ぐにひよろつき
出
(
だ
)
すのであつた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
「全体、狐ッて奴は、穴一つじゃねえ。きつと何処にか
抜穴
(
ねけあな
)
を付けとくって云うぜ。
一方口
(
いっぽうぐち
)
ばかし
堅
(
かた
)
めたって、知らねえ
中
(
うち
)
に、裏口からおさらばをきめられちゃ、いい面の皮だ。」
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
又婦人を当て込んだ某社の『
姥鶏
(
うばとり
)
著作集』と、某会の『
堅
(
かた
)
い
果実
(
かじつ
)
大系』なども競争の共倒れで、儲けたのは諸新聞社の営業部だけであった、結局甲は雛鳥の如くヒヨ/\の悲鳴を挙げ
一円本流行の害毒と其裏面談
(新字新仮名)
/
宮武外骨
(著)
あたしの
申上
(
まをしあ
)
げる
事
(
こと
)
を
合点
(
がてん
)
なさりたくば、まづ、ひとつかういふ
事
(
こと
)
を
御承知
(
ごしようち
)
願
(
ねが
)
ひたい。
白
(
しろ
)
の
頭巾
(
づきん
)
に
頭
(
あたま
)
を
裹
(
つゝ
)
んで、
堅
(
かた
)
い
木札
(
きふだ
)
をかた、かた、いはせる
奴
(
やつ
)
めで
御座
(
ござ
)
るぞ。
顔
(
かほ
)
は
今
(
いま
)
どんなだか
知
(
し
)
らぬ。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
数日の食糧を
携
(
たづさ
)
へて
入
(
い
)
るも中途に
餓死
(
がし
)
せんのみ、
請
(
こ
)
ふ今夜此地に
露宿
(
ろしゆく
)
し、明朝出立二日間位の食糧を
携
(
たづさ
)
へて水源
探究
(
たんきう
)
に
赴
(
おもむ
)
き、而して
再
(
ふたた
)
び当地に帰らんのみと、人夫等異口同音
堅
(
かた
)
く此説を
取
(
と
)
る
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
私の
過去
(
くわこ
)
の罪科の跡を彼の心から
擦
(
す
)
り消さうと切に願つてゐたのに、その
堅
(
かた
)
い表面に、私は更に新しい、そしてもつとずつと深い
捺印
(
おしいん
)
を押してしまつた。私はそれを
灼
(
や
)
きつけてしまつたのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
それは
例
(
たと
)
へば
堂塔
(
だうたふ
)
伽藍
(
がらん
)
を
造
(
つく
)
る
場合
(
ばあひ
)
に、
巨大
(
きよだい
)
なる
重
(
おも
)
い
屋根
(
やね
)
を
支
(
さゝ
)
へる
必要上
(
ひつえうじやう
)
、
軸部
(
ぢくぶ
)
を
充分
(
じうぶん
)
に
頑丈
(
ぐわんぜう
)
に
組
(
く
)
み
堅
(
かた
)
めるとか、
宮殿
(
きうでん
)
を
造
(
つく
)
る
場合
(
ばあひ
)
に、その
格式
(
かくしき
)
を
保
(
たも
)
ち、
品位
(
ひんゐ
)
を
備
(
そな
)
へるために、
優良
(
いうれう
)
なる
材料
(
ざいれう
)
を
用
(
もち
)
ひ
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
“堅”の解説
堅(けん)は、漢姓の一つ。
(出典:Wikipedia)
堅
常用漢字
中学
部首:⼟
12画
“堅”を含む語句
堅気
堅固
堅牢
中堅
堅苦
堅硬
堅塩
根堅洲国
堅田
堅造
物堅
堅木
久堅町
堅蔵
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義理堅
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堅實
...