“眩惑”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
げんわく86.4%
めまい4.9%
くら1.2%
ごまか1.2%
まぶ1.2%
めくるめ1.2%
めまぐ1.2%
めまひ1.2%
マドヒ1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは自ら危難を冒しておのれの眩惑げんわくを分析し推究する。一種の荘厳な反動によって自然を眩惑するともほとんど言い得るであろう。
今までに覚えたことのない軽い一種の眩惑めまいを感じる。「君、どうかしたんじゃありませんか、医師いしゃに見てもらうほうがいいですぜ」
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
しかし壮観みものはそればかりではなく、すぐに続いて見事な業が、見物の眼を眩惑くらました。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そのあやしい、うみうへではよく眩惑ごまかされます、貴下あなた屹度きつと流星りうせいぶのでもたのでせう。』とビールだるのやうなはら突出つきだして
二十畳近くしける大広間に十八人の人間がずらりと並んだわけである。眩惑まぶしそうな電光が白光を放ち、春風楼は俄かに生き生きして来た。台所では瓦斯の火で湯がわかされ、酒の燗がはじまった。
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
ズイと寄り添ってきた御方の身動きの匂いは、男の好む、あらゆる香餌こうじを含んでいるような魅力をもって、新九郎に眩惑めくるめくまで迫ってきた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ほんとに信州という国は、どこへ行ってもよい景色、眩惑めまぐるしいほどでございます。これから参るあなたの故郷おくにの木曽福島と申すところも、さぞよい景色でございましょう」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
村瀬がふら/\と眩惑めまひを感じて、部屋の中へ転げ込むと、中で待ち構えてゐた大森と加藤が
女に臆病な男 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
布留フル大人ミコトは、嫋女タワヤメ眩惑マドヒによりて、馬じもの縄とりつけ、シヽじもの弓矢カクみて、大君の御令畏ミコトカシコみ、天離アマサカ鄙辺ヒナベマカる。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)