『春の心臓』
一人の老人が瞑想に耽りながら、岩の多い岸に坐つてゐる。顔には鳥の脚のやうに肉がない。処はジル湖の大部を占める、榛の林に掩はれた、平な島の岸である、其傍には顔の赭い十七歳の少年が、蠅を追つて静な水の面をかすめる燕の群を見守りながら坐つてゐる。 …
著者 | ウィリアム・バトラー・イエイツ |
翻訳者 | 芥川竜之介 |
ジャンル | 文学 > 英米文学 > 小説 物語 |
初出 | 「新思潮 第一巻第五号」1914(大正3)年6月1日 |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約10分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約16分(300文字/分) |