トップ
>
確
>
かた
ふりがな文庫
“
確
(
かた
)” の例文
先生は
確
(
かた
)
く信じてゐる。さうして此の信仰が、先生の作品をして荒唐無稽な物語に
陷
(
おちい
)
らしめず、吾々の想像が描出し得る神祕境を披瀝するのである。
貝殻追放:017 泉鏡花先生と里見弴さん
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
記し終りて
確
(
かた
)
く
封
(
ふう
)
じ枕元なる
行燈
(
あんどう
)
の臺に
乘置
(
のせおき
)
稍
(
やゝ
)
しばし又も
泪
(
なんだ
)
に暮たりしが斯ては果じ我ながら
未練
(
みれん
)
の泪と氣を
取直
(
とりなほ
)
し袖もて
拭
(
ぬぐ
)
ひ立上り母の
紀念
(
かたみ
)
の
懷劍
(
くわいけん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
いつかまた、馬霊教が世に出ると——
確
(
かた
)
く信じていて、あの
奇異
(
ふしぎ
)
な力が日に増し加わってゆくのでございますわ。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
気がついてみると、復一は両肘を
蹲
(
しゃが
)
んだ
膝頭
(
ひざがしら
)
につけて、
確
(
かた
)
く
握
(
にぎ
)
り合せた両手の指の節を更に口にあててきつく噛みつつ、
衷心
(
ちゅうしん
)
から祈っているのであった。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
處女
(
をとめ
)
なる母わが子の
女
(
むすめ
)
、
被造物
(
つくられしもの
)
にまさりて己を低くししかして高くせらるゝ者、
永遠
(
とこしへ
)
の
聖旨
(
みむね
)
の
確
(
かた
)
き
目的
(
めあて
)
よ 一—三
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
▼ もっと見る
火事の起こったのは粗相であろうし、本当に山影宗三郎様は、浅間の社地で太郎丸の徒党に、取り囲まれているに相違ないと、
確
(
かた
)
く信じているのであった。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
最初の計画を
確
(
かた
)
く守って、
唖者
(
あしゃ
)
の如く口をつぐんだまま、遂に一言も物を云おうとはしませんでした。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
確
(
かた
)
く信じながらも、最後の一寸した
躓
(
つまず
)
きのために、ハッキリと断言することが出来ないでいるのだ。
鱗粉
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
そうなったからと言ッて
此方
(
こっち
)
は何も
確
(
かた
)
い約束がして有るんでないから、
否
(
いや
)
そうは成りませんとも言われない……
嗚呼
(
ああ
)
つまらんつまらん、
幾程
(
いくら
)
おもい直してもつまらん。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
佃と生活できないと決心してから、伸子は、自分の精神と肉体とで得た経験をいたずらにしまいと
確
(
かた
)
く覚悟していた。ただの不幸や失敗には終らせまい覚悟であった。
伸子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
確
(
かた
)
く信じて疑わず、身を処すること一にこの主義のごとくなるを
得
(
う
)
る人々にとっては,かくのごとき主義をもって計画された社会制度が最上の組織でありうるけれども
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
白骨と為って後までも宝庫の鍵を
確
(
かた
)
く持ち、爾して髑髏の目を凹まして此の入口に見張って居るとは、宝に奇妙な因縁の生まれでは有ると、余は感慨に堪えぬ想いがした。
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
病院の建物は事実かなり昔に建てられたものではあったが、彼はそれをピョートル大帝の造営であると考え、帝がポルタヴァの役の当時に住まわれたものと
確
(
かた
)
く信じていた。
紅い花
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
泉原は女の不貞な仕打を憎んではいるけれども、そのような事になったのは彼女の虚栄からホンの出来心でやった事で、決して心から悪い女ではなかったと、今でも
確
(
かた
)
く信じている。
緑衣の女
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
少年は未来のことを
確
(
かた
)
く信じていますが、パトラッシュはさすがに犬ですから、現在うまい肉の御馳走にありつけないことには、将来にどんなたくさんの御馳走を思い浮べてみても
フランダースの犬
(新字新仮名)
/
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー
(著)
イエスの自覚を固めるとともに弟子たちの信仰を
確
(
かた
)
くせられたのです(九の七)。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
されば「
質
(
かた
)
」とは後に実行さるべき事を今
確
(
かた
)
く約する所の確証である。十七章三節のヨブの
願
(
ねがい
)
は、彼の死後において神が彼の無罪を証明する約束の確証を今賜わらんことを願うのである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
これは諸君の力に
俟
(
ま
)
つこと大なりと思う。英気
勃々
(
ぼつぼつ
)
たる諸君の顔色に触れてみると、そういう勇気を持って居るのに相違ないと
確
(
かた
)
く信ずる。今日は諸君が勉強をするところの始めの日である。
始業式に臨みて
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
千恵はさうした気性をお母さまから受けついで、そればかりかその善いことを
確
(
かた
)
く信じさへして、おかげで少女時代を快活に満ち足りて過ごしてまゐりました。幸福に——とさへ言つていいでせう。
死児変相
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
私は度々毛沼博士邸にいた婆やに会って、その真実性を確かめた。婆やが
確
(
かた
)
く証言する所によると、扉は間違いなく内側から鍵がかかっていたのだった。窓も勿論みんな内側から締りがしてあった。
血液型殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
國民
(
こくみん
)
の
幸福
(
かうふく
)
を
圖
(
はか
)
ることが
出來
(
でき
)
るものと
確
(
かた
)
く
信
(
しん
)
じて
疑
(
うたが
)
はぬのである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
「どうしてそんな
確
(
かた
)
い口がきけるの、ジエィン・エア。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「
確
(
かた
)
く信じまする」
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ああまで
確
(
かた
)
く云うからは兄さんの謀反は
決定
(
きわま
)
った! 妹の
妾
(
わたし
)
が恐ろしく、仲間の家を泊まり歩き、妾に逢うまい逢うまいとして、今日まで逃げ隠れしていた事も
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
望みとは未來の榮光の
確
(
かた
)
き期待にて、かゝる期待は神の
恩惠
(
めぐみ
)
と先立つ功徳より生ず 六七—六九
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
おっつけ殿からの
使者
(
つかい
)
が来て、
芽出度
(
めでた
)
く帰参が適うものと、
確
(
かた
)
く信じて居るからでござるよ
村井長庵記名の傘
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
“確”の意味
《形容動詞》
(カク) 確かであるさま。はっきりしているさま。
《形容動詞》
(しかと、しっかと) 確かであるさま。はっきりしているさま。
(しっか-り) 確かであるさま。
(出典:Wiktionary)
確
常用漢字
小5
部首:⽯
15画
“確”を含む語句
確乎
確然
的確
確固
明確
正確
確的
確證
確証
不確
確実
確執
確信
確率
適確
精確
確定
不正確
確實
確認
...