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活計
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くらし
ふりがな文庫
“
活計
(
くらし
)” の例文
何しろ横に転がして使う
壜
(
びん
)
なぞ見た事もないんだからね。……
可
(
いい
)
かい。それに
活計
(
くらし
)
むきに余裕があるとなれば、またどうにもなる。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その上清は湯の戻りに
髪結
(
かみゆい
)
の所へ回って頭を
拵
(
こしら
)
えるはずだそうであった。閑静な宗助の
活計
(
くらし
)
も、
大晦日
(
おおみそか
)
にはそれ
相応
(
そうおう
)
の事件が寄せて来た。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
また世間から見ても財産もあり万事整うて居るから非常に安楽であろうとこう見られる訳で私どももつい結構な
活計
(
くらし
)
だなと思って居りました。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
田畑が少のうございますから、温泉宿の外は
近傍
(
もより
)
の山々から石を切出したり、炭を焼いたり、
種々
(
しゅ/″\
)
の山稼ぎをいたして
活計
(
くらし
)
を立っている様子です。
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
別に
活計
(
くらし
)
に困る訳じゃなし、
奢
(
おご
)
りも致さず、偏屈でもなく、ものはよく分る、男も
好
(
よ
)
し、誰が目にも良い人。
幻談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
活計
(
くらし
)
を立つるには、
鍼仕事
(
はりしごと
)
して得給ふ錢と、むかし我等が住みたりしおほいなる部屋を人に借して得給ふ
價
(
あたひ
)
とあるのみなりき。われ等は
屋根裏
(
やねうら
)
の小部屋に住めり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
大がらとても
八歳
(
やつ
)
は八歳、天秤肩にして痛みはせぬか、足に草鞋くひは出來ぬかや、堪忍して下され、今日よりは私も家に歸りて伯父樣の介抱
活計
(
くらし
)
の助けもしまする
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
洋学生徒の数は次第々々に
殖
(
ふ
)
えるからその教授法に力を
尽
(
つく
)
し、又家の
活計
(
くらし
)
は幕府に雇われて
扶持米
(
ふちまい
)
を
貰
(
もら
)
うてソレで結構暮らせるから、世間の事には
頓
(
とん
)
と
頓着
(
とんじゃく
)
せず、怖い半分
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
家内はまた家内で心配して、教員を
休
(
や
)
めて
了
(
しま
)
つたら、
奈何
(
どう
)
して
活計
(
くらし
)
が立つ、銀行へ出て帳面でもつけて呉れろと言ふんだけれど、どうして君、
其様
(
そん
)
な真似が我輩に出来るものか。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
盡し難く
別
(
わけ
)
て神田は
土地柄
(
とちがら
)
とて人の心も
廣小路
(
ひろこうぢ
)
横筋違いの僻みなき
直
(
すぐ
)
なる橋の名の如く
實
(
げ
)
に
昌平
(
しやうへい
)
の御代なれや
甍
(
いらか
)
双
(
なら
)
べし軒續き客足絶ぬ
店先
(
みせさき
)
は津國屋松右衞門とて小間物を商ひ
相應
(
さうおう
)
の
活計
(
くらし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
これは、小才を利かしてごまかして
活計
(
くらし
)
を立てる方々、と定義してもよかろう。彼らは二つの隊に分れて公衆を餌食にしているように思われる、——すなわち
伊達者
(
ダンディ
)
の隊と、軍人の隊とだ。
群集の人
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
其の日の
活計
(
くらし
)
にも困るようになりましたから、私は
従来
(
これまで
)
の恩がえしに、身を売りたいと思いましたが、義理堅い伯父故、知らしては
許可
(
ゆる
)
しませんから、こっそり
知人
(
しりびと
)
に相談しておりますと
魔王物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
ああ今の
東京
(
とうけい
)
、昔の
武蔵野
(
むさしの
)
。今は
錐
(
きり
)
も立てられぬほどの
賑
(
にぎ
)
わしさ、昔は関も立てられぬほどの広さ。今
仲
(
なか
)
の
町
(
ちょう
)
で
遊客
(
うかれお
)
に
睨
(
にら
)
みつけられる
烏
(
からす
)
も昔は
海辺
(
うみばた
)
四五町の漁師町でわずかに
活計
(
くらし
)
を立てていた。
武蔵野
(新字新仮名)
/
山田美妙
(著)
わけて万作は此頃
僂麻質斯
(
りゅうまちす
)
で右の腕をいためて時々は久しく仕事を休むこともあり、それに
不漁
(
しけ
)
が続くやら網を破くやらで
活計
(
くらし
)
も段々困難になって来るので、果ては今迄になく大酒をのみ出して
漁師の娘
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
まず
融通
(
ゆとり
)
のある
活計
(
くらし
)
。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
健三は時々兄が死んだあとの家族を、ただ
活計
(
くらし
)
の方面からのみ眺める事があった。彼はそれを残酷ながら自然の眺め方として許していた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
引続きお話申します業平文治は町奴親分と云うのではありません、浪人で
田地
(
でんじ
)
も多く持って居りますから
活計
(
くらし
)
に困りませんで、人を助けるのが極く好きです。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
少し
活計
(
くらし
)
向きの豊かなものなれば三人あるいは四人位持って居るというのが今日ネパール国民の状態である。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「
根気
(
こん
)
の薬じゃ。」と、そんな
活計
(
くらし
)
の中から、朝ごとに玉子を割って、黄味も二つわけにして兄弟へ……
瓜の涙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
大がらとても
八歳
(
やつ
)
は八歳、
天秤
(
てんびん
)
肩にして痛みはせぬか、足に草鞋くひは出来ぬかや、
堪忍
(
かんにん
)
して下され、
今日
(
けふ
)
よりは私も
家
(
うち
)
に帰りて伯父様の介抱
活計
(
くらし
)
の助けもしまする
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
網船頭
(
あみせんどう
)
なぞというものはなおのことそうです。網は御客自身打つ人もあるけれども先ずは
網打
(
あみうち
)
が打って魚を獲るのです。といって魚を獲って
活計
(
くらし
)
を立てる漁師とは
異
(
ちが
)
う。
幻談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
それから家は貧乏だけれども
活計
(
くらし
)
は大きい。借金もある様子で、その借金の
云延
(
いいのば
)
し、
新
(
あらた
)
に借用の申込みに行き、又
金談
(
きんだん
)
の手紙の代筆もする。
其処
(
そこ
)
の家に
下婢
(
かひ
)
が一人に下男が一人ある。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
其
(
その
)
時分
(
じぶん
)
の
夫婦
(
ふうふ
)
の
活計
(
くらし
)
は
苦
(
くる
)
しい
苛
(
つら
)
い
月
(
つき
)
ばかり
續
(
つゞ
)
いてゐた。
宗助
(
そうすけ
)
は
流産
(
りうざん
)
した
御米
(
およね
)
の
蒼
(
あを
)
い
顏
(
かほ
)
を
眺
(
なが
)
めて、
是
(
これ
)
も
必竟
(
つまり
)
は
世帶
(
しよたい
)
の
苦勞
(
くらう
)
から
起
(
おこ
)
るんだと
判
(
はん
)
じた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そういう
活計
(
くらし
)
をする金はどこから来るかと言えば、先に申しました財産から供給されて居ますので、上等僧侶の家には大抵五名以上七、八十名までの召使がある。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
あとには嫁と孫が二人みんな快う世話をしてくれますが、なにぶん
活計
(
くらし
)
が立ちかねますので、
蛙
(
かえる
)
の子は蛙になる、
親仁
(
おやじ
)
ももとはこの家業をいたしておりましたから
夜行巡査
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
此方が此通りつまらぬ
活計
(
くらし
)
をして居れば、お前の縁にすがつて聟の
助力
(
たすけ
)
を受けもするかと他人樣の
處思
(
おもはく
)
が口惜しく、痩せ我慢では無けれど交際だけは御身分相應に盡して
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
両側は一面に
枝柿
(
えだがき
)
を売る
家
(
いえ
)
が並んで、其の並びには飴菓子屋汁粉屋飯屋などが居て、常には左のみ賑かではございませんが、一年の
活計
(
くらし
)
を二日で取るという位な
苛
(
ひど
)
い商いだが、実に盛んな事で
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
どの位な程度の
活計
(
くらし
)
をしていたものか
能
(
よ
)
く分らないが、困ったとか、窮したとかいう弱い言葉は御常の口を
洩
(
も
)
れなかった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
東京では細君と二人ぐらしで——(私は謡や能で
知己
(
ちかづき
)
なのではない。)どうやらごく小人数の
活計
(
くらし
)
には困らないから、旅行をするのに一着
外套
(
がいとう
)
を心得ていない事はない。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
此方
(
こちら
)
が
此通
(
このとほ
)
りつまらぬ
活計
(
くらし
)
をして
居
(
ゐ
)
れば、
御前
(
おまへ
)
の
縁
(
ゑん
)
にすがつて
聟
(
むこ
)
の
助力
(
たすけ
)
を
受
(
う
)
けもするかと
他人樣
(
ひとさま
)
の
處思
(
おもはく
)
が
口惜
(
くちを
)
しく、
痩
(
や
)
せ
我慢
(
がまん
)
では
無
(
な
)
けれど
交際
(
つきあひ
)
だけは
御身分
(
ごみぶん
)
相應
(
さうおう
)
に
盡
(
つく
)
して
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その時分の夫婦の
活計
(
くらし
)
は苦しい
苛
(
つら
)
い月ばかり続いていた。宗助は流産した御米の
蒼
(
あお
)
い顔を眺めて、これも
必竟
(
つまり
)
は世帯の苦労から起るんだと判じた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
山家
(
やまが
)
ものでも
商人
(
あきんど
)
は利に
敏
(
さと
)
い——名物の力餅を
乾餅
(
かきもち
)
にして貯えても、
活計
(
くらし
)
の立たぬ事に
疾
(
はや
)
く心着いて、どれも竹の橋の停車場前へ引越しまして、袖無しのちゃんちゃんこを
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
或
(
あるひ
)
は
其頃
(
そのころ
)
の
威勢
(
めをひ
)
は
素晴
(
すばら
)
しきものにて、いまの
華族
(
くわぞく
)
何
(
なん
)
として
足下
(
あしもと
)
へも
依
(
よ
)
らるゝ
物
(
もの
)
でなしと、
口
(
くち
)
濘
(
すべ
)
らして
遽
(
あわたゞ
)
しく
唇
(
くちびる
)
かむもをかし、
夫
(
それ
)
に
比
(
くら
)
べて
今
(
いま
)
の
活計
(
くらし
)
は、
火
(
ひ
)
の
消
(
きえ
)
しも
同
(
おな
)
じことなり
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
親父が無理算段の学資を
工面
(
くめん
)
して卒業の上は月給でも取らせて早く隠居でもしたいと思っているのに、子供の方では
活計
(
くらし
)
の方なんかまるで
無頓着
(
むとんじゃく
)
で
現代日本の開化
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それでまず
活計
(
くらし
)
を立てているという、まことに
愧
(
は
)
ずかしい次第さ。しかし、私だってまさか馬方で果てる
了簡
(
りょうけん
)
でもない、目的も
希望
(
のぞみ
)
もあるのだけれど、ままにならぬが浮き世かね
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
段々に喰べへらして天秤まで賣る仕義になれば、
表店
(
おもてだな
)
の
活計
(
くらし
)
たちがたく、月五十錢の裏屋に人目の恥を厭ふべき身ならず、又時節が有らばとて引越しも無慘や車に乘するは病人ばかり
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其所
(
そこ
)
で娘に二度目の夫が出来るまでは、死んだ養子の遺族へ
毎年
(
まいねん
)
下がる扶助料だけで
活計
(
くらし
)
を立てて行った。……
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
(それでは手前、
活計
(
くらし
)
のために夫婦になったか。そんな水臭い奴とは知らなんだ。)
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
段々に喰べへらして
天秤
(
てんびん
)
まで売る仕義になれば、
表店
(
おもてだな
)
の
活計
(
くらし
)
たちがたく、月五十銭の裏屋に人目の恥を
厭
(
いと
)
ふべき身ならず、又時節が有らばとて引越しも
無惨
(
むざん
)
や車に乗するは病人ばかり
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
もとから自分の
持家
(
もちいえ
)
だったのを、一時親類の
某
(
なにがし
)
に貸したなり久しく過ぎたところへ、父が死んだので、
無人
(
ぶにん
)
の
活計
(
くらし
)
には場所も広さも
恰好
(
かっこう
)
だろうという母の意見から
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
唯今
(
ただいま
)
は御慮外をいたしまして、恐入ってござります。命を
繋
(
つな
)
ぐためとは申せ、
因業
(
いんごう
)
な
活計
(
くらし
)
でござりまして、
前世
(
さきのよ
)
の罪が思い遣られまする。」と
啜上
(
すすりあ
)
げて、
南無阿弥
(
なむあみ
)
と小声にて唱え
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
段々
(
だん/\
)
に
喰
(
た
)
べへらして
天秤
(
てんびん
)
まで
賣
(
う
)
る
仕義
(
しぎ
)
になれば、
表店
(
おもてだな
)
の
活計
(
くらし
)
たちがたく、
月
(
つき
)
五十
錢
(
せん
)
の
裏屋
(
うらや
)
に
人目
(
ひとめ
)
の
恥
(
はぢ
)
を
厭
(
いと
)
ふべき
身
(
み
)
ならず、
又
(
また
)
時節
(
じせつ
)
が
有
(
あ
)
らばとて
引越
(
ひきこ
)
しも
無慘
(
むざん
)
や
車
(
くるま
)
に
乘
(
の
)
するは
病人
(
びやうほん
)
ばかり
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あとはと思つてゐると、
今度
(
こんど
)
は毎日の
活計
(
くらし
)
に
追
(
お
)
はれ
出
(
だ
)
した。自分ながら
好
(
い
)
い
心持
(
こゝろもち
)
はしなかつたけれども、
仕方
(
しかた
)
なしに
困
(
こま
)
るとは
使
(
つか
)
ひ、
困
(
こま
)
るとは
使
(
つかひ
)
して、とう/\
荒増
(
あらまし
)
亡
(
な
)
くして仕舞つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
三
人
(
にん
)
居縮
(
ゐすく
)
んで
乞食
(
こじき
)
のやうな
活計
(
くらし
)
をするも、
餘
(
あま
)
り
賞
(
ほ
)
めた
事
(
こと
)
では
無
(
な
)
し、
何
(
なん
)
なりと
口
(
くち
)
を
見
(
み
)
つけて、
今
(
いま
)
の
内
(
うち
)
から
心
(
こゝろ
)
がけ
最
(
も
)
う
少
(
すこ
)
しお
金
(
かね
)
になる
職業
(
しよくげう
)
に
取
(
とり
)
かへずば、
行々
(
ゆく/\
)
お
前
(
まへ
)
がたの
身
(
み
)
の
振
(
ふり
)
かたは
無
(
な
)
く
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
で、
屋根
(
やね
)
から
月
(
つき
)
が
射
(
さ
)
すやうな
訳
(
わけ
)
には
行
(
ゆ
)
かない。
其処
(
そこ
)
で、
稼
(
かせ
)
ぎも
為
(
せ
)
ず
活計
(
くらし
)
も
立
(
た
)
てず、
夜毎
(
よごと
)
に
沼
(
ぬま
)
の
番
(
ばん
)
の
難行
(
なんぎやう
)
は、
極楽
(
ごくらく
)
へ
参
(
まゐ
)
りたさに、
身投
(
みな
)
げを
為
(
す
)
るも
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
、と
老爺
(
ぢゞい
)
は
苦笑
(
にがわら
)
ひをしながら
言
(
い
)
つた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あとはと思っていると、今度は毎日の
活計
(
くらし
)
に追われ出した。自分ながら好い心持はしなかったけれども、仕方なしに困るとは使い、困るとは使いして、とうとうあらまし
亡
(
な
)
くしてしまった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
大威張に
出這入
(
ではいり
)
しても差つかへは無けれど、
彼方
(
あちら
)
が立派にやつてゐるに、此方がこの通りつまらぬ
活計
(
くらし
)
をしてゐれば、御前の縁にすがつて
聟
(
むこ
)
の
助力
(
たすけ
)
を受けもするかと
他人様
(
ひとさま
)
の
処思
(
おもはく
)
が
口惜
(
くちを
)
しく
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と
俯目
(
ふしめ
)
に
成
(
な
)
つて、
家
(
うち
)
の
活計
(
くらし
)
のために
身
(
み
)
を
賣
(
う
)
つて、
人買
(
ひとかひ
)
に
連
(
つ
)
れられて
國
(
くに
)
を
出
(
で
)
たまゝ、
行方
(
ゆくへ
)
の
知
(
し
)
れなかつた
娘
(
むすめ
)
が、ふと
夢
(
ゆめ
)
のやうに
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
て、
死
(
し
)
したるものの
蘇
(
よみがへ
)
つた
如
(
ごと
)
く、
彼
(
か
)
の
女
(
をんな
)
を
取卷
(
とりま
)
いた
人々
(
ひと/″\
)
に
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
拜
(
おが
)
みますと
心
(
こゝろ
)
から
泣
(
な
)
いて、
此
(
この
)
ある
甲斐
(
かひ
)
なき
活計
(
くらし
)
を
數
(
かぞ
)
へれば、
與
(
よ
)
四
郎
(
らう
)
は
我
(
わ
)
が
身
(
み
)
を
罵
(
のゝし
)
られし
事
(
こと
)
と
腹
(
はら
)
たゝしく、お
爲
(
ため
)
ごかしの
夜學沙汰
(
やがくさた
)
は、
我
(
わ
)
れを
留守
(
るす
)
にして
身
(
み
)
の
樂
(
たの
)
しみを
思
(
おも
)
ふ
故
(
ゆゑ
)
ぞと一
圖
(
づ
)
にくやしく
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
手紙には向うの思わしくない事や、物価の高くて
活計
(
くらし
)
にくい事や、親類も縁者もなくて心細い事や、東京の方へ出たいが都合はつくまいかと云う事や、——凡て
憐
(
あわ
)
れな事ばかり書いてあった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
活
常用漢字
小2
部首:⽔
9画
計
常用漢字
小2
部首:⾔
9画
“活計”で始まる語句
活計向