清僧せいそう)” の例文
本願寺も在所の者の望みどほりに承諾した。で代々だい/″\清僧せいそうが住職に成つて、丁度禅寺ぜんでらなにかのやう瀟洒さつぱりした大寺たいじで、加之おまけに檀家の無いのが諷経ふぎんや葬式のわづらひが無くて気らくであつた。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
「さて、御僧には、清僧せいそうか、妻帯さいたいか」
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
奥方の心では二人の子を持戒堅固ぢかいけんご清僧せいそうに仕上げたならば、大昔おほむかしの願泉寺時代のたヽりが除かれやう、ぬまぬししづまるであらうと思つたので、開基かいきと同じ宗旨しうし真言寺しんごんでらと聞いて
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
其時在所ざいしよの者が真言しんごん道場だうじやうであつた旧地へ肉食にくじき妻帯さいたい門徒坊もんとぼんさんを入れるのは面白く無い、御寺の建つ事は結構だがうか妻帯をさらぬ清僧せいそう住持じうぢにしていたゞきたいと掛合かけあつた。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)