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啗
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くら
ふりがな文庫
“
啗
(
くら
)” の例文
或は
特
(
こと
)
に利を
啗
(
くら
)
わせて其下をして其上に
負
(
そむ
)
かせて我に
意
(
こころ
)
を寄せしめ置いて、そして表面は他の口実を以て襲って之を取るのであるし
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
七三
君は賢弟と南
面
(
おもて
)
の
間
(
ま
)
に
弈
(
えき
)
して遊ばせ給ふ。
掃守
(
かもり
)
傍
(
かたはら
)
に侍りて
七四
菓
(
このみ
)
を
啗
(
くら
)
ふ。文四がもて来し
大魚
(
まな
)
を見て、人々大いに
感
(
め
)
でさせ給ふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
信長は荒木
村重
(
むらしげ
)
との初対面に、刀で餅を刺して、壮士ならこれを
啗
(
くら
)
へ、と云つて突き出したが、後年
叛
(
そむ
)
かれてゐる。
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
婢妾僮僕に
啗
(
くら
)
わしめて秘かに探らせたこともある。彼等の報告は何時も夏姫の貞淑を保証するものばかりである。
妖氛録
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
そして
僮僕
(
どうぼく
)
に
啗
(
くら
)
わしめて、玄機の林亭にいることを知った。夫妻は反目した。ある日岳父が
婿
(
むこ
)
の家に来て李を面責し、李は遂に玄機を
逐
(
お
)
うことを誓った。
魚玄機
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
丁度
墨染
(
すみぞめ
)
の麻の衣の禅匠が役者のような
緋
(
ひ
)
の衣の坊さんを
大喝
(
だいかつ
)
して三十棒を
啗
(
くら
)
わすようなものである。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
『瑣語』に周王太子宜臼を虎に
啗
(
くら
)
わさんとした時太子虎を叱ると耳を
低
(
た
)
れて服したといい
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
これが
頽
(
くづれ
)
を挽回するの策を講ずるなし、かへつてこの気運を煽動し、人才登用を名として、為に門戸を啓き、名望あるの士を迎へて
啗
(
くら
)
はしむるに黄金をもつてし、籠絡して自家の藩籬に入れ
誰が罪
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
哺
(
ふく
)
めるを吐きて子に
啗
(
くら
)
わしめ
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
信長が光秀に
弑
(
しい
)
された時は、光秀から
近江
(
おうみ
)
半国の利を
啗
(
くら
)
わせて誘ったけれども節を守って屈せず、明智方を引受けて城に
拠
(
よ
)
って戦わんとするに至った。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
その脳を
啗
(
くら
)
うというは大眉唾物だ(『淵鑑類函』四三九)。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
啗
漢検1級
部首:⼝
11画