眩惑めまい)” の例文
今までに覚えたことのない軽い一種の眩惑めまいを感じる。「君、どうかしたんじゃありませんか、医師いしゃに見てもらうほうがいいですぜ」
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
それを見るごとに、私はちょうど眩惑めまいのするようなすうとした気もちで、その山の奥の方にある池のことをきることなく考え込んでいるのでした。
不思議な国の話 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
あの舞うのは何故かと調べてみると、内耳の一部をなしている三半規管の構造が不完全なため、始終に眩惑めまいを起すからだという事である。そう聞けば可哀相で飼うのは厭になる。
話の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
彼女はしまいには殆ど眩惑めまいさえかんじてきた。嘔気はきけと目まいと前のめりとが、かわる交る迫ってきた。淵がだんだん目の前にせり上ってくるのだった。
(新字新仮名) / 室生犀星(著)