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倉
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くら
ふりがな文庫
“
倉
(
くら
)” の例文
ある
夏
(
なつ
)
のこと、
男
(
おとこ
)
は、
汗
(
あせ
)
をたらして、
重
(
おも
)
い
炭
(
すみ
)
だわらを二つずつおって、
山
(
やま
)
をくだり、これを
町
(
まち
)
のある
素封家
(
そほうか
)
の
倉
(
くら
)
へおさめました。
鐘
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
また
倉
(
くら
)
のような
建
(
た
)
て
物
(
もの
)
は、
多
(
おほ
)
くは
今日
(
こんにち
)
も
奈良
(
なら
)
の
正倉院
(
しようそういん
)
の
御倉
(
おくら
)
などに
見
(
み
)
るような、
木
(
き
)
を
組
(
く
)
みあはせた
校倉
(
あぜくら
)
といふものであつたと
思
(
おも
)
はれます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
そのあいだに、たにしの子はひとりではきはき、
下男
(
げなん
)
たちにさしずをして、お米を馬からおろして、
倉
(
くら
)
に
積
(
つ
)
みこませました。
たにしの出世
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
十三屋へ行ってみると、まだお曾与の死骸の始末もせず、父親の文吉と母親のお
倉
(
くら
)
は際限のない涙にひたっておりました。
銭形平次捕物控:097 許嫁の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
何分
(
なにぶん
)
此頃
(
このごろ
)
飛出
(
とびだ
)
しが
始
(
はじ
)
まつて
私
(
わし
)
などは
勿論
(
もちろん
)
太吉
(
たきち
)
と
倉
(
くら
)
と
二人
(
ふたり
)
ぐらゐの
力
(
ちから
)
では
到底
(
たうてい
)
引
(
ひき
)
とめられぬ
働
(
はたら
)
きをやるからの、
萬一
(
まんいち
)
井戸
(
ゐど
)
へでも
懸
(
かゝ
)
られてはと
思
(
おも
)
つて
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
円
(
まる
)
い月は形が
大分
(
だいぶ
)
小
(
ちひさ
)
くなつて光が
蒼
(
あを
)
く
澄
(
す
)
んで、
静
(
しづか
)
に
聳
(
そび
)
える
裏通
(
うらどほ
)
りの
倉
(
くら
)
の
屋根
(
やね
)
の上、星の多い空の
真中
(
まんなか
)
に高く昇つて
居
(
ゐ
)
た。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
といったが、てんで耳もかさず、
矢
(
や
)
ノ
倉
(
くら
)
から
毛利
(
もうり
)
の屋敷のほうへ曲り、横丁をまわりくねりしたすえ、
浜町
(
はまちょう
)
二丁目の河岸っぷちに近いところへ出た。
顎十郎捕物帳:12 咸臨丸受取
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
と
海老之丞
(
えびのじょう
)
が
答
(
こた
)
えました。これは
昨日
(
きのう
)
まで
錠前屋
(
じょうまえや
)
で、
家々
(
いえいえ
)
の
倉
(
くら
)
や
長持
(
ながもち
)
などの
錠
(
じょう
)
をつくっていたのでありました。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
楽真院は
茝庭
(
さいてい
)
、安良は
暁湖
(
ぎょうこ
)
で、
並
(
ならび
)
に二百俵の奥医師であるが、彼は法印、
此
(
これ
)
は法眼になっていて、当時
矢
(
や
)
の
倉
(
くら
)
の分家が
向柳原
(
むこうやなぎはら
)
の宗家の右におったのである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
三日ほど経ちまして縛られてまいりました悪者三人は、百々村の
倉
(
くら
)
八と太田の
金山
(
かなやま
)
の松五郎、今
一人
(
いちにん
)
は江田村の
源藏
(
げんぞう
)
で、段々お調べになると、其の者共の
申口
(
もうしぐち
)
に
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
長い長い留守居の後で、お俊姉妹は
漸
(
ようや
)
く父の実と一緒に成れたのである。この二人の娘は叔父達の力と、母お
倉
(
くら
)
の
遣繰
(
やりくり
)
とで、
僅
(
わず
)
かに保護されて来たようなものであった。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それからその
建御雷神
(
たけみかずちのかみ
)
は、私に向かって、おまえの
倉
(
くら
)
のむねを突きとおしてこの刀を落とすから、あすの朝すぐに、大空の神のご子孫にさしあげよとお教えくださいました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
書庫は、
母屋
(
おもや
)
から、すこしはなれた庭にたっていました。コンクリートづくりの
倉
(
くら
)
です。くつをはいて、書庫の前にいって、錠前をしらべてみましたが、べつじょうありません。
妖星人R
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
どろぼうたちは、自分たちの、人にかくしていたお
倉
(
くら
)
を見つけられたので、大へん腹を立てました。そして、いきなりカシムをつかまえて、切り
殺
(
ころ
)
して、からだの肉を切りきざんでしまいました。
アラビヤンナイト:03 三、アリ・ババと四十人のどろぼう
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
安政
(
あんせい
)
年間の事であった。
両国
(
りょうごく
)
矢
(
や
)
の
倉
(
くら
)
に
栄蔵
(
えいぞう
)
と云う旅
商人
(
あきんど
)
があった。
沼田の蚊帳
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
尤もお
倉
(
くら
)
さんの事に就ては両方の言う事が折合ませんですけれど目
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
「八
俵
(
ぴょう
)
しか、いれてない。そんないいがかりをつけるなら、
倉
(
くら
)
にはいってかぞえてみるがいい。」と、
主人
(
しゅじん
)
は、いたけだかになりました。
鐘
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
あゝ
浮世
(
うきよ
)
はつらいものだね、
何事
(
なにごと
)
も
明
(
あけ
)
すけに
言
(
い
)
ふて
退
(
の
)
ける
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
ぬからとて、お
倉
(
くら
)
はつく/″\まゝならぬを
痛
(
いた
)
みぬ。
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「どの
倉
(
くら
)
にも、
錠
(
じょう
)
らしい
錠
(
じょう
)
は、ついておりません。
子供
(
こども
)
でもねじきれそうな
錠
(
じょう
)
が、ついておるだけです。あれじゃ、こっちのしょうばいにゃなりません。」
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
むかしあるところに、田を持って、畑を持って、
屋敷
(
やしき
)
を持って、
倉
(
くら
)
を持って、なにひとつ足りないというもののない、たいへんお金持ちのお
百姓
(
ひゃくしょう
)
がありました。
たにしの出世
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
小杉卓二が大の男の癖に悲鳴を挙げると、お勝手に働いていた
雇
(
やとい
)
婆さんのお
倉
(
くら
)
が飛んで来ました。
奇談クラブ〔戦後版〕:03 鍵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
あの子を
勾引
(
かどわか
)
した事からづきがまわったという訳は、
百々村
(
どゞむら
)
の
倉
(
くら
)
八と
金山
(
かなやま
)
の
松
(
まつ
)
と
江田村
(
えだむら
)
の
源藏
(
げんぞう
)
が捕まって、己達へ足がついて来たから、
直
(
すぐ
)
に逃げなくっちゃアいけねえぜ
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
片側
(
かたかは
)
に
朝日
(
あさひ
)
がさし込んで
居
(
ゐ
)
るので
路地
(
ろぢ
)
の
内
(
うち
)
は
突当
(
つきあた
)
りまで
見透
(
みとほ
)
された。
格子戸
(
かうしど
)
づくりの
小
(
ちひさ
)
い
家
(
うち
)
ばかりでない。
昼間
(
ひるま
)
見ると意外に
屋根
(
やね
)
の高い
倉
(
くら
)
もある。
忍返
(
しのびがへ
)
しをつけた
板塀
(
いたべい
)
もある。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
それには、
高倉下
(
たかくらじ
)
の
倉
(
くら
)
のむねを突きやぶって落としましょうと、こうお答えになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
……五日前の
矢
(
や
)
の
倉
(
くら
)
不動
(
ふどう
)
の前のは、やはり
物盗
(
ものとり
)
じゃございません。持って出たと思われる五十両は、てめえの家の神棚の上にのっかっていたそうでございます。これにゃ、どうも……
顎十郎捕物帳:04 鎌いたち
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
あの、コロ、コロ、いう
鳴
(
な
)
き
声
(
ごえ
)
は、
私
(
わたし
)
が、ここから
遠
(
とお
)
い、
東
(
ひがし
)
の
方
(
ほう
)
の
町
(
まち
)
を
飛
(
と
)
んでいるときに、
白壁
(
しらかべ
)
の
倉
(
くら
)
のある、
古
(
ふる
)
い、
大
(
おお
)
きな
酒屋
(
さかや
)
があった。
春の真昼
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
何分この頃飛出しが始まつて、
我
(
わし
)
などは
勿論
(
もちろん
)
太吉と
倉
(
くら
)
と二人ぐらゐの力では到底引とめられぬ働きをやるからの、万一井戸へでも懸られてはと思つて
うつせみ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
海蔵
(
かいぞう
)
さ、どうしたじゃ。一
銭
(
せん
)
もつかわんで、ごっそりためておいて、
大
(
おお
)
きな
倉
(
くら
)
でもたてるつもりかや。」
牛をつないだ椿の木
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
むかし、むかし、ある
家
(
いえ
)
のお
倉
(
くら
)
の中に、お
米
(
こめ
)
を
持
(
も
)
って、
麦
(
むぎ
)
を
持
(
も
)
って、
粟
(
あわ
)
を
持
(
も
)
って、
豆
(
まめ
)
を
持
(
も
)
って、たいそうゆたかに
暮
(
く
)
らしているお
金
(
かね
)
持
(
も
)
ちのねずみが
住
(
す
)
んでおりました。
ねずみの嫁入り
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
その時、お柳の母親——乾物屋の女房のお
倉
(
くら
)
は、額で歩くようにして飛んで来ました。
銭形平次捕物控:086 縁結び
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
まア
富貴楼
(
ふつきらう
)
のお
倉
(
くら
)
さんかね、
福分
(
ふくぶん
)
もあり、若い時には
弁天
(
べんてん
)
と
云
(
い
)
はれた
位
(
くらゐ
)
の
別嬪
(
べつぴん
)
であつたとさ、
宅
(
たく
)
は
横浜
(
よこはま
)
の
尾上町
(
をのへちやう
)
です、
弁天通
(
べんてんどほ
)
りと
羽衣町
(
はごろもちやう
)
に
近
(
ちか
)
いから、それに
故人
(
こじん
)
の
御亭主
(
ごていしゆ
)
は
亀
(
かめ
)
さんと
云
(
い
)
ふからさ。
七福神詣
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
甲
(
こう
)
は、それをもらってから、さすがに
気
(
き
)
はずかしい
思
(
おも
)
いがして、
倉
(
くら
)
の
中
(
なか
)
にしまってある
芋
(
いも
)
を、いつまでも
外
(
そと
)
に
出
(
だ
)
すことができませんでした。
自分で困った百姓
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
おいたはしき
事
(
こと
)
とは
太吉
(
たきち
)
も
言
(
い
)
ひぬ、お
倉
(
くら
)
も
言
(
い
)
へり、
心
(
こゝろ
)
なきお
三
(
さん
)
どんの
末
(
すゑ
)
まで
孃
(
ぢやう
)
さまに
罪
(
つみ
)
ありとはいさゝかも
言
(
い
)
はざりき、
黄八丈
(
きはちぢやう
)
の
袖
(
そで
)
の
長
(
なが
)
き
書生羽織
(
しよせいばおり
)
めして
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
若
(
わか
)
いお
婿
(
むこ
)
さんとお
嫁
(
よめ
)
さんは、
仲
(
なか
)
よく
暮
(
く
)
らして、おとうさんとおかあさんをだいじにしました。そしてたくさん
子供
(
こども
)
を
生
(
う
)
んで、お
倉
(
くら
)
のねずみの
一家
(
いっか
)
はますます
栄
(
さか
)
えました。
ねずみの嫁入り
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
そういう
村
(
むら
)
こそ、こっちのしょうばいになるじゃないかッ。
倉
(
くら
)
があって、
子供
(
こども
)
でもねじきれそうな
錠
(
じょう
)
しかついておらんというほど、こっちのしょうばいに
都合
(
つごう
)
のよいことがあるか。まぬけめが。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
すると
上
(
あが
)
り
端
(
はな
)
に腰を掛けて居たのは、
吾妻郡
(
あがつまごおり
)
で
市城村
(
いちしろむら
)
と云う処の、これは
筏乗
(
いかだのり
)
で
市四郎
(
いちしろう
)
と云う誠に田舎者で骨太な人でございますが、弱い者は何処までも助けようと云う
天稟
(
うまれつき
)
の気象で、
三
(
さん
)
の
倉
(
くら
)
の
産
(
うまれ
)
で
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
はたして、その
年
(
とし
)
の
芋
(
いも
)
の
収穫
(
しゅうかく
)
は、いつものようにやはりよかったのであります。
甲
(
こう
)
は、その
芋
(
いも
)
をすっかり
倉
(
くら
)
の
中
(
なか
)
に
入
(
い
)
れて
隠
(
かく
)
してしまいました。
自分で困った百姓
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
うっそうと、
青葉
(
あおば
)
のしげった
間
(
あいだ
)
から、
白壁
(
しらかべ
)
の
倉
(
くら
)
が
見
(
み
)
えたり、
楽
(
たの
)
しそうに
少女
(
しょうじょ
)
たちの
歌
(
うた
)
うくわつみ
唄
(
うた
)
が
聞
(
き
)
こえたりして、だれでも
平和
(
へいわ
)
な
村
(
むら
)
だと
思
(
おも
)
ったからであります。
愛は不思議なもの
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
私
(
わたし
)
は、この
唄
(
うた
)
をきくと
悲
(
かな
)
しくなるの、
東京
(
とうきょう
)
に
生
(
う
)
まれて、
田舎
(
いなか
)
の
景色
(
けしき
)
を
知
(
し
)
らないけれど、
白壁
(
しらかべ
)
のお
倉
(
くら
)
が
見
(
み
)
えて、
青
(
あお
)
い
梅
(
うめ
)
の
実
(
み
)
のなっている
林
(
はやし
)
に、しめっぽい五
月
(
がつ
)
の
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
く
谷にうたう女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
男
(
おとこ
)
は、
山
(
やま
)
を五たび
下
(
くだ
)
って、またのぼったきおくがあります。それで
倉
(
くら
)
にいって、
数
(
かず
)
をかぞえてみると十いれたものが、八つしかなかった。かれの
顔
(
かお
)
は、
土色
(
つちいろ
)
となりました。
鐘
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
黄金
(
こがね
)
の
箱
(
はこ
)
などというものは、そうたくさんあるものでないから、どこかの
倉
(
くら
)
に
宝物
(
ほうもつ
)
となって、そのまましまってあるか、もしくは、どこかの
地中
(
ちちゅう
)
にうずめられているという
昔話
(
むかしばなし
)
でも
三つのかぎ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“倉”の意味
《名詞》
(くら) 家財や商品などを火災や盗難などから守り、保管しておく建物。倉庫。
(出典:Wiktionary)
“倉(
倉庫
)”の解説
倉庫(そうこ)は、有形の物品を保存・収納するための建造物である。ただし、業務(いわゆる貸し倉庫)として営む場合は、建造物でないこともある(後述)。日本列島に現存する最古の倉庫は、奈良県奈良市にある高床倉庫「正倉院」である。
(出典:Wikipedia)
倉
常用漢字
小4
部首:⼈
10画
“倉”を含む語句
倉皇
倉庫
穀倉
土倉
小倉
鎌倉
飯倉
倉廩
米倉
大倉
角倉
角倉了以
支倉
股倉
矢倉
正倉院
朝倉石見守
岩倉具視
佐倉炭
大倉喜八郎
...