トップ
>
緊
>
かた
ふりがな文庫
“
緊
(
かた
)” の例文
寛文
(
かんぶん
)
十一年の正月、
雲州
(
うんしゅう
)
松江
(
まつえ
)
祥光院
(
しょうこういん
)
の
墓所
(
はかしょ
)
には、
四基
(
しき
)
の石塔が建てられた。施主は
緊
(
かた
)
く秘したと見えて、誰も知っているものはなかった。
或敵打の話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
三尺をまた半分にした、ようよう
体
(
からだ
)
のはいられるだけの小さい
潜戸
(
くぐり
)
は、まだ日も暮れぬのに、
緊
(
かた
)
く
閉
(
し
)
めきって、留守かと思うほどひっそりしている。
狂乱
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
それは前にも書いたとおり、しいても他人に対する愛情を殺す事によって、倉地との愛がより
緊
(
かた
)
く結ばれるという迷信のような心の働きから起こった事だった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
以前漁夫の娘として自由にのび、海風でそだて上げられた豐滿な美しい輪郭を備へた彼女の姿勢は、令孃等の長いコルセツトで、腰のところで、
緊
(
かた
)
く締められた。
氷島の漁夫:01 氷島の漁夫
(旧字旧仮名)
/
ピエール・ロティ
(著)
火をおこして置きますのも、雨の洩らぬやうに茅葺を
緊
(
かた
)
くして置きますのも、遠い林の中へ風に吹飛されませぬやうに茅葺きを丈夫にして置きますのも、皆私の勤でございます。
春の心臓
(新字旧仮名)
/
ウィリアム・バトラー・イエイツ
(著)
▼ もっと見る
が、大殿様は
緊
(
かた
)
く唇を御噛みになりながら、時々気味悪く御笑ひになつて、眼も放さずぢつと車の方を御見つめになつていらつしやいます。
地獄変
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ふるへながら、それが感情の激動を強ひて抑へようとするせゐか、膝の上の手巾を、両手で裂かないばかりに
緊
(
かた
)
く、握つてゐるのに気がついた。
手巾
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
いや、それと同時に長い
睫毛
(
まつげ
)
の先へ、涙を一ぱいためながら、前よりも
緊
(
かた
)
く唇を噛みしめてゐるのでございます。
地獄変
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
杜子春は必死になつて、鉄冠子の言葉を思ひ出しながら、
緊
(
かた
)
く眼をつぶつてゐました。するとその時彼の耳には、
殆
(
ほとんど
)
声とはいへない位、かすかな声が伝はつて来ました。
杜子春
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
杜子春は必死になって、鉄冠子の言葉を思い出しながら、
緊
(
かた
)
く眼をつぶっていました。するとその時彼の耳には、
殆
(
ほとんど
)
声とはいえない位、かすかな声が伝わって来ました。
杜子春
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それは
緊
(
かた
)
くむすんでゐた彼の唇が、この時急に
弛
(
ゆる
)
んだのを見ても、知れる事であらう。
戯作三昧
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
さうして、
緊
(
かた
)
く筆を握りながら、何度もかう自分に呼びかけた。
戯作三昧
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
緊
常用漢字
中学
部首:⽷
15画
“緊”を含む語句
緊張
緊乎
緊着
引緊
抱緊
緊要
緊縛
緊縮
緊束
緊金
咬緊
握緊
緊那羅
緊褌
緊迫
緊密
緊直
下緊
固緊
緊箍咒
...