“くらし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
生活55.8%
生計22.5%
活計14.2%
2.6%
家計1.5%
消光1.1%
日常0.4%
春秋0.4%
生活費0.4%
糊口0.4%
身代0.4%
鞍師0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
生活くらし向きの困難やら、種々なことを打ち明けてから、もしまた使って貰えなかったらたった一人の老母を見殺しにしなければならない
過渡人 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
彼女は自家で生計くらしのための仕立ものをしながらその屋根裏の小部屋の抽斗の中にかくして、「ただ自分一人のために」小説をかきだした。
知性の開眼 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
その上清は湯の戻りに髪結かみゆいの所へ回って頭をこしらえるはずだそうであった。閑静な宗助の活計くらしも、大晦日おおみそかにはそれ相応そうおうの事件が寄せて来た。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そのおふくろが死んだので、後は娘一人のせ腕でございますから、いくらかせいでも、くらしの立てられようがございませぬ。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
村に行わるゝ自然しぜん不文律ふぶんりつで、相応な家計くらしを立てゝ居る者が他人のくぬぎの枝一つ折っても由々敷ゆゆしいとがになるが、貧しい者はちっとやそとのものをとっても、大目に見られる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
観ずれば松のあらしも続いては吹かず息を入れてからがすさまじいものなり俊雄は二月三月は殊勝に消光くらしたるが今が遊びたい盛り山村君どうだねと下地を見込んで誘う水あれば
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
世話女房の酌で一杯やるといつた無事な日常くらし、世人も羨む位であつた。
名工出世譚 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
人間の春秋くらしとは、かくまでも佗しいものか! ベンチに下駄をぶらさげたまゝ転がると、星があんまりまともに見えすぎる。
放浪記(初出) (新字新仮名) / 林芙美子(著)
「おや、人の家の生活費くらし算盤そろばんをするなんて自分のものにもなりゃしないのに。莫迦莫迦ばかばかしい、よそうよそう。」
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
それも多少すこしは祖母を引うけた家から扶助みついでもらって僅かに糊口くらしを立てていたので、お秀の給料と針仕事とでは三人の口はとても過活すぐされなかった。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
殺すことは古今の強惡がうあくなり始終は白刄しらはさびと成べし必定々々かならず/\此後は屹度きつと止られよと云たることも三五郎から聞たるぞ今では汝れも大造たいそう身代くらしに成たに付昔しのえんで三五郎も一年越の不仕合ふしあはせ故度々無心には行しが都合つがふ惣計しめて金八十三兩かしたに相違は無しサア/\此方こつちからして盜人ぬすびと上前うはまへ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
見ると、それも一と理窟ですがね。——鞍師くらし辻萬兵衞が裝束しやうぞくも改めず、書置も殘さず、あのしつけの良いのが怪し氣な寢卷を着て、湯呑で毒を呑んで死ぬなんざ變ぢやありませんか、親分