“いづれ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
31.8%
29.5%
何方15.9%
那方4.5%
何所2.3%
孰與2.3%
何地2.3%
何處2.3%
何邊2.3%
2.3%
那箇2.3%
那辺2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
高某、あざなは子融、いづれところの人なるを知らない。蘭軒と文字の交を訂し、時に其校讐の業を助けた。文政四年九月十二日に歿した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
實際主義といひ、極實主義といひ、自然主義といふ、その言葉はおなじからずといへども、いづれか沒理想ならざる。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
もらうけいつくしみ養育なし廿箇年以前私し方へ連參つれまゐ何方いづれへ成共奉公致させ呉候樣にとの事に付私し世話致しすなはち三河町伊勢屋五兵衞方へ奉公すみ致させ候處一事のあやまりも無奉公を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
如何にも那方いづれかいつはりなるべきやう浅まなる心には思はるゝを免れず。
雲のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
はづさず話しなば必ず縁談えんだんとゝのはんと彼の富澤町なる甲州屋吉兵衞の次男千太郎の身持みもちとくさぐりしに何所いづれとうてもよき若者なりと賛成ほめざる者の無かりしかば其趣きを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
見られて其方をつと三五郎は何所いづれまゐると申して何日頃宅を出しやと尋問たづねらるゝにお文は恐る/\かうべを上げ夫三五郎儀一昨日藤澤の大津屋段右衞門かたへ參り候とて宅を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
こはヱネチアの心胸と稱すべき處にして、國の性命はこゝに存ずといふなるに、その所謂いはゆる繁華は羅馬のコルソオに孰與いづれぞ、又拿破里ナポリの市に孰與ぞ。
こは我に謀るにあらずして我に命ずるものなればなり、我に命ずるは我をふものなればなり。世途は艱難ならん。されどその我を毒すること今の生涯に孰與いづれぞ。今や公子はわれに自由を與へ給ふ。
きゝモシ八五郎さん御前に弟はなきはずなるが其弟と申さるゝは今迄何地いづれ御在おいでなされしやと問ければ八五郎はぬからず御前さんの御存じなきも道理もつともなり幼少えうせうの時さとに遣して其儘そのまゝ縁切えんきりになし置しが今にては段々だん/\出世しゆつせして四國の丸龜に於て劔術の師匠ししやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
二名にめい水兵すいへい日出雄少年ひでをせうねん大賛成だいさんせいなので、たゞちに相談さうだんまとまつたが、さて何處いづれ方面ほうめんへと見渡みわたすと、此處こゝこと數里すうり西方せいほう一個いつこ高山かうざんがある、火山脉くわざんみやくひとつと
吸付すひつけ差出しながらモシ重さん此程このほど不※ふとした御縁で御心安く成ましたところ明日はわたくしも宿やどもどりますが御前さんは是から何邊いづれへ御こしなされますと云ば重四郎笑ひながらされ何所いづくの誰や我を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
星及び星座近傍の氣、日、及天の氣を觀るの術は、いづれの邦にも古より存して、アストロロジーがアストロノミーの先驅となつたことは、煉金術が化學の先驅となつた如くである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
一ツの工事に二人の番匠、此にも為せたし彼にも為せたし、那箇いづれにせんと上人も流石これには迷はれける。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
同業者は彼の那辺いづれにか金穴きんけつあるを疑はざれども、その果して誰なるやを知る者絶えてあらざるなりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)