くら)” の例文
(『秘蔵宝鑰ひぞうほうやく』に曰く、「生まれ生まれ生まれ生まれて生のはじめに暗く、死に死に死に死んで死の終わりにくらし」と)
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
弘法大師は『宝鑰ほうやく』という書物の中で、「生まれ、生まれ、生まれ、生まれて、生の始めに暗く、死に、死に、死に、死んで、死の終わりにくらし」
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
すなはち橋を渡りてわづかに行けば、日光くらく、山厚く畳み、嵐気らんきひややか壑深たにふかく陥りて、幾廻いくめぐりせる葛折つづらをりの、後には密樹みつじゆ声々せいせいの鳥呼び、前には幽草ゆうそう歩々ほほの花をひらき、いよいよのぼれば
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
つ夫れ兇器の横威、人倫をみだし、天地をくらうする事久し。ことに欧洲に於て然りとなす。甘妙なる宗教の光明も暗憺たる黒雲に蔽はれて、天魔幕上に哄笑するかとぞ思はる。
「平和」発行之辞 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
その横文字の看板の、そのまた屋根の、町並の上の近くは濃く青く、はるばると末はくらんだ韃靼だったん海である。またいくらか薄い空の青みである。へりは陰って白い寒い雲の流れである。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
天もくらく、地もくらく、世は常闇とこやみとなることを祈っている。
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
老子いわく「天地不仁(三三)。」弘法大師こうぼうだいしいわく「生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く、死に死に死に死んで死の終わりにくら(三四)。」われわれはいずれに向かっても「破壊」に面するのである。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
竜燈……といっては少しくらい。
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
君行きて心もくら白妙しらたへ
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
風はなほよこしまに吹募りて、高きこずゑははきの掃くが如くたわめられ、まばらに散れる星の数はつひ吹下ふきおろされぬべく、層々れるさむさほとんど有らん限の生気を吸尽して、さらぬだに陰森たる夜色はますまくら
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
韃靼海の深い、遠い、くらい響きが、海鳴りが、波の音が、潮騒が
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
巻きなだりいやつぎつぎにかさむ波の穂くら海豹あざらしの顔
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
竜巻の幾はしら立つくらき海リーダアのは影繁かりき
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
おそろしくくらい、くらい、動いてゐる
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
うちくらむ世のことごと
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
うちくらむ世のことごと
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
おほにただおほくらむ。
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
おほにただおほくらむ。
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
くらい、光らぬ
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
くらき神
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
くらき神
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)