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噉
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くら
ふりがな文庫
“
噉
(
くら
)” の例文
『後漢書』南蛮伝に交趾の西に人を
噉
(
くら
)
う国あり云々、妻を娶って美なる時はその兄に譲る。今
烏滸
(
おこ
)
人これなり。阿呆を烏滸という起りとか。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
死んでからはその屍骸を獣が
噉
(
くら
)
い、鳥が
啄
(
ついば
)
み、四肢が分離して流れ出し、
腥
(
なまぐさ
)
い悪臭が三里五里の先まで匂って人の鼻を
衝
(
つ
)
き、皮膚は
赤黒
(
しゃくこく
)
となって犬の屍骸よりも醜くなること
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
世辭愛嬌
(
せじあいけう
)
も申分なく、それよりも男を惹きつける、不思議な魅力があつて、この女に接近する者は、どんなに道心堅固でも、最後には他愛もなく
捕虜
(
とりこ
)
にされ、金も精氣も
噉
(
くら
)
ひ盡されて
銭形平次捕物控:281 用心棒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
文徳実録
(
もんとくじつろく
)
に見える
席田郡
(
むしろだごおり
)
の
妖巫
(
ようふ
)
の、その霊
転行
(
てんこう
)
して心を
噉
(
くら
)
い、一種
滋蔓
(
じまん
)
して、
民
(
たみ
)
毒害を被る、というのも噉心の二字が吒祇尼法の如く思えるところから考えると、なかなか古いもので
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
彫刻
(
ほり
)
した
鮒
(
ふな
)
の
泳
(
およ
)
ぐも
可
(
よ
)
い。
面白
(
おもしろ
)
うないとは
言
(
い
)
はぬが、
煎
(
に
)
る、
焼
(
や
)
く、
或
(
あるひ
)
は
生
(
なま
)
のまゝ
其
(
そ
)
の
肉
(
にく
)
を
噉
(
くら
)
はうと
思
(
おも
)
ふものに、
料理
(
りやうり
)
をすれば、
炭
(
すみ
)
に
成
(
な
)
る、
灰
(
はひ
)
に
成
(
な
)
る、
木
(
き
)
の
切
(
きれ
)
を
何
(
なに
)
にせい、と
言
(
い
)
ふ
了見
(
れうけん
)
だ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
此の娑婆世界にして雉となりし時は鷹につかまれ、鼠となりし時は猫に
噉
(
くら
)
われ、或いは妻子に、敵に身を捨て、所領に命を失いし事大地微塵よりも多し。法華経の為には一度も失う事なし。
学生と先哲:――予言僧日蓮――
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
それは人の或は毒を置かむことを
懼
(
おそ
)
れたからである。
偶
(
たま/\
)
忠行は餅菓子を製することを善くしたので、或日その製する所を家康に献じた。家康は喜び
噉
(
くら
)
つて、此より
時々
(
じゞ
)
忠行をして製せしめた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
飢寒極めて虎母その子を
噉
(
くら
)
わんとす、五百の道士これを見て誰か能く身を捨て衆生を救わんと相勧む、太子聞きて崖頭に至り虎母子を抱いて雪に覆われたるを見
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
抽斎が酒を飲み、獣肉を
噉
(
くら
)
うようになったのはこの時が始である。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
野中の
掃溜
(
はきだめ
)
へ捨て鶏犬の
啄
(
つつ
)
き
噉
(
くら
)
うに任すと書いた、眼前の見聞を留めたもの故事実と見える。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
善搏虎は麞を殺すに疲るる事夥しく血肉を啖いおわって巣へ帰るに長時間を費やした、因って残肉を
蔵
(
かく
)
し置き一日それを
噉
(
くら
)
って早く帰ると獅が今日汝何故早く帰るぞと問う
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
噉
部首:⼝
15画
“噉”を含む語句
噉食
下噉
噉尽
噉相
噉肉
噉肉外道
噉肉蓄妻
牛噉
虫噉