“いづこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
何処42.9%
何處41.8%
何所4.4%
何方4.4%
奈辺2.2%
何國1.1%
何地1.1%
奈邊1.1%
如何処1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
は何者か、われに近くあゆみ寄る跫音あしおと、続いて何事か囁く声を聞き侯ふが、少時しばらくにして再び歩みいだせば、……あゝ何処いづこにて捕へられしや。
夜あるき (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
有爲轉變うゐてんぺんの世の中に、只〻最後のいさぎよきこそ肝要なるに、天にそむき人に離れ、いづれのがれぬをはりをば、何處いづこまでしまるゝ一門の人々ぞ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
斯の如き有様故、此無根の風説の世間に伝はることの速さは想像の外に候。小生の平素全く知らざる人にして、何所いづこより聞き知りしか、此風説を聞き知り居る者有之候。
申にぞ越前殿其松五郎は何方いづこにありしやとのおたづねに右松五郎は先達さきだつ惡漢わるもの八五郎と申者召捕めしとられし時より何處へか逃去にげさり其後行方分らざるよし申立ければ越前守殿其八五郎とは先達さきだつて八丈島へ流罪るざい申付たるどろ八が事ならん其せつ泥八が申口にて相尋あひたづねし松五郎なる者行衞ゆくゑ知れず勿論もちろん其節ならば其方を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さてさて奈辺いづこへ持つて行つて晴したらよからうか……。
青白き公園 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
さひはひ、彼處あれゆる白色巡洋艦はくしよくじゆんやうかん、あれは何國いづこ軍艦ぐんかんで、何處どこから何處どこしての航海中かうかいちうかはわからぬが、一應いちおうかのふねたすけをもとめては如何どうだらう。
元來ぐわんらいこの孤島はなれじままへにもやうに、だ、世界輿地圖せかいよちづ表面ひやうめんにはあらはれてらないほどで、櫻木大佐さくらぎたいさ一行いつかうが、はじめて發見はつけんしたまでまつたくの無人島むじんとうで、何國いづこ領地りようちともさだまつてらぬところだから
其人そのひといま新聞しんぶん題目だいもくとなつて世人よのひといぶか旅路たびぢこゝろざしたといふ、その行先ゆくさき何地いづこであらう、その目的もくてきなんであらう。
草の奈邊いづこかくれけむ
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
汝を恋ふるばかりに、やさしき処女の血にさへけがれしを知らずやテフ声、たちま如何処いづこよりか矢の如く心を射れり、山木梅子の美しき影、閉ぢたる眼前に瞭然れうぜんと笑めり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)