かた)” の例文
若しこの願かなはゞ、競馬の費、これに勝ちたるものに與ふる賞、天鵞絨の幟のしろ、皆かたの如くわきまへ候はんといふ。議官セナトオレは頷きぬ。
家名相續かめいさうぞくなにともすべしとひと一人ひとり二人ふたりならず、あるとき學士がくし親友しんいうなりしそれがし當時たうじ醫學部いがくぶ有名いうめい教授けうじゆどのひとをもつてかたごとみしを
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
如何どうも劃然と對等のやりかたでは無かつたらしく想はれる。しかし歴代の遣唐使が、支那に交通する他の國々とは異つて、一度も上表を持つて行かない。
聖徳太子 (旧字旧仮名) / 内藤湖南(著)
それで魚屋がまないたの上でかつをたひを切るやうに、彼は解剖臺の屍體に刀を下すのであツた。其の手際と謂ツたら、また見事なもので、かたの如くへその上部に刀を下ろす。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
内におさえがたき或るものがわだかまって、じっとこたえられない活力を、自然の勢から生命の波動として描出びょうしゅつきたる方が実際ったかたと云わなければなるまい。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
お前の命令いひつけを聞かなかつたは惡るからうけれど、今怒られてはかたなしだ、お前といふ後だてが有るので己らあ大舟に乘つたやうだに、見すてられちまつては困るだらうじや無いか
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
姫の長き髮はこれをり、その身には生きながら凶衣を被らしめ、輓歌ばんかを歌ひ鯨音かねを鳴し、かたの如く假にはうむりて、さて天に許嫁いひなづけせる人となりて蘇生せしむ。是れ式のあらましなり。
其の作りかたの支那の朝廷に都合よく書かれると謂ふことは當然のことで、南朝時代などに於て日本とか百濟高句麗などが上つた表と謂ふものの、如何にして出來たかは想像するに難くない。
聖徳太子 (旧字旧仮名) / 内藤湖南(著)
お前の命令いひつけを聞かなかつたは悪るからうけれど、今怒られてはかたなしだ、お前といふ後だてが有るので己らあ大舟に乗つたやうだに、見すてられちまつては困るだらうじや無いか
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
まへ命令いひつけかなかつたはるからうけれど、いまおこられてはかたなしだ、おまへといふうしろだてがるのでらあ大舟おほぶねつたやうだに、すてられちまつてはこまるだらうじやいか
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)