家計くらし)” の例文
たゞ地味ぢみ生活せいくわつをしなれた結果けつくわとして、らぬ家計くらしるとあきらめるくせいてゐるので、毎月まいげつきまつて這入はいるものゝほかには、臨時りんじ不意ふい工面くめんをしてまで
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
村に行わるゝ自然しぜん不文律ふぶんりつで、相応な家計くらしを立てゝ居る者が他人のくぬぎの枝一つ折っても由々敷ゆゆしいとがになるが、貧しい者はちっとやそとのものをとっても、大目に見られる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
足らぬ家計くらしを足るとあきらめる癖がついているので、毎月きまって這入はいるもののほかには、臨時に不意の工面くめんをしてまで、少しでも常以上にくつろいでみようと云う働は出なかった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「近頃は家計くらしの方も余りよくないんだろう」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)