くら)” の例文
却説さて兎と熟兎は物の食べようを異にす、たとえば蕪菁かぶくらうるに兎や鼠は皮をいで地に残し身のみ食うる、熟兎は皮も身も食べてしまう。
苦味くみ丁幾ちんきを服し、ペプシンを服し、粥を煑て吸ひ、フランス麪麭をあがたひてくらひ、壓し麥を喫ふのを見ることは多いが、咀嚼時間を長くして
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
手に手をとりくみて日を給ふが、つひ心神こころみだれ、生きてありし日にたがはずたはぶれつつも、其の肉の腐りただるるををしみて、肉を吸ひ骨をめて、四七はたくらひつくしぬ。
何云ってやがるのだ、このごろこそ、あんまりへんなこともしないが、大酒をくらって、おとっさんを
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「ちびと二人で、あのきちがいをつかまえて来い。そうでないとつちくらわしてくれるぞ。」
汪士秀 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
みずからくらわずふところに収め
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何ぞ下痢を停めんとて氷をくらうに異ならん。かく神社を乱合し、神職を増置増給して神道を張り国民を感化せんとの言なれど、神職多くはその人にあらず。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
アアつまらねえ、こう何もかもぐりはまになった日にゃあ、おれほどのものでもどうもならねえッ。いめえましい、酒でもくらってやれか。オイ、おとま、一しょうばかり取って来な。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
一〇七卑吝ひりん貪酷どんこうの人は、金銀を見ては父母のごとくしたしみ、くらふべきをもくらはず、一〇八穿べきをもず、得がたきいのちさへ惜しとおもはで、起きておもひ臥してわすれねば
※猧さんか児、猫子のなまにくくらわんと欲するか。」
庚娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
男子なんしにも、六八ずゐ煬帝やうだい臣家しんか六九麻叔謀ましゆくぼうといふもの、小児せうにの肉を嗜好このみて、ひそかに民の小児をぬすみ、これをしてくらひしも七〇あなれど、是は浅ましき七一えびす心にて、あるじのかたり給ふとはことなり。