くら)” の例文
八蔵、やい八蔵、どうしたどうした、え、八蔵ッ、と力任せに二つ三つ掴拳にぎりこぶしくらわせたるが、死活の法にやかないけん。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
軒下あるいは塀の蔭よりばらばらと飛出とびいだして、お使番を引僵ひきたおし、蹴って踏んでくらわして、「此奴等こいつら、人を乞食にしやあがる。へん、よしてもくりや、余計なお世話だ。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いきなり、がんとくらわされたから、おじさんの小僧、目をまるくしてきもつぶした。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
可憐あわれむべしお手飼の狆は、一棒をくらってころりと往生し、四足しそくを縮めて横たわりぬ。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一つ横頬よこぞっぽくらわしたはいいが、御先祖、お両親ふたおや位牌いはいにも、くらわされてしかるべきは自分の方で、仏壇のあるわが家には居たたまらないために、その場からかどを駈け出したは出たとして
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
背中を、どしんとくらわせた。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)