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機轉
殊に
秋の
頃に
成つてからは
滅切機轉も
利くやうになつて、
死んだお
品に
似て
來たと
他人にはいはれるのであるが
たゞ
公務の
餘暇ある
一團の
士官水兵等が
吾等を
唯ある
船室に
導き、
濡れたる
衣服を
脱がせ、
新しき
衣服を
與へ、
中にも
機轉よき一
士官は
興奮の
爲にと、
急ぎ「ブランデー」の一
杯をさへ
惠んで
呉れた。
ただ
吩咐ばかり
聞いて
居るので
自分の
機轉といふものが一
向なかつたりするので
酷く
齒痒く
思つて
居た。