“上前”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
うわまえ90.0%
うはまへ10.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
岡ッ引どもは霜に逢った菜ッぱのようにかじかんでしまって、膝小僧をなでたり、上前うわまえをひっぱったり、ひとりとして顔をあげるものもない。
顎十郎捕物帳:05 ねずみ (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
つまり、利休を「まいす」と呼んだのは、彼が自己の位置を利してしばしば賄賂わいろをとったり、道具の売買の上前うわまえをはねたりしたことを指すのである。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
そのままでお出かけですから、「被布ひふ上前うわまえが汚れていますよ」といいますと、「こうすればよかろう」と、下前を上にして平気でいられるのを笑ったりなどもしました。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
それでも動かない。久美子は癇をたてて、ナイト・ガウンの上前うわまえをおさえながら隆のほうへ向きかえた。
肌色の月 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
従って市街地の商人からは眼の飛び出るような上前うわまえをはねられて食代くいしろを買わねばならぬ。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
大方は手織縞の古けた着物を着た、在方の男のやうなのばかりで、帶をだらしなく結んで、窮窟さうな恰好に上前うはまへを捩ぢれさせてゐるものもあつた。
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)